2010年 06月 08日
ハムレット |

陰影をいかしたモノクロ画面はデンマークの暗鬱な雰囲気をよく出しているし、金髪で彫りの深い顔、すらっとした長い足、気品のある物腰とオリヴィエは王子にぴったりなんですが、いささか長い。というか、もともとシェイクスピアの芝居は間に休憩をはさんだ2幕物だそうですから、2時間半の間見続けるのは無理があります。実は私も途中で止めてしまい、3回に分けて見ました。
それと、なにしろ私が生まれる前の映画ですから、デジタルリマスターにも限界があって、ところどころ雨が降ったり音が割れたります。
オリヴィエの声が私の好みより高かったのでちょっとがっかりしましたが、セリフ回しや気品あふれる姿はさすが。あんなタイツ姿であほっぽく見えない人ってそうそういませんよ。レアティーズとの決闘では(おそらく)スタントマンなしで素晴らしい剣さばきを見せていて、基本が違う!と思った。
時々、額のシワが深くなると王子というにはちと老けてるかなあと思えたので、撮影当時いくつだったんだろうと調べてみました。そしたらなんと40~41歳! 母親である王妃に甘えるシーンがあんなに自然だったのに・・・。役者は魔物ですね。調べていたらオリヴィエがダーシーを演じている「高慢と偏見」があることも発見。観たいかも。
オフィーリアが川で溺れて流れていくシーンはミレイの絵を思わせる美しさでした。ひょっとしてあの絵を頭に置いてあのシーンを撮ったのか? このオフィーリアを演じているのがジーン・シモンズで、KISSのあの人ではありません(言うまでもないか)。クリストファー・リーは槍持ちのひとりだそうでどこにいるのかわかりませんでした。ハムレットに馬鹿にされる間抜けな宮廷人はピーター・カッシングだそうです。後にリーとともにホラー映画のアイコンになる人がこんなコミカルな演技をしていたとは。
原題:Hamlet(1948)
上映時間:153 分
製作国:イギリス
監督:ローレンス・オリヴィエ
出演:ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、ベイジル・シドニー、アイリーン・ハーリー、フェリックス・アイルマー、ピーター・カッシング、ノーマン・ウーランド、クリストファー・リー、ジョン・ローリー、エスモンド・ナイト、アンソニー・クエイル、ニオール・マッギニス、スタンリー・ホロウェイ、ラッセル・ソーンダイク、テレンス・モーガンほか。
声の出演:ジョン・ギールグッド
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by timeturner
| 2010-06-08 22:14
| 映画
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