2017年 10月 04日
黄色いマンション 黒い猫 |
十代の頃から親しみ、住んでいたこともある原宿の町を再び歩き、幼い日々の記憶、中学時代の友人、デビューのきっかけ、アイドル時代に住んだ原宿、秘密の恋など、今だから書けること、今しか書けないことを綴る自伝的エッセイ集。2007~2016年まで雑誌SWITCHに連載された「原宿百景」33編+特別書き下ろし1編。
2017年講談社エッセイ賞を受賞したという記事をみかけて読んでみた。
タイトルとカバーから猫好きな芸能人の猫成分多めのエッセイなのかなと思っていたら、しょっぱなの表題エッセイでがーんと衝撃を受けた。和田誠さんはどう考えてこういうカバー絵を描いたのだろう。
というわけで、ふわふわ甘くて軽いエッセイなんかではなかった。だからといって呪詛にまみれた暗い内容でもなく、ひとりの女の子が娘になって女性になっておばさんになっていく道々に出逢ったことを、余計な部分は切り落として、すっきり大事なところだけ見せてくれてる感じ。
雑誌掲載時のもともとの趣旨は「原宿の町を再び歩く」ということだったらしいけど、実際に「再び歩」いている話はほとんどなくて、むしろ、原宿という二次元的な一点をベースにして、時間軸を自由自在に移動していく形になっている。
小泉今日子さんは、私がヤンキーだったらそのくらいの娘がいてもおかしくないくらい年下なので、同時代人ではないのだけれど、彼女が描く少女の頃の暮らしぶりや原宿のようすは、私にも確かに覚えがある形で、ネットや携帯が現れる前の世界は10年や20年の違いってたいしたことなかったんだよな、と思い出しました。
アイドル時代のことはもちろん、それ以降のことについても彼女のことはほとんど知らない。結婚して離婚したというのも初めて知りました。「スター誕生」に出てアイドルになったということも知らなかった。だから、この本を読んで「小泉今日子」というひとりの女性の人生をぱーっと早送りで見せてもらったような気がして、車酔いじゃないけど、ちょっと妙な気分になりました。
なにはともあれ、しなやかに強い人だと思う。
黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)
作者:小泉今日子
出版社:スイッチパブリッシング
ISBN:4884184483
2017年講談社エッセイ賞を受賞したという記事をみかけて読んでみた。
タイトルとカバーから猫好きな芸能人の猫成分多めのエッセイなのかなと思っていたら、しょっぱなの表題エッセイでがーんと衝撃を受けた。和田誠さんはどう考えてこういうカバー絵を描いたのだろう。
というわけで、ふわふわ甘くて軽いエッセイなんかではなかった。だからといって呪詛にまみれた暗い内容でもなく、ひとりの女の子が娘になって女性になっておばさんになっていく道々に出逢ったことを、余計な部分は切り落として、すっきり大事なところだけ見せてくれてる感じ。
雑誌掲載時のもともとの趣旨は「原宿の町を再び歩く」ということだったらしいけど、実際に「再び歩」いている話はほとんどなくて、むしろ、原宿という二次元的な一点をベースにして、時間軸を自由自在に移動していく形になっている。
小泉今日子さんは、私がヤンキーだったらそのくらいの娘がいてもおかしくないくらい年下なので、同時代人ではないのだけれど、彼女が描く少女の頃の暮らしぶりや原宿のようすは、私にも確かに覚えがある形で、ネットや携帯が現れる前の世界は10年や20年の違いってたいしたことなかったんだよな、と思い出しました。
アイドル時代のことはもちろん、それ以降のことについても彼女のことはほとんど知らない。結婚して離婚したというのも初めて知りました。「スター誕生」に出てアイドルになったということも知らなかった。だから、この本を読んで「小泉今日子」というひとりの女性の人生をぱーっと早送りで見せてもらったような気がして、車酔いじゃないけど、ちょっと妙な気分になりました。
なにはともあれ、しなやかに強い人だと思う。
黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)
作者:小泉今日子
出版社:スイッチパブリッシング
ISBN:4884184483
by timeturner
| 2017-10-04 19:00
| 和書
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