2011年 06月 11日
映画でわかるイギリス文化入門 |
音楽、階級、教育、帝国主義、ファッション、文学、ユーモアなど15のトピックスを、イギリス映画30作品からあぶり出してみようというもので、「ガイドブックを物足りないと思っていた人が研究書を読めるようになるための橋渡しとして構想された」本です。
取り上げられている映画は以下の通り(登場順)。
戦場にかける橋
007シリーズ
アラビアのロレンス
大脱走
ハード・デイズ・ナイト
マイ・フェア・レディ
モンティ・パイソン
小さな恋のメロディ
アナザー・カントリー
インドへの道
マイ・ビューティフル・ランドレット
眺めのいい部屋
コックと泥棒、その妻と愛人
フォー・ウェディング
トレインスポッティング
秘密と嘘
マイケル・コリンズ
恋におちたシェイクスピア
リトル・ダンサー
ゴスフォード・パーク
ハリー・ポッター
ブリジット・ジョーンズ
ロード・オブ・ザ・リング
ベッカムに恋して
ネバーランド
オリバー・ツイスト
プライドと偏見
Vフォー・ヴェンデッタ
麦の穂をゆらす風
ミス・ポター
ほとんどの作品は見ていて、やっぱり私はイギリス好きなんだなあと再認識したのですが、見たことがない映画が(007のいくつかを除いて)3作ありました。わかるかな?(戦場にかける橋、小さな恋のメロディ、コックと泥棒、その妻と愛人)
それぞれの映画ごとに「この章で学ぶこと」が冒頭に挙げられ、あらすじ、のあとにそれらの歴史的、社会学的、政治的、あるいは文化的な解釈が示され、ご丁寧にも最後に「ポイント」として学生に対するレポートの宿題のような課題まで提示されています。つまり、大学の講義のように構成されている。
それだけに一般的な映画よもやま話的な内容よりはちょっと深いところまで踏み込んでいる部分もありますが、実際にどれだけ信用できるかは不明。というのも、1回だけ見た・読んだ程度の作品では「なるほど」「ふむふむ」と思えるのですが、「ロード・オブ・ザ・リング」やジェイン・オースティンの項目になるとちょっと調べればすむケアレス・ミステイクや、「いや、それは違うだろう」という世間一般に言われているのとは違う、しかもなんの根拠もない解釈が出されていたりして、ということは他の映画でも同じようなことがされているのかもしれない、と懐疑的になってしまうのです。
まあでも、これはオタク的な人間から見て問題なのであって、ごく表面的におさらいする程度だったら気にしなくてもいい程度の齟齬なのかもしれません。どうも指輪関連とオースティンに関しては小姑的になってしまう私。
それより問題なのは読みにくいこと。いちばんの理由は横書きですが、インターネットを見るときは気にならないのに、本になるとどうしてこんなに横書きは読みにくいのだろう? その上、前半部分はページの下半分にグレーの網掛けとユニオンジャックの写真が印刷されているもので、よけいに読みにくい。
後半の映画紹介部分でカラー写真を使っているせいか、薄いコート紙を使っているのも読みにくさに拍車をかけています。あ、これは読みにくいというよりめくりにくいのか。こういう内容だったら写真は口絵扱いで充分だと思う。こういう装丁・レイアウトって自分は本を読まないデザイナーがするんだろうなあ。ぱっと見には凝っててかっこよく見えるのかもしれないけれど、中身を読む人のことをまったく考えていない。
映画でわかるイギリス文化入門
作者:板倉厳一郎、スーザン・K・パーカー、小野原教子
出版社:松柏社
ISBN:9784775401385
取り上げられている映画は以下の通り(登場順)。
戦場にかける橋
007シリーズ
アラビアのロレンス
大脱走
ハード・デイズ・ナイト
マイ・フェア・レディ
モンティ・パイソン
小さな恋のメロディ
アナザー・カントリー
インドへの道
マイ・ビューティフル・ランドレット
眺めのいい部屋
コックと泥棒、その妻と愛人
フォー・ウェディング
トレインスポッティング
秘密と嘘
マイケル・コリンズ
恋におちたシェイクスピア
リトル・ダンサー
ゴスフォード・パーク
ハリー・ポッター
ブリジット・ジョーンズ
ロード・オブ・ザ・リング
ベッカムに恋して
ネバーランド
オリバー・ツイスト
プライドと偏見
Vフォー・ヴェンデッタ
麦の穂をゆらす風
ミス・ポター
ほとんどの作品は見ていて、やっぱり私はイギリス好きなんだなあと再認識したのですが、見たことがない映画が(007のいくつかを除いて)3作ありました。わかるかな?(戦場にかける橋、小さな恋のメロディ、コックと泥棒、その妻と愛人)
それぞれの映画ごとに「この章で学ぶこと」が冒頭に挙げられ、あらすじ、のあとにそれらの歴史的、社会学的、政治的、あるいは文化的な解釈が示され、ご丁寧にも最後に「ポイント」として学生に対するレポートの宿題のような課題まで提示されています。つまり、大学の講義のように構成されている。
それだけに一般的な映画よもやま話的な内容よりはちょっと深いところまで踏み込んでいる部分もありますが、実際にどれだけ信用できるかは不明。というのも、1回だけ見た・読んだ程度の作品では「なるほど」「ふむふむ」と思えるのですが、「ロード・オブ・ザ・リング」やジェイン・オースティンの項目になるとちょっと調べればすむケアレス・ミステイクや、「いや、それは違うだろう」という世間一般に言われているのとは違う、しかもなんの根拠もない解釈が出されていたりして、ということは他の映画でも同じようなことがされているのかもしれない、と懐疑的になってしまうのです。
まあでも、これはオタク的な人間から見て問題なのであって、ごく表面的におさらいする程度だったら気にしなくてもいい程度の齟齬なのかもしれません。どうも指輪関連とオースティンに関しては小姑的になってしまう私。
それより問題なのは読みにくいこと。いちばんの理由は横書きですが、インターネットを見るときは気にならないのに、本になるとどうしてこんなに横書きは読みにくいのだろう? その上、前半部分はページの下半分にグレーの網掛けとユニオンジャックの写真が印刷されているもので、よけいに読みにくい。
後半の映画紹介部分でカラー写真を使っているせいか、薄いコート紙を使っているのも読みにくさに拍車をかけています。あ、これは読みにくいというよりめくりにくいのか。こういう内容だったら写真は口絵扱いで充分だと思う。こういう装丁・レイアウトって自分は本を読まないデザイナーがするんだろうなあ。ぱっと見には凝っててかっこよく見えるのかもしれないけれど、中身を読む人のことをまったく考えていない。
映画でわかるイギリス文化入門
作者:板倉厳一郎、スーザン・K・パーカー、小野原教子
出版社:松柏社
ISBN:9784775401385
by timeturner
| 2011-06-11 22:38
| 映画
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