2017年 03月 26日
ナミヤ雑貨店の奇蹟 |
悪事を働いて逃亡中の若者3人が逃げ込んだあばら家は、かつて悩み相談を請け負う老人が経営していた雑貨店だった。廃業しているはずの夜中の店内だというのに、突然シャッターの郵便受け口から相談の手紙が落ちてきた。戸惑いながらも3人は店主に代わって返事を書いたが・・・。
いやあ、さすがやねえ。(いきなり関西人もどき)
東野圭吾は『鳥人計画』『おれは非情勤』『サンタのおばさん』しか読んだことがなくて、こう並べてみるとどれも東野圭吾のメインの顔とはちょっと違う気がします。
この本もたぶん、ふだんの東野圭吾が書くミステリーとは違うんじゃないのかなあ。「ふだん」を読んだことがないので比較できないけど。そもそもこれ、ミステリーじゃなくてタイムファンタジーだし。
3人がもぐりこんだ不思議な時空スポットがどんなふうに働いているのか、それはそもそも何故なのかを探る話だと考えればミステリーの一種なのかもしれないけど、特に探偵役もなく、さまざまな出来事の結果および偶然の出会いによって少しずつわかってくるので、「謎を解く」部分がないです。
でも、面白かった!
泣かせる方向に持っていこうとするところでは少し引きぎみになったけど、あざとくなる手前で止めてるんですよね。その匙加減が絶妙。
丸光園という児童養護施設を触媒のように使って、人と人の絆、現代社会のさまざまな問題点、1970年代から現代までの世相の移り変わりなどを実に巧みに織り込んでいます。その時代を知っている人は「そうそう、そんなものが流行ったよね」と懐かしく感じられるし、そうでない人でも「へえ、ネットも携帯もない時代の人はそんなふうに生きてたのか」と興味深く読めるようになっている。
考えてみると、こういうのってあと50年もしたら書ける人がいなくなっちゃうんでしょうね。生まれたときからネットもスマホもあった世代が中高年になり、それ以前の暮らしを実体験として覚えているのは80歳を超えた人だけになっちゃうわけだから。
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)
作者:東野圭吾
出版社:KADOKAWA/角川書店
ISBN:4041014514
いやあ、さすがやねえ。(いきなり関西人もどき)
東野圭吾は『鳥人計画』『おれは非情勤』『サンタのおばさん』しか読んだことがなくて、こう並べてみるとどれも東野圭吾のメインの顔とはちょっと違う気がします。
この本もたぶん、ふだんの東野圭吾が書くミステリーとは違うんじゃないのかなあ。「ふだん」を読んだことがないので比較できないけど。そもそもこれ、ミステリーじゃなくてタイムファンタジーだし。
3人がもぐりこんだ不思議な時空スポットがどんなふうに働いているのか、それはそもそも何故なのかを探る話だと考えればミステリーの一種なのかもしれないけど、特に探偵役もなく、さまざまな出来事の結果および偶然の出会いによって少しずつわかってくるので、「謎を解く」部分がないです。
でも、面白かった!
泣かせる方向に持っていこうとするところでは少し引きぎみになったけど、あざとくなる手前で止めてるんですよね。その匙加減が絶妙。
丸光園という児童養護施設を触媒のように使って、人と人の絆、現代社会のさまざまな問題点、1970年代から現代までの世相の移り変わりなどを実に巧みに織り込んでいます。その時代を知っている人は「そうそう、そんなものが流行ったよね」と懐かしく感じられるし、そうでない人でも「へえ、ネットも携帯もない時代の人はそんなふうに生きてたのか」と興味深く読めるようになっている。
考えてみると、こういうのってあと50年もしたら書ける人がいなくなっちゃうんでしょうね。生まれたときからネットもスマホもあった世代が中高年になり、それ以前の暮らしを実体験として覚えているのは80歳を超えた人だけになっちゃうわけだから。
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)
作者:東野圭吾
出版社:KADOKAWA/角川書店
ISBN:4041014514
by timeturner
| 2017-03-26 19:00
| 和書
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