いたずらっ子がやってきた |
原題が英語だったので最初は重訳?と思ったのですが、 オーストラリア人の作家が英語で書いたんですね。
赤毛のアンとピッピを混ぜたような主人公ですが、アンのように自意識過剰なところは全くありません。思ったことははっきり言うけど、邪気がないので気持ちよく笑える。燻製ニシンの章ではお腹がよじれました。
話の最初の年号を見落としていたため、途中何度か「いくら孤島とはいえ、なんて古臭いの」と思ったのですが、背景は1911年だったんですね。だったら、みんながインゲの行動に驚きあきれたのも無理はありません。でも、どうしてその年にしたのかな。作者は現代の人なのに……。第二次世界大戦時にはドイツに占領されたそうなので、それよりずっと前、第一次世界大戦より前の世の中が落ち着いている頃に設定したのかな。でも、クラウスの様子を見る限りでは、この当時のデンマークはまだ福祉国家ではないようですね。
それにしても、この日本語タイトルは芸がなさすぎると思う。
【誤植メモ】p.119 最終行 きたいない⇒きたない
いたずらっ子がやってきた
原題:The Girl Who Brought Mischief
作者:カトリーナ・ナネスタッド
イラスト:こぺんなな
訳者:渋谷弘子
出版社:さえら書房
ISBN:4378015218