2016年 07月 24日
Me and Earl and The Dying Girl |
17歳のグレッグはちょっと太目の高校生。高校ではひたすら目立たないようにするのが彼流の処世術で、どのグループとも親しげに挨拶程度はするけど、どのグループにも入らず、友人も作らない。唯一つきあいがあるのは小学校の頃から一緒に映画を撮ってきたアールだが、彼のことも友人ではなく共同製作者と呼んでいる。そんなグレッグが、母親に言われて白血病になったヘブライ語学校時代の同級生レイチェルを訪ねるようになったときから予想もしていなかった災難がふりかかってくる・・・。
ふつうの難病恋愛小説ではないと聞いてはいたけど、まさかこんなふうだとは。とにかく、ことごとくこちらの予想を裏切る展開で、考えようによっては馬鹿にされてるような気がしないでもないんだけど、でも、めっちゃ面白い。
まあ確かに、難病になった女の子を励ましているうちに恋が芽生え、とか、好きな女の子が死んでいくのを見守っているうちに生きることの大切さを学び、とか、死んでいく女の子のために必死で努力していたら周囲から認められて友情の輪ができ、とか、誰でも思いつきそうな話だったらもう読み飽きてるからね。
どこまで行ってもだめなグレッグと、やさしい良い子ではあるけれどそれほど光る部分のないレイチェルと、ギャング予備軍だらけの崩壊家庭で暮らすアールの三人が、妙に噛み合わない会話をするところはめっちゃ笑えます。それ以外の部分でも、グレッグ本人は必死なんだけど、はたから見てるとひとり漫才ですか?というシーンが多くて、三分の一くらいは笑ってたと思う。
そして、アールがいい子なんだよねえ。口のきき方は最低だけど、言ってることはまともで、ちゃんと物事を考えているし、思いやりもある。この小説、すでに映画化されていて(ぼくとアールと彼女のさよなら)、日本でも去年あたり公開されたようなんだけど見逃してしまった。DVDももうすぐ出るらしい。Amazonビデオでやらないかな。
お涙頂戴の話じゃないからと安心して読んでいたのですが、最後のほうでちょっとやられました。学校生活からも、人間関係からも、レイチェルの死からもずっと逃げ続けてきたグレッグが、最後の最後、もうどうしても逃げられなくなって、それまでの最低な自分を受け入れるところ、あそこはやっぱり涙なしには読めなかった。
エピローグはいらなかったかな、という気がした。
Me and Earl and the Dying Girl
邦題:ぼくとアールと彼女のさよなら
作者:Jesse Andrews
出版社:Allen & Unwin
ISBN:Kindle版
ふつうの難病恋愛小説ではないと聞いてはいたけど、まさかこんなふうだとは。とにかく、ことごとくこちらの予想を裏切る展開で、考えようによっては馬鹿にされてるような気がしないでもないんだけど、でも、めっちゃ面白い。
まあ確かに、難病になった女の子を励ましているうちに恋が芽生え、とか、好きな女の子が死んでいくのを見守っているうちに生きることの大切さを学び、とか、死んでいく女の子のために必死で努力していたら周囲から認められて友情の輪ができ、とか、誰でも思いつきそうな話だったらもう読み飽きてるからね。
どこまで行ってもだめなグレッグと、やさしい良い子ではあるけれどそれほど光る部分のないレイチェルと、ギャング予備軍だらけの崩壊家庭で暮らすアールの三人が、妙に噛み合わない会話をするところはめっちゃ笑えます。それ以外の部分でも、グレッグ本人は必死なんだけど、はたから見てるとひとり漫才ですか?というシーンが多くて、三分の一くらいは笑ってたと思う。
そして、アールがいい子なんだよねえ。口のきき方は最低だけど、言ってることはまともで、ちゃんと物事を考えているし、思いやりもある。この小説、すでに映画化されていて(ぼくとアールと彼女のさよなら)、日本でも去年あたり公開されたようなんだけど見逃してしまった。DVDももうすぐ出るらしい。Amazonビデオでやらないかな。
お涙頂戴の話じゃないからと安心して読んでいたのですが、最後のほうでちょっとやられました。学校生活からも、人間関係からも、レイチェルの死からもずっと逃げ続けてきたグレッグが、最後の最後、もうどうしても逃げられなくなって、それまでの最低な自分を受け入れるところ、あそこはやっぱり涙なしには読めなかった。
エピローグはいらなかったかな、という気がした。
Me and Earl and the Dying Girl
邦題:ぼくとアールと彼女のさよなら
作者:Jesse Andrews
出版社:Allen & Unwin
ISBN:Kindle版
by timeturner
| 2016-07-24 19:15
| 洋書
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