2011年 04月 09日
月に囚われた男 |
近未来では枯渇した地球のエネリギーを月で採取した燃料で補っていた。そのための採取基地にはサム・ベルがたったひとりで勤務し、スーパーロボットのガーティーだけを話し相手に、3年の契約期間が終了して地球に帰り、妻や幼い娘に会うことを励みにしていた。その任期も残り2週間となった時、作業中に事故を起こしてしまったサムは、基地内の診療室で無事に目を覚ますが、本部の外出禁止命令を無視して出かけていった採掘場で事故車を発見し、車内で自分とそっくりの男が怪我をして倒れているのを発見する・・・。
監督はデヴィッド・ボウイの息子だそうですが、すごいです。ひさびさに見た本物の傑作。文句のつけようがない。脚本は別の人ですが原案が本人なのでこれは完全に監督の才能のたまものですね。
出てくる場面は宇宙船の中か初歩的なCGで作ったような月世界の単調な景色で、俳優もサム・ロックウェルひとり(TV通話の画面で何人かが数分出てはきますが)と、およそ低予算で作られていますが、映画はお金じゃないんだ、才能だ。
「2001年宇宙の旅」以降のその手のSF映画を見てきている観客は、ガーティが果たして本当に味方なのか最後まで不確かだし、サム自身のアイデンティティも見るほどにわからなくなっていく。最初から最後まで気を抜けずに食い入るように見ていくうちに事の真相が少しずつ明らかになっていく快感。そしてほどよいセンチメンタリズムとヒロイズムが潤いを与え、ラストには勧善懲悪の快感も用意されているといういたれりつくせりの展開。
正直言って、私は最後の勧善懲悪はないほうが作品としては上質になったと思う。サムが無事に帰れたのかどうか、その後どうなったのかは観客の想像に任せたほうが奥行きが出たんじゃないかな。でも、最近の観客はわかりきったことまで説明されないと不満をもつ人が多いので仕方がないのかもしれません
サム・ロックウェルは素晴らしい好演ですが、あの瑞々しい青年がお腹の出たおっさんに変身していたのには驚きました。まあ、私の記憶の中の彼は「キャメロット・ガーデンの少女」(1997)だからなあ。無理もないか。もう40過ぎてるんだものね。ガーティの声にケヴィン・スペイシーという配役もナイスでした。
原題:Moon(2009)
上映時間:97 分
製作国:イギリス
監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:サム・ロックウェル、ドミニク・マケリゴット、カヤ・スコデラーリオ、ベネディクト・ウォン、マット・ベリー、マルコム・スチュワートほか。
声の出演:ケヴィン・スペイシー
監督はデヴィッド・ボウイの息子だそうですが、すごいです。ひさびさに見た本物の傑作。文句のつけようがない。脚本は別の人ですが原案が本人なのでこれは完全に監督の才能のたまものですね。
出てくる場面は宇宙船の中か初歩的なCGで作ったような月世界の単調な景色で、俳優もサム・ロックウェルひとり(TV通話の画面で何人かが数分出てはきますが)と、およそ低予算で作られていますが、映画はお金じゃないんだ、才能だ。
「2001年宇宙の旅」以降のその手のSF映画を見てきている観客は、ガーティが果たして本当に味方なのか最後まで不確かだし、サム自身のアイデンティティも見るほどにわからなくなっていく。最初から最後まで気を抜けずに食い入るように見ていくうちに事の真相が少しずつ明らかになっていく快感。そしてほどよいセンチメンタリズムとヒロイズムが潤いを与え、ラストには勧善懲悪の快感も用意されているといういたれりつくせりの展開。
正直言って、私は最後の勧善懲悪はないほうが作品としては上質になったと思う。サムが無事に帰れたのかどうか、その後どうなったのかは観客の想像に任せたほうが奥行きが出たんじゃないかな。でも、最近の観客はわかりきったことまで説明されないと不満をもつ人が多いので仕方がないのかもしれません
サム・ロックウェルは素晴らしい好演ですが、あの瑞々しい青年がお腹の出たおっさんに変身していたのには驚きました。まあ、私の記憶の中の彼は「キャメロット・ガーデンの少女」(1997)だからなあ。無理もないか。もう40過ぎてるんだものね。ガーティの声にケヴィン・スペイシーという配役もナイスでした。
原題:Moon(2009)
上映時間:97 分
製作国:イギリス
監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:サム・ロックウェル、ドミニク・マケリゴット、カヤ・スコデラーリオ、ベネディクト・ウォン、マット・ベリー、マルコム・スチュワートほか。
声の出演:ケヴィン・スペイシー
by timeturner
| 2011-04-09 23:45
| 映画
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