2005年 12月 14日
サイドウェイ |
この前のLAでの朗読会に参加していたサンドラ・オーが出ているというので見てみました。ロード・ムーヴィーは好きだし、ワインの薀蓄も出てくるというので目に楽しい映画かなあと思って。アメリカではアカデミー脚色賞をはじめいろんな賞を取ってるんですよね。
でも、なんか予想と違った。つまらなくはないし、途中だめな男同士の友情に笑ったりしんみりしたりもさせられたけど、なんとなくピンとこなかった。いい男が出てこないからかなあ(^_^;)。
かっこ悪くても一生懸命生きてる人ならそれなりに感情移入できるんだけど、この主人公マイルスは好きになれない。謝る代わりに言い訳の嘘をつくし、未練がましいし。でもまあこのへんは人間だったら仕方がないことなんだけど、許せないのは母親の誕生日を祝いに行ってお金を盗むこと。最初にこのシーンが出てきちゃったからもうそれ以降は好意的な目で見られなかった。
2年前に離婚した妻にまだ未練たらたらのしがない英語教師でやっと書き上げた小説も出版社から相手にされない駄目男だけど、ワインに関しては一家言もつ。ワインについて語るときだけは凛々しく見える、そういう主人公のはず。でも、そんな彼の薀蓄もうさんくさく見える。最初のほうでテイスティングの仕方を友人のジャック(シュワルツネッガーそっくりで笑える)に教えるシーンなんて「これは何かのギャグでこのあとにオチがあるに違いない」なんて思いながら見てました。で、結局そうじゃなくて観客にテイスティングとは何かを教えるシーンだったんだと気づいてシラケたりして。
それとワイナリー巡りの旅のわりにはちゃんとしたワイナリーでおいしいワインを楽しむシーンがあまりない。撮影の仕方なのか、風景にうっとりというシーンもない。素人が旅行の間ビデオカメラで撮ったものを見せられているような感じ。レストランでいろんなワインを飲むシーンでは料理はちょっとおいしそうだったけどちゃんと映さないし、そのうちマイルスは酔っ払っちゃうしでワインと料理を楽しむ喜びというのがちっとも伝わってこないんですよね。そのわりに画面を何分割化して凝ったりもするんだけど、それが効果的に使われてるようには思えない。
まあ、ワインのことは単なる背景であって実際には冴えない中年男にだって意地も夢も愛もあるんだってことを描きたかったのかもしれないけれど、それもまたなんだか男の身勝手ばかりが目立って共感できなかった。監督は「アバウト・シュミット」の人だそうですが、私はあの映画にもあまり感動できなかったのであるいはこの監督の感性と合わないだけかもしれませんが。
女優ふたりはよかったです。サンドラ・オーは朗読会で見たときの印象とはかなり違ってたけど、芯の強さは一緒だったし、ヴァージニア・マドセンはヴィゴが悪魔になった「ゴッド・アーミー 悪の戦士」のときは刺身のつまみたいな役で印象薄かったけれど、若い頃より年とってからのほうがいい女になったなあと思いました。この人は目が印象的ですね。
ところでこれ、アメリカとハンガリーの合作ですが、どうしてハンガリーなのかしら?
原題: Sideways(2004)
上映時間: 130 分
製作国: アメリカ/ハンガリー
監督: アレクサンダー・ペイン
出演: ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン、サンドラ・オー、メアリールイーズ・バーク、ジェシカ・ヘクトほか。
でも、なんか予想と違った。つまらなくはないし、途中だめな男同士の友情に笑ったりしんみりしたりもさせられたけど、なんとなくピンとこなかった。いい男が出てこないからかなあ(^_^;)。
かっこ悪くても一生懸命生きてる人ならそれなりに感情移入できるんだけど、この主人公マイルスは好きになれない。謝る代わりに言い訳の嘘をつくし、未練がましいし。でもまあこのへんは人間だったら仕方がないことなんだけど、許せないのは母親の誕生日を祝いに行ってお金を盗むこと。最初にこのシーンが出てきちゃったからもうそれ以降は好意的な目で見られなかった。
2年前に離婚した妻にまだ未練たらたらのしがない英語教師でやっと書き上げた小説も出版社から相手にされない駄目男だけど、ワインに関しては一家言もつ。ワインについて語るときだけは凛々しく見える、そういう主人公のはず。でも、そんな彼の薀蓄もうさんくさく見える。最初のほうでテイスティングの仕方を友人のジャック(シュワルツネッガーそっくりで笑える)に教えるシーンなんて「これは何かのギャグでこのあとにオチがあるに違いない」なんて思いながら見てました。で、結局そうじゃなくて観客にテイスティングとは何かを教えるシーンだったんだと気づいてシラケたりして。
それとワイナリー巡りの旅のわりにはちゃんとしたワイナリーでおいしいワインを楽しむシーンがあまりない。撮影の仕方なのか、風景にうっとりというシーンもない。素人が旅行の間ビデオカメラで撮ったものを見せられているような感じ。レストランでいろんなワインを飲むシーンでは料理はちょっとおいしそうだったけどちゃんと映さないし、そのうちマイルスは酔っ払っちゃうしでワインと料理を楽しむ喜びというのがちっとも伝わってこないんですよね。そのわりに画面を何分割化して凝ったりもするんだけど、それが効果的に使われてるようには思えない。
まあ、ワインのことは単なる背景であって実際には冴えない中年男にだって意地も夢も愛もあるんだってことを描きたかったのかもしれないけれど、それもまたなんだか男の身勝手ばかりが目立って共感できなかった。監督は「アバウト・シュミット」の人だそうですが、私はあの映画にもあまり感動できなかったのであるいはこの監督の感性と合わないだけかもしれませんが。
女優ふたりはよかったです。サンドラ・オーは朗読会で見たときの印象とはかなり違ってたけど、芯の強さは一緒だったし、ヴァージニア・マドセンはヴィゴが悪魔になった「ゴッド・アーミー 悪の戦士」のときは刺身のつまみたいな役で印象薄かったけれど、若い頃より年とってからのほうがいい女になったなあと思いました。この人は目が印象的ですね。
ところでこれ、アメリカとハンガリーの合作ですが、どうしてハンガリーなのかしら?
原題: Sideways(2004)
上映時間: 130 分
製作国: アメリカ/ハンガリー
監督: アレクサンダー・ペイン
出演: ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン、サンドラ・オー、メアリールイーズ・バーク、ジェシカ・ヘクトほか。
by timeturner
| 2005-12-14 17:49
| 映画
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