2017年 01月 31日
ジョージと秘密のメリッサ |
4年生のジョージは見た目は男の子だけど内面は女の子。まわりから「男の子だから」とか「男らしく」とか言われるのがいやでたまらない。でも、母親にも兄にも親友のケリーにも打ち明けられないでいる。でも学校の劇で大好きな『シャーロットのおくりもの』を上演することになり、ジョージはシャーロット役をやりたいと思った・・・。
ゲイの子が主人公のYAはもうあたりまえみたいに刊行されていますが、これはトランスジェンダーが主人公です。正直言って、これまでトランスジェンダーの存在を知ってはいましたが、ゲイとどう違うのかよくわかっていませんでした。
これを読んでも完全にわかったとは言えないんですが、性的嗜好だけでなく、物の考え方が完全に女性と同じで体つきだけ男性という場合にトランスジェンダーと言うのかな。でも、ジェンダーは社会的認識によって形成されるという考え方からすれば、ちょっと不思議ですよね。ジョージの母親も誤解していたけれど、女装するゲイ、あるいはトランスヴェスタイトとどう違うのか。
いずれにしても、身体的な外面と精神的な内面が全く違うことで苦しんでいる人たちがいるという点はよくわかりました。本のトビラの前の献辞に「ほかの人とちがうと感じたことのあるあなたに……」とありましたが、要はそういうこと。ジョージはたまたまトランスジェンダーだったけれど、特殊な話だと決めつけず、心が望むままの自分でいられない不幸を抱えているみんなに読んでほしいと思う。
へえっと思ったのは、男性のトランスジェンダーの場合、早めにホルモン療法を行わないと体が男っぽくなってしまうということ。言われてみればなるほどと思います。外科手術は大人になってからでもできるけれど、筋骨隆々になった体を削ることはできないものね。
それにしても、トランプ大統領のアメリカでは、これまで以上にこういう人たちがつらい思いをすることになるんじゃないかと思うと胸が痛みます。
ジョージと秘密のメリッサ
原題:George
作者:アレックス・ジーノ
訳者:島村浩子
出版社:偕成社
ISBN:4037268809
ゲイの子が主人公のYAはもうあたりまえみたいに刊行されていますが、これはトランスジェンダーが主人公です。正直言って、これまでトランスジェンダーの存在を知ってはいましたが、ゲイとどう違うのかよくわかっていませんでした。
これを読んでも完全にわかったとは言えないんですが、性的嗜好だけでなく、物の考え方が完全に女性と同じで体つきだけ男性という場合にトランスジェンダーと言うのかな。でも、ジェンダーは社会的認識によって形成されるという考え方からすれば、ちょっと不思議ですよね。ジョージの母親も誤解していたけれど、女装するゲイ、あるいはトランスヴェスタイトとどう違うのか。
いずれにしても、身体的な外面と精神的な内面が全く違うことで苦しんでいる人たちがいるという点はよくわかりました。本のトビラの前の献辞に「ほかの人とちがうと感じたことのあるあなたに……」とありましたが、要はそういうこと。ジョージはたまたまトランスジェンダーだったけれど、特殊な話だと決めつけず、心が望むままの自分でいられない不幸を抱えているみんなに読んでほしいと思う。
へえっと思ったのは、男性のトランスジェンダーの場合、早めにホルモン療法を行わないと体が男っぽくなってしまうということ。言われてみればなるほどと思います。外科手術は大人になってからでもできるけれど、筋骨隆々になった体を削ることはできないものね。
それにしても、トランプ大統領のアメリカでは、これまで以上にこういう人たちがつらい思いをすることになるんじゃないかと思うと胸が痛みます。
ジョージと秘密のメリッサ
原題:George
作者:アレックス・ジーノ
訳者:島村浩子
出版社:偕成社
ISBN:4037268809
by timeturner
| 2017-01-31 19:00
| 和書
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