2016年 10月 22日
アリスのうさぎ |
「わたし」は大学卒業の頃に「すぐに命にかかわるようなことはなく、人にうつることもなく、それでも、一年間くらいは、きつい仕事はだめ」という病気にかかり、週に五日、図書館の<児童読書相談コーナー>でアルバイトをすることになった。特に自分から話をふっているわけではないのに、なぜか利用者はふつう他人には話さないような不思議な話をしていく・・・。
『ルドルフとイッパイアッテナ』の作者による怪談集。怪談とは言ってもぞっとするように怖いものはなく(「白い着物」がちょっと怨念物風だけど第三者の視点で描いているのでそれほど怖くない)、日常の中にひそむ不思議現象の紹介という感じです。四編がそれぞれに異なった風味で面白かった。
天使の本か悪魔の本か
美術館の少女
アリスのうさぎ
白い着物
絵を描くのが好きな小学生が遭遇したお化けが、正義と愛のために社会悪を暴こうとする「美術館の少女」は、怪談というよりはミステリーに近くて、短編ながら読み応えがありました。
「アリスのうさぎ」は元祖アリスとは正反対の蓮っ葉で気の強い現代アリスの語り口が巧い。子供の本の会話文って、あまり昔ながらでは古臭くて子供にそっぽを向かれるし、かといって現実そのままだと文学としての価値が低く見えるからバランスをとるのが難しいですよね。
それにしても、どうしてこんなに若くて未経験なアルバイトにみんなは打ち明け話をするのだろうか。それが最大の不思議かも。
アリスのうさぎ (ビブリオ・ファンタジア)
作者:斉藤 洋
イラスト:森泉岳土
出版社:偕成社
ISBN:4037272105
『ルドルフとイッパイアッテナ』の作者による怪談集。怪談とは言ってもぞっとするように怖いものはなく(「白い着物」がちょっと怨念物風だけど第三者の視点で描いているのでそれほど怖くない)、日常の中にひそむ不思議現象の紹介という感じです。四編がそれぞれに異なった風味で面白かった。
天使の本か悪魔の本か
美術館の少女
アリスのうさぎ
白い着物
絵を描くのが好きな小学生が遭遇したお化けが、正義と愛のために社会悪を暴こうとする「美術館の少女」は、怪談というよりはミステリーに近くて、短編ながら読み応えがありました。
「アリスのうさぎ」は元祖アリスとは正反対の蓮っ葉で気の強い現代アリスの語り口が巧い。子供の本の会話文って、あまり昔ながらでは古臭くて子供にそっぽを向かれるし、かといって現実そのままだと文学としての価値が低く見えるからバランスをとるのが難しいですよね。
それにしても、どうしてこんなに若くて未経験なアルバイトにみんなは打ち明け話をするのだろうか。それが最大の不思議かも。
アリスのうさぎ (ビブリオ・ファンタジア)
作者:斉藤 洋
イラスト:森泉岳土
出版社:偕成社
ISBN:4037272105
by timeturner
| 2016-10-22 19:00
| 和書
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