2018年 04月 02日
木の中の魚 |
アリーは6年生の女の子。読み書きができないことをずっと隠してきたため、先生や同級生たちからは頭が悪い変な子だと思われている。だが、産休をとる担任の代わりにやってきたダニエルズ先生は、すぐにアリーの才能と問題に気がついた・・・。
難読症(ディスレクシア)だったら、専門家の指導を受ければいいじゃない、と大人は簡単に考えますが、そういう知識のない子供にとってはほかの子にできるのにどうして自分にはできないのか、頭が悪いからだと思ってしまうのは無理もありません。
まわりが気づいてあげられればいいんでしょうが、見てすぐにわかることじゃないから難しいんだろうな。
幼い頃は誰でも、聞いたり話したりはできても読み書きはできない。みんな一緒に学んでいくわけだけど、同じ方法では学べない子がいることに、もっとみんなが気がつかなくてはいけないのよね。難読症だけではなく、さまざまな学習障害をもつ子供がいることを。この本を読んでそのことに気がつきました。
私も、難読症の存在は知っていたけど、どんなふうに読めないのか、文字がどう見えるのかなど具体的なことはわかっていなかった。難読症の子がそうじゃない子ばかりのクラスでどんなふうに感じながら勉強しているのかも。
それにしても、最初の担任や校長は教育者のくせに難読症の可能性に気づかないってどういうこと?! 小説だからそういう設定にしてあるわけですが、現実の世の中でも意外にこういうケースはありそうな気がする。
みんながこういう本で知識を得て難読症への理解が深まるといいな。
ひとつだけ難を言うと、ダニエルズ先生がアリーばかりを贔屓しているように読めるのと、そのために「難読症=天才」みたいにとられかねない授業をするのはちょっと気になりました。絵が描けず、詩も作れず、算数もできず、チェスも下手な難読症の子はどうしたらいいんだ?
難読症だろうが変人だろうが、誰にでもその人なりのいいところがあるし、みんなかけがえのない個人なんだ、ということを言いたいのでしょうが、だったらアリーをここまで頭がよく才能にあふれた子にしなくてもよかったのでは?
ところで、この本には原題の表記がどこにも記載されていません。ひょっとしたら難読症の少女の気持ちを表すためにタイトルのない本?と思って原書を調べたら、ちゃんとタイトルがあった。謎だ。
木の中の魚 (文学の扉)
原題:Fish in A Tree
作者:リンダ・マラリー・ハント
訳者:中井はるの
出版社:講談社
ISBN:4062832445
難読症(ディスレクシア)だったら、専門家の指導を受ければいいじゃない、と大人は簡単に考えますが、そういう知識のない子供にとってはほかの子にできるのにどうして自分にはできないのか、頭が悪いからだと思ってしまうのは無理もありません。
まわりが気づいてあげられればいいんでしょうが、見てすぐにわかることじゃないから難しいんだろうな。
幼い頃は誰でも、聞いたり話したりはできても読み書きはできない。みんな一緒に学んでいくわけだけど、同じ方法では学べない子がいることに、もっとみんなが気がつかなくてはいけないのよね。難読症だけではなく、さまざまな学習障害をもつ子供がいることを。この本を読んでそのことに気がつきました。
私も、難読症の存在は知っていたけど、どんなふうに読めないのか、文字がどう見えるのかなど具体的なことはわかっていなかった。難読症の子がそうじゃない子ばかりのクラスでどんなふうに感じながら勉強しているのかも。
それにしても、最初の担任や校長は教育者のくせに難読症の可能性に気づかないってどういうこと?! 小説だからそういう設定にしてあるわけですが、現実の世の中でも意外にこういうケースはありそうな気がする。
みんながこういう本で知識を得て難読症への理解が深まるといいな。
ひとつだけ難を言うと、ダニエルズ先生がアリーばかりを贔屓しているように読めるのと、そのために「難読症=天才」みたいにとられかねない授業をするのはちょっと気になりました。絵が描けず、詩も作れず、算数もできず、チェスも下手な難読症の子はどうしたらいいんだ?
難読症だろうが変人だろうが、誰にでもその人なりのいいところがあるし、みんなかけがえのない個人なんだ、ということを言いたいのでしょうが、だったらアリーをここまで頭がよく才能にあふれた子にしなくてもよかったのでは?
ところで、この本には原題の表記がどこにも記載されていません。ひょっとしたら難読症の少女の気持ちを表すためにタイトルのない本?と思って原書を調べたら、ちゃんとタイトルがあった。謎だ。
木の中の魚 (文学の扉)
原題:Fish in A Tree
作者:リンダ・マラリー・ハント
訳者:中井はるの
出版社:講談社
ISBN:4062832445
by timeturner
| 2018-04-02 19:00
| 和書
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