2011年 03月 29日
イカとクジラ |
1986年のブルックリン。16歳のウォルトと12歳のフランクは両親ともに博士号をもった作家というインテリ家庭で育ち、ウォルトは父を尊敬し、その意見をうのみにしている。だが、父親は最近ではずっとスランプで作品は出版されず、大学講師としてのわずかな収入しかない。一方、母親のほうはやや大衆的ではあるものの売れっ子の作家になりつつある。ある日、兄弟は両親から離婚を告げられた。未成年の兄弟は共同監護という形で父親と母親の家を行き来することになる。インテリらしく冷静に合理的にことが進んだかのように見えたが、やがてさまざまな形で問題が起こってくる・・・。
こういう題材でこういうあらすじを読むと、それじゃあ兄弟がさまざまな困難に直面し、両親をはじめ周囲の人たちとぶつかったのちに成長するハートウォーミングな話なんだろう、と思うでしょう? まったく違った・・・。なんとも形容のしようがない不可思議な映画でした。
特典で監督とニューヨーク映画祭の選考委員フィリップ・ロペイトとのかなり長い対談が入っているんですが、その冒頭でロペイトが言っていた「この映画は人が触れられたくない部分を描いている」という言葉がすべてを表していると思う。家族4人がみんな鼻持ちならない人間ばかり。フランクはまだ幼いからそれでも同情できるんですが、父親の尊大さ、母親の身勝手、ウォルトの欺瞞などなど、まさしく「見たくない部分」ばかりこれでもかというほど描いています。
この脚本は作家のジョナサン・バームバックと映画評論家のジョージア・ブラウンを両親にもち、ブルックリンで育った監督自身の経験をもとにしたもので、ノア・バームバックは自身をジェシー・アイゼンバーグが演じたウォルトに投影し、一種のセラピーとしたんじゃないのかな。それをお金を払う他人に見せるのが適当かどうかは私には判断できませんが、とりあえず1980年代のブルックリンの雰囲気がよかったので許すことにします。ちょうど今、ブルックリンを舞台にした本を読んでいるところだったのでグッドタイミングだし。
原題:The Squid and The Whale(2005)
上映時間:81 分
製作国:アメリカ
監督:ノア・バームバック
出演:ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェシー・アイゼンバーグ、オーウェン・クライン、ウィリアム・ボールドウィン、アンナ・パキン、ヘイリー・ファイファー、ケン・レオンほか。
こういう題材でこういうあらすじを読むと、それじゃあ兄弟がさまざまな困難に直面し、両親をはじめ周囲の人たちとぶつかったのちに成長するハートウォーミングな話なんだろう、と思うでしょう? まったく違った・・・。なんとも形容のしようがない不可思議な映画でした。
特典で監督とニューヨーク映画祭の選考委員フィリップ・ロペイトとのかなり長い対談が入っているんですが、その冒頭でロペイトが言っていた「この映画は人が触れられたくない部分を描いている」という言葉がすべてを表していると思う。家族4人がみんな鼻持ちならない人間ばかり。フランクはまだ幼いからそれでも同情できるんですが、父親の尊大さ、母親の身勝手、ウォルトの欺瞞などなど、まさしく「見たくない部分」ばかりこれでもかというほど描いています。
この脚本は作家のジョナサン・バームバックと映画評論家のジョージア・ブラウンを両親にもち、ブルックリンで育った監督自身の経験をもとにしたもので、ノア・バームバックは自身をジェシー・アイゼンバーグが演じたウォルトに投影し、一種のセラピーとしたんじゃないのかな。それをお金を払う他人に見せるのが適当かどうかは私には判断できませんが、とりあえず1980年代のブルックリンの雰囲気がよかったので許すことにします。ちょうど今、ブルックリンを舞台にした本を読んでいるところだったのでグッドタイミングだし。
原題:The Squid and The Whale(2005)
上映時間:81 分
製作国:アメリカ
監督:ノア・バームバック
出演:ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェシー・アイゼンバーグ、オーウェン・クライン、ウィリアム・ボールドウィン、アンナ・パキン、ヘイリー・ファイファー、ケン・レオンほか。
by timeturner
| 2011-03-29 23:49
| 映画
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