2009年 10月 01日
Uluru Walk |
今回の旅行のメインイベントと言っていいこのツアー、主催はAustralia Ecotoursで、ここのポリシーはその名の通りエコ・ツーリズム。参加者を少人数に限り、ガイドには人類学、生物学、動物学、地質学、または環境科学の学位をもつ人材を採用し、さらにその土地について研修を行っているという。
ウルルの周囲をぐるっと歩いて回るBase Walkツアーはおそらくここだけのはず。ウルルに登るツアーは扱っていません。
5時15分にホテル前でピックアップしてもらい、夜明け前に歩き出してビューイング・ポイントで朝日が昇るのを眺め、その後ガイドの説明を聞きながら徒歩でウルルを全周、途中で朝食をとるという内容。ガイドはサムというビール腹の、でも元気な男性で、アダムという若い見習いがついてきました。
国立公園に入り、さあ出発という地点で車が停まって外に出るとまだ真っ暗。風が強いので物凄く寒く、なんと雨が降ってて、おまけに雷と稲妻まで!(サンダー&ライトニングだよ、ベイビー!) 車の後ろにつないであるトレーラーには朝食パック(大きなタッパーにジュースや牛乳、水、マフィン、ヨーグルトなどがぎっしり)のほかにリュックやポンチョも積んであり、必要な人は借りられというのでポンチョを借りました。タンクトップ、長袖のシャツ、フリースの上からナイロンのフード付きジャケットを着ていたけど、これほどの雨だとびしょ濡れになってしまう。強風の中苦労しながらポンチョを着ていたこのときが私にとって最大の正念場だったかも。
このツアー、日頃運動不足な私にはそもそもチャレンジでした。そのために靴も買ったしウォーキングも始めたわけで、10km歩くことにはある程度自信がついていたんですが、どうもシドニーに着いてからお腹の調子がよくなくて、10kmの間にトイレが1ヶ所しかないところを歩くというのがか~なり不安。昨日のアメリカ人みたいに他の参加者に迷惑をかけたらと思うからさらにプレッシャーがかかって体調に響いていたみたい。そこへもってきてこの天候だから、気分がどよ~んと落ち込んで、よっぽどここでやめて車の中に残ろうかと思ったほどです。友人があとになってから、このときの私がものすごく惨めそうだったと笑っていましたが、惨めというよりパニックというのが近い。(写真は友人が撮ったもの。左端にぼんやり写っているネズミ男みたいなのが私です)
それでもまあ歩き始めたらときどき雨もやみ、そのうち明るくなってきて、日の出の時間(6時45分くらい)になったらいきなり明るくなってご覧の通り影がこんなに長く! この激烈な変化は砂漠ならではでしょうか。この日は午後から晴れたけど雲は多くて変わりやすい天気でした。
ツアー参加者は20名弱(マイクロバスの定員が22名)でさすがに不健康そうな人や肥満の人はひとりもいませんでした。東洋人は私たち2人だけ。あとはイギリス人、ドイツ人、オーストラリア人といったところ。背の高い人が多く脚が長いので、みんな歩くのが速い! 特に急ぎ足ではなく、見た目はゆったり歩いているのに私の早足と同じくらいなんだからいやになっちゃいます。
サムは要所要所で立ち止まり、植物や動物、土地、アボリジニについてなどいろいろな話をしてくれる。ほんとによく知ってる。で、話の最後に必ず「なにか質問は?」って聞くんだけど、誰も質問しないのね。まあ、話してくれたことで完結しているのでそれ以上素人には聞くことも思いつかないって感じなんだけど、サムとしてはもっと知っているのに聞いてもらえないのが残念らしく「きょうのグループは静かだな」と不満そうに何度も呟いていました。
草葺きの屋根がついた小さなバス停みたいな休憩所で朝食をとったときにはちょうど(あるいはサムが予想して時間を調整したのか)雨が激しくなり、ザアザア降りの雨を眺めながら「こんな中を歩かなくてすんでよかった」と思いつつ水とクッキーだけの朝食(怖くてとても食べられない)。サムが飲み残したジュースを近くの木の根元に捨てて「みんな飲み残した液体は植物にやってね」と言ったのでみんなが真似していましたが、あれって本当に大丈夫なんだろうか? 添加物のないものを選んではいるんだろうけど、それでもジュースを植物にってあり?
ウルルの麓なんてどこもみんな同じで退屈するんじゃないかと内心少し心配していたのですが、実はまるで違うんですよね。丸裸の土地もあれば林のように木が茂り花が咲いているところもある。特に雨が降ったので多くの植物がいっせいに花をつけたようで、そういう意味ではラッキーでした。
あ、もっとラッキーだったのは銀色のウルルが見られたこと。雨で湿ったウルルを曇り空の下で見るとよくある赤いウルルではなく銀色のウルルになるんですが、これはめったに見られない風景だと、のちほど行ったビジターセンターの展示の中に書かれていました。
それと雨が降ったあとにうっすら虹がウルルに向かってかかるのも見ることができました。砂漠で虹なんてめったに見られるものではありません。
途中、きのうのKuniya Walkで行った洞窟や滝にも行きましたが、雨の中で見るとまた雰囲気が違っていい。特に滝は泉に落ちる雨の音がちりちりちりととても繊細で美しく、うっとりしてしまいました。動画で音がとれないかとやってみたけどダメですね。
このあとは初めて見る風景になり、雨に濡れてチョコレートマフィンのようになったウルルや、アボリジニの聖地とされている場所(写真撮影は禁止)、それにウルルを形成している砂岩の本来の色(あの赤い色は砂岩に含まれる鉄分が酸化したもの)が見られる洞窟など、いろいろなポイントがありました。最後は谷になっているところを奥まで歩いていって終了。水が少しでもあるといきなり緑豊かになるところが自然のすごさですね。
途中で1回トイレ休憩もあり、危惧していたわりには何事もなく終了しました。いやはやよかった。そういえばトイレのそばの休憩所からウルル登山路が見える(とサムは言ったが慣れない私たちの目にはわからなかった)ので登る話になりました。今でも登っているのはほとんどが日本人という話になって居心地悪し。でも、フォローのつもりか富士山登山の話や日本人の宗教観の違いなどに触れてはくれたんだけどね。日本人の次に多いのはドイツ人らしい。最近では遭難したドイツ人が莫大な捜索費用を請求されたのに「保険でカヴァーできるから」と払わずに帰ったという話があったって。サムは「Insurance will not cover stupidity」と言ってました。
ホテルまで戻り、別れる際にサムに今夜のNight Sky Show は催行されるのだろうか?と聞くと「キャンセルだから電話で確認して」と言われ、今日の午後の予定はなくなってしまった。(このあと電話でキャンセルを確認したにもかかわらず9時過ぎにホテルの部屋に日本人ガイドから電話が入った。オペレーターがカードチャージはキャンセルしたもののツアー予定からは削除していなくて、結局ツアーは催行されたのでガイドがホテルまで迎えに来てしまったというわけ。用意もしていなかったので行かなかったけど)
まだ10時半なのに1日ずっと働いたあとのような充足感だわ。
ウルルの周囲をぐるっと歩いて回るBase Walkツアーはおそらくここだけのはず。ウルルに登るツアーは扱っていません。
5時15分にホテル前でピックアップしてもらい、夜明け前に歩き出してビューイング・ポイントで朝日が昇るのを眺め、その後ガイドの説明を聞きながら徒歩でウルルを全周、途中で朝食をとるという内容。ガイドはサムというビール腹の、でも元気な男性で、アダムという若い見習いがついてきました。
国立公園に入り、さあ出発という地点で車が停まって外に出るとまだ真っ暗。風が強いので物凄く寒く、なんと雨が降ってて、おまけに雷と稲妻まで!(サンダー&ライトニングだよ、ベイビー!) 車の後ろにつないであるトレーラーには朝食パック(大きなタッパーにジュースや牛乳、水、マフィン、ヨーグルトなどがぎっしり)のほかにリュックやポンチョも積んであり、必要な人は借りられというのでポンチョを借りました。タンクトップ、長袖のシャツ、フリースの上からナイロンのフード付きジャケットを着ていたけど、これほどの雨だとびしょ濡れになってしまう。強風の中苦労しながらポンチョを着ていたこのときが私にとって最大の正念場だったかも。
このツアー、日頃運動不足な私にはそもそもチャレンジでした。そのために靴も買ったしウォーキングも始めたわけで、10km歩くことにはある程度自信がついていたんですが、どうもシドニーに着いてからお腹の調子がよくなくて、10kmの間にトイレが1ヶ所しかないところを歩くというのがか~なり不安。昨日のアメリカ人みたいに他の参加者に迷惑をかけたらと思うからさらにプレッシャーがかかって体調に響いていたみたい。そこへもってきてこの天候だから、気分がどよ~んと落ち込んで、よっぽどここでやめて車の中に残ろうかと思ったほどです。友人があとになってから、このときの私がものすごく惨めそうだったと笑っていましたが、惨めというよりパニックというのが近い。(写真は友人が撮ったもの。左端にぼんやり写っているネズミ男みたいなのが私です)
それでもまあ歩き始めたらときどき雨もやみ、そのうち明るくなってきて、日の出の時間(6時45分くらい)になったらいきなり明るくなってご覧の通り影がこんなに長く! この激烈な変化は砂漠ならではでしょうか。この日は午後から晴れたけど雲は多くて変わりやすい天気でした。
サムは要所要所で立ち止まり、植物や動物、土地、アボリジニについてなどいろいろな話をしてくれる。ほんとによく知ってる。で、話の最後に必ず「なにか質問は?」って聞くんだけど、誰も質問しないのね。まあ、話してくれたことで完結しているのでそれ以上素人には聞くことも思いつかないって感じなんだけど、サムとしてはもっと知っているのに聞いてもらえないのが残念らしく「きょうのグループは静かだな」と不満そうに何度も呟いていました。
草葺きの屋根がついた小さなバス停みたいな休憩所で朝食をとったときにはちょうど(あるいはサムが予想して時間を調整したのか)雨が激しくなり、ザアザア降りの雨を眺めながら「こんな中を歩かなくてすんでよかった」と思いつつ水とクッキーだけの朝食(怖くてとても食べられない)。サムが飲み残したジュースを近くの木の根元に捨てて「みんな飲み残した液体は植物にやってね」と言ったのでみんなが真似していましたが、あれって本当に大丈夫なんだろうか? 添加物のないものを選んではいるんだろうけど、それでもジュースを植物にってあり?
ウルルの麓なんてどこもみんな同じで退屈するんじゃないかと内心少し心配していたのですが、実はまるで違うんですよね。丸裸の土地もあれば林のように木が茂り花が咲いているところもある。特に雨が降ったので多くの植物がいっせいに花をつけたようで、そういう意味ではラッキーでした。
このあとは初めて見る風景になり、雨に濡れてチョコレートマフィンのようになったウルルや、アボリジニの聖地とされている場所(写真撮影は禁止)、それにウルルを形成している砂岩の本来の色(あの赤い色は砂岩に含まれる鉄分が酸化したもの)が見られる洞窟など、いろいろなポイントがありました。最後は谷になっているところを奥まで歩いていって終了。水が少しでもあるといきなり緑豊かになるところが自然のすごさですね。
ホテルまで戻り、別れる際にサムに今夜のNight Sky Show は催行されるのだろうか?と聞くと「キャンセルだから電話で確認して」と言われ、今日の午後の予定はなくなってしまった。(このあと電話でキャンセルを確認したにもかかわらず9時過ぎにホテルの部屋に日本人ガイドから電話が入った。オペレーターがカードチャージはキャンセルしたもののツアー予定からは削除していなくて、結局ツアーは催行されたのでガイドがホテルまで迎えに来てしまったというわけ。用意もしていなかったので行かなかったけど)
まだ10時半なのに1日ずっと働いたあとのような充足感だわ。
by timeturner
| 2009-10-01 22:37
| 旅行
|
Comments(2)
Commented
by
いっこー
at 2009-10-17 01:14
x
おぉ〜、素晴らしいですねー。
一度はこの地に行ってみたいのですが、これを読んですっかり行った気分になってます(^^
雨って鬱陶しいし、雨や嵐に出会う確率がいつも高いんですが、そのおかげでドラマチックな自然の変化が楽しめるので、実は結構好きだったりします。
一度はこの地に行ってみたいのですが、これを読んですっかり行った気分になってます(^^
雨って鬱陶しいし、雨や嵐に出会う確率がいつも高いんですが、そのおかげでドラマチックな自然の変化が楽しめるので、実は結構好きだったりします。
0
Commented
by
shoh
at 2009-10-17 11:56
x
インドア派の私ですらあんなに楽しめたのですから、いっこーさんならきっと大満喫できると思います。写真ももっといいのが撮れるし(^^)。この日の写真は雨の中ポンチョの影で撮ったものが多いのでどれも手ぶれしていて悲しい。
雨、雷、嵐といった自然によるトラブルはそのときは「げっ」と思うけど、あとになってみると忘れられない楽しいものにしてくれますね。盗難、事故など人為的なものはダメだけど(^^;)。
雨、雷、嵐といった自然によるトラブルはそのときは「げっ」と思うけど、あとになってみると忘れられない楽しいものにしてくれますね。盗難、事故など人為的なものはダメだけど(^^;)。