2017年 07月 11日
BOOKMARK 08「やっぱり新訳!」 |
往来堂書店で最新のBOOKMARKをいただいてきました。ついでに気になっていた本も購入。無料配布物だけもらって帰るのが悪いように感じてしまうのは、私が古いからか、それとも当たり前の感情なのか。まあ、決して損にはならないのでいいんだけど。
今回のテーマにはちょっとひっかかるところがあって、何がとりあげられているのか気になっていた。
『災厄の町』以外は読んだことのある本ばかりだったけど、そのうち新訳を読んだのは『マルコヴァルドさんの四季』と三辺訳の『ジャングル・ブック』だけだなあ。『マルコヴァルド』さんのほうは、読もうと思ったときにはもう関口訳になっていたし、『ジャングル・ブック』のほうは以前読んだのが抄訳だったから、どちらもなんの抵抗もなくすんなり楽しめた。というだけでは足りないか。どちらも名訳だと思った。
でも、その他の本をいま新訳で読んで「やっぱりいいなあ!」と思うかどうかは微妙。だって、かつての私は旧訳で読んで充分楽しめたんだもの。『たのしい川べ』やドリトル先生シリーズは、旧訳以外では読みたくないと思うし(新訳者の方々にはなんの含みもありません)。
でも、それでいいんだと思う。BOOKMARKはこれから本をたくさん読んでいってほしい若い人向けの冊子で、かつての訳はそういう若い人たちにはとても読みにくく、翻訳本への敷居を上げてしまうものだろうから。
訳者の方々も、旧訳の存在という重さを感じながら、さまざまに考え、工夫されているようだ。『オペラ座の怪人』を訳された平岡さんの「今から100年以上前に書かれた伝奇小説を、21世紀の今日によみがえらせる意義は、その古色を楽しむことにあると思うからだ」という言葉に、なるほどなあと目を開かれた思いがした。
とはいえ、旧訳で育った私としては、「やっぱり」とは言ってほしくなかった。
『災厄の町』以外は読んだことのある本ばかりだったけど、そのうち新訳を読んだのは『マルコヴァルドさんの四季』と三辺訳の『ジャングル・ブック』だけだなあ。『マルコヴァルド』さんのほうは、読もうと思ったときにはもう関口訳になっていたし、『ジャングル・ブック』のほうは以前読んだのが抄訳だったから、どちらもなんの抵抗もなくすんなり楽しめた。というだけでは足りないか。どちらも名訳だと思った。
でも、その他の本をいま新訳で読んで「やっぱりいいなあ!」と思うかどうかは微妙。だって、かつての私は旧訳で読んで充分楽しめたんだもの。『たのしい川べ』やドリトル先生シリーズは、旧訳以外では読みたくないと思うし(新訳者の方々にはなんの含みもありません)。
でも、それでいいんだと思う。BOOKMARKはこれから本をたくさん読んでいってほしい若い人向けの冊子で、かつての訳はそういう若い人たちにはとても読みにくく、翻訳本への敷居を上げてしまうものだろうから。
訳者の方々も、旧訳の存在という重さを感じながら、さまざまに考え、工夫されているようだ。『オペラ座の怪人』を訳された平岡さんの「今から100年以上前に書かれた伝奇小説を、21世紀の今日によみがえらせる意義は、その古色を楽しむことにあると思うからだ」という言葉に、なるほどなあと目を開かれた思いがした。
とはいえ、旧訳で育った私としては、「やっぱり」とは言ってほしくなかった。
星の王子さま/サン=テグジュペリ(河野万里子訳)
幼年期の終わり/アーサー・C・クラーク(池田真紀子訳)
フランケンシュタイン/メアリー・シェリー(小林章夫訳)
蠅の王/ウィリアム・ゴールディング(黒原敏行訳)
災厄の町/エラリイ・クイーン(越前敏弥訳)
すばらしい新世界/オルダス・ハクスレー(大森望訳)
一九八四年/ジョージ・オーウェル(高橋和久訳)
ナイン・ストーリーズ/J・D・サリンジャー(柴田元幸訳)
月と六ペンス/サマセット・モーム(金原瑞人訳)
ライオンと魔女と衣装だんす/C・S・ルイス(土屋京子訳)
ドリトル先生アフリカへ行く/ヒュー・ロフティング(河合祥一郎訳)
楽しい川辺/ケネス・グレアム(杉田七重訳)
オペラ座の怪人/ガストン・ルルー(平岡敦訳)
マルコヴァルドさんの四季/イタロ・カルヴィーノ(関口英子訳)
ジャングル・ブック/ラドヤード・キプリング(金原瑞人・井上里訳/三辺律子訳)
by timeturner
| 2017-07-11 21:23
| 和書
|
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