人間の大地 労働

先日国立近代美術館で見た写真の強烈な印象が忘れられず、区内の図書館にある本をリクエストしてみました。今日受け取りにいったら、５キロ以上あるんじゃないかと思えるような大型本。とてもじゃないけどこの暑さの中を家まで持ち帰り、さらにまた返却のために持ってくる気にはなれません。そのまま閲覧室に直行、１時間ばかりかけて見て、そのまま返却してきました。

いやしかし、すごい写真家です。技術やセンスだけじゃない、神から愛された芸術家だけがもつ幸運を持っているような気がする。どの１枚をとっても写っている人物の表情、ポーズ、構図、背景とのバランス、窓ガラスの汚れ具合まで完璧。スタジオ写真だったらすべてを計算して創りあげることも可能ですが、スナップショットですからね。いくら現場に長く滞在して何万本ものフィルムを消費しても、撮れない人には撮れないです、こんなの。


人間の大地 労働―セバスティアン・サルガード写真集
原題：Workers: An Archaeology of the Industrial Age
作者：セバスティアン・サルガード
訳者：今福龍太
出版社：岩波書店
ISBN：4000080598