2009年 09月 05日
シッコ |
西側世界の中で唯一、公的な国民皆保険制度を持たない国アメリカの実情をレポートし、カナダ、イギリス、フランス、キューバの医療制度、福祉制度と比較するドキュメンタリー・
いやもう、いくらなんでもここまでくるとなんらかの情報操作をしているんじゃないかとすら思えてきます。画面に登場する人々が嘘をついていることはないにしても、あえて画面には登場させていない事実があるんじゃないかと。
イギリスだってフランスだってここに描かれているほど誰もが幸せに暮らしているわけはないし、キューバはこの映画のための取材依頼を素晴らしいプロモーションの機会と捉えて受け入れたはず。(でも実際に私が行ったときも旅行者が具合が悪くなった場合も無料で診てもらえると聞いた。あ、あとドイツだけど救急車で病院に行ったときもお金は請求されなかった)
それでもやっぱり医療問題に関してアメリカが救いのない状態にあることは間違いないでしょう。そもそもカナダ、イギリス、フランス、キューバの街角の映像とアメリカ国内のそれとを比べると、危険なほどに肥満した人の数が圧倒的に違います。ああした肥満は教育・医療に関わる問題であると同時に、公共交通機関を整備せず、自動車産業や石油産業に都合のいい状況のまま放置している結果でもあると思う。
しかし、アメリカ人の社会主義に対する不信感というのはなんでああも根強いんでしょうね。かつて一度でも社会主義体制になって苦汁をなめたというわけでもないのに。アメリカン・ドリームと表裏一体のファンタジーなのかな。
さて、オバマ政権になってどう変わっていくのか・・・。
って他人事じゃないんだけどね、日本も。
原題:Sicko(2007)
上映時間:123 分
製作国:アメリカ
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーアほか。
いやもう、いくらなんでもここまでくるとなんらかの情報操作をしているんじゃないかとすら思えてきます。画面に登場する人々が嘘をついていることはないにしても、あえて画面には登場させていない事実があるんじゃないかと。
イギリスだってフランスだってここに描かれているほど誰もが幸せに暮らしているわけはないし、キューバはこの映画のための取材依頼を素晴らしいプロモーションの機会と捉えて受け入れたはず。(でも実際に私が行ったときも旅行者が具合が悪くなった場合も無料で診てもらえると聞いた。あ、あとドイツだけど救急車で病院に行ったときもお金は請求されなかった)
それでもやっぱり医療問題に関してアメリカが救いのない状態にあることは間違いないでしょう。そもそもカナダ、イギリス、フランス、キューバの街角の映像とアメリカ国内のそれとを比べると、危険なほどに肥満した人の数が圧倒的に違います。ああした肥満は教育・医療に関わる問題であると同時に、公共交通機関を整備せず、自動車産業や石油産業に都合のいい状況のまま放置している結果でもあると思う。
しかし、アメリカ人の社会主義に対する不信感というのはなんでああも根強いんでしょうね。かつて一度でも社会主義体制になって苦汁をなめたというわけでもないのに。アメリカン・ドリームと表裏一体のファンタジーなのかな。
さて、オバマ政権になってどう変わっていくのか・・・。
って他人事じゃないんだけどね、日本も。
原題:Sicko(2007)
上映時間:123 分
製作国:アメリカ
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーアほか。
by timeturner
| 2009-09-05 20:36
| 映画
|
Comments(4)
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by
やまじ
at 2009-09-06 01:49
x
そうそう、やっぱりキューバのシーンは、そう思いました。
でも、事実は事実なのでしょう。
あのシーンの患者さんたちの顔を見て、病院に行ったときに、
安堵感を得られることがどれだけ大切なのかということを
痛感しました。
あと、おっしゃるとおり、社会主義への不信感には驚きました。
そこまで勘違いできるのか? あるいは、自分たちの利権を守るために
それを利用しても、国民をだませちゃうところがすごいなぁと。
社会主義への恐怖心というのは、「フロンティア精神」を隠れ蓑に、
銃を持つ事を選択した[他者]への恐怖心と、相通じるものがあるのでは? と思いました。
長々ごめんなさい。
でも、事実は事実なのでしょう。
あのシーンの患者さんたちの顔を見て、病院に行ったときに、
安堵感を得られることがどれだけ大切なのかということを
痛感しました。
あと、おっしゃるとおり、社会主義への不信感には驚きました。
そこまで勘違いできるのか? あるいは、自分たちの利権を守るために
それを利用しても、国民をだませちゃうところがすごいなぁと。
社会主義への恐怖心というのは、「フロンティア精神」を隠れ蓑に、
銃を持つ事を選択した[他者]への恐怖心と、相通じるものがあるのでは? と思いました。
長々ごめんなさい。
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shoh
at 2009-09-06 10:37
x
やまじさん
社会主義に対する恐怖は、かつての冷戦時代にソ連に対して抱いていた恐怖も関係しているのかも。そもそもキューバへの経済封鎖はソ連共産主義に対する恐怖から来ているわけだし。
[他者]への恐怖心・・・それですね。なんの後ろ盾のない人でも自らの才覚と運でトップまで登りつめられる夢の国アメリカ、ということは、つまりそれを阻む恐れのある他人はすべて敵というわけで、「みんな一緒に」の思想とは相容れないんでしょうなあ。
社会主義に対する恐怖は、かつての冷戦時代にソ連に対して抱いていた恐怖も関係しているのかも。そもそもキューバへの経済封鎖はソ連共産主義に対する恐怖から来ているわけだし。
[他者]への恐怖心・・・それですね。なんの後ろ盾のない人でも自らの才覚と運でトップまで登りつめられる夢の国アメリカ、ということは、つまりそれを阻む恐れのある他人はすべて敵というわけで、「みんな一緒に」の思想とは相容れないんでしょうなあ。
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Sarah
at 2009-09-07 00:33
x
私もキューバのシーンはそう思いました~。事実なのかもしれないんですが、なーんかわざとらしくて。
しかしこの映画は、まるでホラー映画ですよね。アメリカ・・・おっかない国です。故・千葉敦子さんのようなあえてアメリカの医療を選択するような人もいるけれど、実際ああいう状況なのでしょうから、庶民の私はつくづく日本人でよかったと思いました・・・ってこれからも思える国でありますように。
しかしこの映画は、まるでホラー映画ですよね。アメリカ・・・おっかない国です。故・千葉敦子さんのようなあえてアメリカの医療を選択するような人もいるけれど、実際ああいう状況なのでしょうから、庶民の私はつくづく日本人でよかったと思いました・・・ってこれからも思える国でありますように。
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by
shoh
at 2009-09-07 09:29
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千葉敦子さんの頃とはアメリカも日本もすべてが大きく変わっていますからねえ。いまのアメリカの医療を選択しょうという人はあまりいないんじゃないでしょうか。まあ、お金持ちなら別ですが・・・。