2007年 01月 02日
女王様と私 |
イギリスの総選挙で共和党が勝利し、王制が廃止された。エリザベス女王以下皇室のメンバーはそれまでの特権をすべて剥奪され、庶民となってバッキンガム宮殿を追われる。引越し先は「地獄横町」と呼ばれる下町の公営住宅で、収入は年金あるいは生活保護だけ。ひとりで着替えもしたことのない女王様が、ショックで引きこもりになってしまったフィリップ殿下と、グレてしまった愛犬ハリスを抱えて珍騒動を繰り広げる。
『Number Ten』の作者の唯一の邦訳本です。あれと同様、「もし・・・が・・・だったら」という架空の前提を元に書かれたユーモア小説で、相変わらずきっつ~い皮肉がいっぱいです。でも面白い。皇室の人たちって本当にここまで世間知らずなのかなあ。
女王様とご近所に住む下層階級の人たちとで最初のうち意志の疎通ができない様子を描いたあたりでは、この前読んだ『言葉にこだわるイギリス社会』を思い出しました。
作者はエリザベス女王とダイアナ妃、それにアン王女にはけっこう好意的なのですが、フィリップ殿下とチャールズ皇太子はさんざんな書かれようです。おそらくイギリス庶民の思いが反映されているんでしょうね。
オリジナルは1992年刊行なので、日本人がまだバブリーに描かれているのがおかしくも哀しい。
女王様と私
作者:スー・タウンゼンド
訳者:橘 雅子
出版社:第三書館
ISBN:4807493477
『Number Ten』の作者の唯一の邦訳本です。あれと同様、「もし・・・が・・・だったら」という架空の前提を元に書かれたユーモア小説で、相変わらずきっつ~い皮肉がいっぱいです。でも面白い。皇室の人たちって本当にここまで世間知らずなのかなあ。
女王様とご近所に住む下層階級の人たちとで最初のうち意志の疎通ができない様子を描いたあたりでは、この前読んだ『言葉にこだわるイギリス社会』を思い出しました。
作者はエリザベス女王とダイアナ妃、それにアン王女にはけっこう好意的なのですが、フィリップ殿下とチャールズ皇太子はさんざんな書かれようです。おそらくイギリス庶民の思いが反映されているんでしょうね。
オリジナルは1992年刊行なので、日本人がまだバブリーに描かれているのがおかしくも哀しい。
女王様と私
作者:スー・タウンゼンド
訳者:橘 雅子
出版社:第三書館
ISBN:4807493477
by timeturner
| 2007-01-02 12:05
| 和書
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