2006年 02月 12日
レジェンド・オブ・サンダー |
ショーン出演の「ヘンリー八世」が入っている「ブリティッシュ・キングダム DVD-BOX」の中の別作品。ロバート・カーライル主演だからか、うちの近所のレンタル屋に置いてありました。前後編2枚に分かれているので約3時間と長いのですが、一気に見ちゃいました。私はやっぱり歴史物が好きらしい。
ロバート・カーライル主演と謳われていますが、彼の役はスコットランド国王ジェイムズ六世にしてイングランドのジェイムズ一世。前編はジェイムズの母である悲劇のスコットランド女王メアリーの話なのでカーライルは全く出てきません。驚いたのはこのメアリー役のクレメンス・ポエジー、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」に出てたフラー嬢です!(ジャケット写真でカーライルの右後ろにいる) TVとはいえこんな大作で主役を演じるほどの女優だったとは知りませんでした。メアリーが即位するまでフランスの宮廷に預けられていてフランス語が堪能だったということから起用されたのでしょうか。映画の中でもフランス語を話すシーンがけっこうあります。
昨年のエジンバラでもメアリーとジェイムズの話はたくさん聞いたり見かけたりしました。お城や美術館で見た絵の中にこのふたりを題材にしたものが多かったのですが、やはり映画として見るとリアルさが違いますね。この時代に若くして女王として生きていく人間の凄まじさをまざまざと見せつけられました。頭が悪かったり気が弱かったりしたらやってられません。
彼女の愛人ボスウェル伯爵を演じているケヴィン・マクキッドはなかなかかっこよかった。
でも、いちばんかっこよかったのは後編でガイ・フォークスを演じていたマイケル・ファスベンダーです。経歴を見てもTVばかりなのでほぼ無名だと思うのですが、ジェラルド・バトラー主演のスパルタ映画「300」に出ているのでこれから売れるかも。あの映画、「トロイ」のように肉体美を強調しているらしいのでちょっと楽しみです。
なんてことはさておき、ロバート・カーライル演じるジェイムズ一世ですが、小児麻痺か何かを患ったのか体が不自由です(これはドラマの演出でそうしたのか実際にもそうだったのかは不明)。おまけに幼い頃に母親から引き離されて育ったのでヒネくれていて性悪な性格。調べたところでは悪魔や魔女の存在を信じていて『悪魔学』なる本を刊行したりもしているらしい。清教徒を弾圧したのも事実。そういう奴を演じさせたらカーライルの右に出る人はいませんね。でも逆にあまりにもハマりすぎてて面白みがない。彼の妻であるデンマーク女王アンが非道の王にも負けない強い女性で最後にはジェイムズを手なずけてしまうあたりは面白かったですが。
さっきガイ・フォークスの名前を出しましたがもちろんイギリスの行事であるガイ・フォークス祭の元となった人です。この映画の題名は歴史上では火薬陰謀事件と訳されていて、ロバート・ケーツビーをリーダーとするカトリック教徒13人がジェイムズ一世を暗殺しようとウェストミンスター宮殿(国会議事堂)の地下に爆薬を仕掛け、議会の開会式の日に爆発させようと企てたものですが、ガイ・フォークスはかつてスペイン軍の傭兵として働いていたこともあり、実行役として引き入れられたようです。結局は失敗して捕らえられ、拷問の挙句に処刑されてしまうのですが、映画はこうしてジェイムズ一世が王権を確立したところで終わります。歴史物だから倫理的帰結というものはないんですよね。
面白かったんだけど気になったのは前編と後編で演出がかなり違ったこと。前編はごく普通の歴史劇なんですが、後編はちょっと新奇さを狙った演出で、役者がいきなり視聴者のほうに向ってモノローグを始めたりする。どこかで読んだ話ではこのふたつは元々は前編・後編ではなく別々に作られたドラマでそれをDVD化する際にくっつけたというんですが、それなら納得です。でも、だったら前後編にしなければよかったのに・・・。
原題: Gunpowder, Treason and Plot(2004)
上映時間: 205 分
製作国: イギリス
監督: ギリーズ・マッキノン
出演: ロバート・カーライル、クレメンス・ポエジー、キャサリン・マコーマック、ケヴィン・マクキッド、エミリア・フォックス、ゲイリー・ルイス、ティム・マッキナリー、マイケル・ファスベンダー、エミリア・フォックスほか。
ロバート・カーライル主演と謳われていますが、彼の役はスコットランド国王ジェイムズ六世にしてイングランドのジェイムズ一世。前編はジェイムズの母である悲劇のスコットランド女王メアリーの話なのでカーライルは全く出てきません。驚いたのはこのメアリー役のクレメンス・ポエジー、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」に出てたフラー嬢です!(ジャケット写真でカーライルの右後ろにいる) TVとはいえこんな大作で主役を演じるほどの女優だったとは知りませんでした。メアリーが即位するまでフランスの宮廷に預けられていてフランス語が堪能だったということから起用されたのでしょうか。映画の中でもフランス語を話すシーンがけっこうあります。
昨年のエジンバラでもメアリーとジェイムズの話はたくさん聞いたり見かけたりしました。お城や美術館で見た絵の中にこのふたりを題材にしたものが多かったのですが、やはり映画として見るとリアルさが違いますね。この時代に若くして女王として生きていく人間の凄まじさをまざまざと見せつけられました。頭が悪かったり気が弱かったりしたらやってられません。
彼女の愛人ボスウェル伯爵を演じているケヴィン・マクキッドはなかなかかっこよかった。
でも、いちばんかっこよかったのは後編でガイ・フォークスを演じていたマイケル・ファスベンダーです。経歴を見てもTVばかりなのでほぼ無名だと思うのですが、ジェラルド・バトラー主演のスパルタ映画「300」に出ているのでこれから売れるかも。あの映画、「トロイ」のように肉体美を強調しているらしいのでちょっと楽しみです。
なんてことはさておき、ロバート・カーライル演じるジェイムズ一世ですが、小児麻痺か何かを患ったのか体が不自由です(これはドラマの演出でそうしたのか実際にもそうだったのかは不明)。おまけに幼い頃に母親から引き離されて育ったのでヒネくれていて性悪な性格。調べたところでは悪魔や魔女の存在を信じていて『悪魔学』なる本を刊行したりもしているらしい。清教徒を弾圧したのも事実。そういう奴を演じさせたらカーライルの右に出る人はいませんね。でも逆にあまりにもハマりすぎてて面白みがない。彼の妻であるデンマーク女王アンが非道の王にも負けない強い女性で最後にはジェイムズを手なずけてしまうあたりは面白かったですが。
さっきガイ・フォークスの名前を出しましたがもちろんイギリスの行事であるガイ・フォークス祭の元となった人です。この映画の題名は歴史上では火薬陰謀事件と訳されていて、ロバート・ケーツビーをリーダーとするカトリック教徒13人がジェイムズ一世を暗殺しようとウェストミンスター宮殿(国会議事堂)の地下に爆薬を仕掛け、議会の開会式の日に爆発させようと企てたものですが、ガイ・フォークスはかつてスペイン軍の傭兵として働いていたこともあり、実行役として引き入れられたようです。結局は失敗して捕らえられ、拷問の挙句に処刑されてしまうのですが、映画はこうしてジェイムズ一世が王権を確立したところで終わります。歴史物だから倫理的帰結というものはないんですよね。
面白かったんだけど気になったのは前編と後編で演出がかなり違ったこと。前編はごく普通の歴史劇なんですが、後編はちょっと新奇さを狙った演出で、役者がいきなり視聴者のほうに向ってモノローグを始めたりする。どこかで読んだ話ではこのふたつは元々は前編・後編ではなく別々に作られたドラマでそれをDVD化する際にくっつけたというんですが、それなら納得です。でも、だったら前後編にしなければよかったのに・・・。
原題: Gunpowder, Treason and Plot(2004)
上映時間: 205 分
製作国: イギリス
監督: ギリーズ・マッキノン
出演: ロバート・カーライル、クレメンス・ポエジー、キャサリン・マコーマック、ケヴィン・マクキッド、エミリア・フォックス、ゲイリー・ルイス、ティム・マッキナリー、マイケル・ファスベンダー、エミリア・フォックスほか。
by timeturner
| 2006-02-12 22:04
| 映画
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