2007年 01月 25日
オックスフォード連続殺人 |
アルゼンチンからオックスフォード大学に留学した「私」は、落ち着くやいなや下宿先の未亡人の他殺死体を発見してしまう。世界的数学者セルダム教授とともに謎の記号によって知らされる連続殺人の予告を解こうとするのだが・・・。
イライジャ・ウッド、ジョン・ハート出演でこのミステリーをもとにした映画が作られるという記事をみかけたので読んでみました。ネタバレにはなってしまいましたが、これをどんなふうに映画化するのか興味津々です。もともとの設定であるアルゼンチン人というのは無理ですね。イライジャがスペイン語を特訓するなら別ですが、あまり意味がないし。アメリカからの留学生にするんでしょうね。
著者は実際に数学者でもあり、オックスフォードに留学したこともあるそうで、話の中に登場するオックスフォードの街はとてもいきいきとしています。「**通りを抜けて**へ」などと書いてあるのを読むと、「そうそう、あそこはそんな地理だった」と思い出します。トールキンやルイスの行きつけのパブ「イーグル・アンド・チャイルド」もたびたび登場します。
内容はすご~く変わってました。どうとらえたらいいのかよくわからない。謎ときそのものはかなり単純で「なんだ」というようなものなんですが、そこに行き着くまでに繰り広げられる推理が数学および論理学にのっとったもので、数学音痴の私には半分も理解できませんでした。途中からそういう箇所はほとんど飛ばして読んでいたのですが、事件の謎の解明にはそれほど影響しなかったような。
それじゃあ面白くないんじゃないかと思われるかもしれませんが、けっこう面白いんですよね。妙なエピソードが挿入されていたり、本筋にはあまり関係ない登場人物が意味ありげに書かれていたり、読者を迷わせるワナというだけでなく、現実と夢の境界があいまいになってしまったかのような部分があります。これって南米の人特有の資質かなあ。途中で何度か出てくる外国人から見た「英国人」の定義がけっこう納得できて笑えました。
きちんと整合性をもたせた脚本で、いい俳優を使って、きっちり人と街を描き出した作品にしたら、本より映画のほうが面白くなるような気がします。楽しみ。
オックスフォード連続殺人
原題:Crimenes Imperceptibles
作者:ギジェルモ マルティネス
訳者:和泉圭亮
出版社:扶桑社
ISBN:978-4594050863
イライジャ・ウッド、ジョン・ハート出演でこのミステリーをもとにした映画が作られるという記事をみかけたので読んでみました。ネタバレにはなってしまいましたが、これをどんなふうに映画化するのか興味津々です。もともとの設定であるアルゼンチン人というのは無理ですね。イライジャがスペイン語を特訓するなら別ですが、あまり意味がないし。アメリカからの留学生にするんでしょうね。
著者は実際に数学者でもあり、オックスフォードに留学したこともあるそうで、話の中に登場するオックスフォードの街はとてもいきいきとしています。「**通りを抜けて**へ」などと書いてあるのを読むと、「そうそう、あそこはそんな地理だった」と思い出します。トールキンやルイスの行きつけのパブ「イーグル・アンド・チャイルド」もたびたび登場します。
内容はすご~く変わってました。どうとらえたらいいのかよくわからない。謎ときそのものはかなり単純で「なんだ」というようなものなんですが、そこに行き着くまでに繰り広げられる推理が数学および論理学にのっとったもので、数学音痴の私には半分も理解できませんでした。途中からそういう箇所はほとんど飛ばして読んでいたのですが、事件の謎の解明にはそれほど影響しなかったような。
それじゃあ面白くないんじゃないかと思われるかもしれませんが、けっこう面白いんですよね。妙なエピソードが挿入されていたり、本筋にはあまり関係ない登場人物が意味ありげに書かれていたり、読者を迷わせるワナというだけでなく、現実と夢の境界があいまいになってしまったかのような部分があります。これって南米の人特有の資質かなあ。途中で何度か出てくる外国人から見た「英国人」の定義がけっこう納得できて笑えました。
きちんと整合性をもたせた脚本で、いい俳優を使って、きっちり人と街を描き出した作品にしたら、本より映画のほうが面白くなるような気がします。楽しみ。
オックスフォード連続殺人
原題:Crimenes Imperceptibles
作者:ギジェルモ マルティネス
訳者:和泉圭亮
出版社:扶桑社
ISBN:978-4594050863
by timeturner
| 2007-01-25 20:58
| 和書
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