2011年 05月 31日
荒地 |
20世紀モダニズム詩の金字塔と言われるエリオットの代表作『荒地』のほか、『プルーフロックその他の観察』など『荒地』以前の主要な詩も収録して前期の詩作の歩みをたどれるようにしたもの。引用と引喩を駆使し重層性を持った詩を味読できるよう詳細な訳注も付いています。
小野寺さんのクラスで紹介されたもの。『フォースター評論集』でもエリオットがとりあげられていましたが、私はまったく読んだことがなかったのでその項目は飛ばしていました。
今回これを(一応)読んではみても、残念ながら私には歯が立ちません。訳注(詩の部分よりページ数が多い)を読めば読むほど「こりゃ無理だわ」という絶望感にかられるだけ。聖書はもちろん、イギリスの知識人が読んでいて当たりまえの古典を残らず知っていないと使われている言葉を理解できないのですから。訳した方は大変だったでしょうねえ。これはもう韻だのなんだの言ってるどころじゃありません。『ハワーズ・エンド』のバスト氏のような心境になってしまいました。それに、どれだけ翻訳が上手だとしても、詩は原語で読まないともどかしいですね。日本語と英語と訳注が一緒になった本ってないのかしら?
越前さんの翻訳クラスで取り上げているグレアム・グリーンの短編の中の何行かに、もしかしたらエリオットの詩からとっているのかもしれないと思われる箇所があることに気づきました。詩の発表時期と短編の発表時期を考えても可能性はありそうです。こういう発見はちょっとうれしい。
原題:The Wasteland
作者:T・S・エリオット
訳者:岩崎宗治
出版社:岩波書店
ISBN:4003225821
小野寺さんのクラスで紹介されたもの。『フォースター評論集』でもエリオットがとりあげられていましたが、私はまったく読んだことがなかったのでその項目は飛ばしていました。
今回これを(一応)読んではみても、残念ながら私には歯が立ちません。訳注(詩の部分よりページ数が多い)を読めば読むほど「こりゃ無理だわ」という絶望感にかられるだけ。聖書はもちろん、イギリスの知識人が読んでいて当たりまえの古典を残らず知っていないと使われている言葉を理解できないのですから。訳した方は大変だったでしょうねえ。これはもう韻だのなんだの言ってるどころじゃありません。『ハワーズ・エンド』のバスト氏のような心境になってしまいました。それに、どれだけ翻訳が上手だとしても、詩は原語で読まないともどかしいですね。日本語と英語と訳注が一緒になった本ってないのかしら?
越前さんの翻訳クラスで取り上げているグレアム・グリーンの短編の中の何行かに、もしかしたらエリオットの詩からとっているのかもしれないと思われる箇所があることに気づきました。詩の発表時期と短編の発表時期を考えても可能性はありそうです。こういう発見はちょっとうれしい。
原題:The Wasteland
作者:T・S・エリオット
訳者:岩崎宗治
出版社:岩波書店
ISBN:4003225821
by timeturner
| 2011-05-31 23:49
| 和書
|
Comments(0)