2017年 12月 17日
ミステリアス・クリスマス |
いたずらをしに入ったあばら家で出会った老婆が誘う遊び(スナップドラゴン)、家出少年がヒッチハイクしたトラックの不気味な運転手(切ってやろうか?)、悪ふざけで唱えた魔の呪文が恐ろしいものを呼び寄せる「果された約束」、観るたびに変化する水彩画(暗い雲におおわれて)、死んだ男が迷いこんだハンターの楽園のような屋敷(狩人の館)、電池で動く人形の怪(ベッキーの人形)、不思議な店で買った蝋燭がよびだす素敵な夢(思い出は炎のなかに)。イギリスの人気作家7人がクリスマスをテーマに書いた恐怖と幻想の物語7編。
てっきりクリスマス向きのゴースト・ストーリー集かと思っていたら、クリスマスを背景にした恐怖小説集でした。しかも、後味の悪いものばかり。「暗い雲におおわれて」なんて、読み終えたときに思わず「ひどい!」と叫んでしまいました。読者になにか恨みでも?と作者を問い詰めたい気分です。クリスマス時期にこんなもの読むんじゃなかった。
スナップドラゴン/ジリアン・クロス(安藤紀子訳)
切ってやろうか?/デイヴィド・ベルビン(依田和子訳)
果たされた約束/スーザン・プライス(西村醇子訳)
暗い雲におおわれて/ロバート・スウィンデルズ(高橋朱美訳)
狩人の館/ギャリー・キルワース(和田礼子訳)
ベッキーの人形/ジョーン・エイキン(夏目道子訳)
思い出は炎のなかに/アデーレ・ジェラス(嶋田のぞみ訳)
冷静に考えれば、それぞれに意外な結末をもつ、よく書けた怪奇小説集なんですが、主人公がどれも子供で、いかにも児童小説らしい体裁をとっていることも裏切られ感を増しているのかもしれません。
とはいえ、後半にくると持ち直します。ジョーン・エイキンの「ベッキーの人形」は怖いことは怖いけど、それ以上のものがある傑作だし、最後の「思い出は炎のなかに」はいかにもクリスマス・ストーリーらしい心温まる話でした。ああ、よかった。
【誤植メモ】 p.146 9行目 のぞけり⇒のけぞり
ミステリアス・クリスマス
編者:安藤紀子
出版社:パロル舎
ISBN:4894192152
てっきりクリスマス向きのゴースト・ストーリー集かと思っていたら、クリスマスを背景にした恐怖小説集でした。しかも、後味の悪いものばかり。「暗い雲におおわれて」なんて、読み終えたときに思わず「ひどい!」と叫んでしまいました。読者になにか恨みでも?と作者を問い詰めたい気分です。クリスマス時期にこんなもの読むんじゃなかった。
スナップドラゴン/ジリアン・クロス(安藤紀子訳)
切ってやろうか?/デイヴィド・ベルビン(依田和子訳)
果たされた約束/スーザン・プライス(西村醇子訳)
暗い雲におおわれて/ロバート・スウィンデルズ(高橋朱美訳)
狩人の館/ギャリー・キルワース(和田礼子訳)
ベッキーの人形/ジョーン・エイキン(夏目道子訳)
思い出は炎のなかに/アデーレ・ジェラス(嶋田のぞみ訳)
冷静に考えれば、それぞれに意外な結末をもつ、よく書けた怪奇小説集なんですが、主人公がどれも子供で、いかにも児童小説らしい体裁をとっていることも裏切られ感を増しているのかもしれません。
とはいえ、後半にくると持ち直します。ジョーン・エイキンの「ベッキーの人形」は怖いことは怖いけど、それ以上のものがある傑作だし、最後の「思い出は炎のなかに」はいかにもクリスマス・ストーリーらしい心温まる話でした。ああ、よかった。
【誤植メモ】 p.146 9行目 のぞけり⇒のけぞり
ミステリアス・クリスマス
編者:安藤紀子
出版社:パロル舎
ISBN:4894192152
by timeturner
| 2017-12-17 19:00
| 和書
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