2016年 02月 08日
三匹のおっさん ふたたび |
剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、危ない頭脳派ノリ。元気老人三人組の町内見回りのターゲットは、今回は書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火、お祭りの復活運動、さらにはノリのお見合い騒ぎまであって・・・。
4年前に『三匹のおっさん』を読んだあと、続編が出ていたのに気づいていませんでした。なんかもう読みたい本が後から後から出てくるので、気に入ったもののフォローができていない状態。こんなふうに追いかけられるように読むの、いい加減やめたいなあと思うんですが、なかなかねえ。
それはともかく、相変わらず巧いです、有川さん。どうしてこんなに老若男女すべての気持ちをズバッと表現できるんだろう。それでいて全体に漂う雰囲気はあったかくて、すごく気持ちよく一気に読まされました。
前作では定年となり暇をもてあました爺さん三人とその孫たちの話がメインになっていましたが、今回は間に挟まれた息子世代にスポットが当てられ、親世代と子世代の間に挟まれていろいろ思い悩みながら必死に模索する姿を描いています。
今回特に気合いが入っているなあと思ったのは書店の万引き騒ぎ。作者あとがきにも触れられていましたが、やはり作家としては気になる問題ですよね。書くにあたっていくつかの書店に取材をしたようなのですが、その取材先の中に往来堂書店があったのには驚きました。だって、あんなに小さくて死角なんかないような店でも万引きする人っているのかしら。恐ろしいですね。
このシリーズを読んでいて気分がいいのは、お互いにかなり遠慮のない調子でなんだかんだ言いあってはいるものの、登場人物たちの家庭がどこもみんな仲良くしているからでしょうね。嫁姑の仲もそれなりだし、一見不良っぽく見える孫は意外にしっかりしていて思いやりもある。世間知らずの嫁が少しずつ成長するのをそっと見守る家族もいる。現実の世界ではなかなかこうはいかないだけに、読んでほっとするんじゃないかな。
巻末にボーナス・トラックとして有川さんらしい甘々の初恋物語「好きだよと言えずに初恋は、」が掲載されています。
三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)
作者:有川 浩
出版社:新潮社
ISBN:4101276358
4年前に『三匹のおっさん』を読んだあと、続編が出ていたのに気づいていませんでした。なんかもう読みたい本が後から後から出てくるので、気に入ったもののフォローができていない状態。こんなふうに追いかけられるように読むの、いい加減やめたいなあと思うんですが、なかなかねえ。
それはともかく、相変わらず巧いです、有川さん。どうしてこんなに老若男女すべての気持ちをズバッと表現できるんだろう。それでいて全体に漂う雰囲気はあったかくて、すごく気持ちよく一気に読まされました。
前作では定年となり暇をもてあました爺さん三人とその孫たちの話がメインになっていましたが、今回は間に挟まれた息子世代にスポットが当てられ、親世代と子世代の間に挟まれていろいろ思い悩みながら必死に模索する姿を描いています。
今回特に気合いが入っているなあと思ったのは書店の万引き騒ぎ。作者あとがきにも触れられていましたが、やはり作家としては気になる問題ですよね。書くにあたっていくつかの書店に取材をしたようなのですが、その取材先の中に往来堂書店があったのには驚きました。だって、あんなに小さくて死角なんかないような店でも万引きする人っているのかしら。恐ろしいですね。
このシリーズを読んでいて気分がいいのは、お互いにかなり遠慮のない調子でなんだかんだ言いあってはいるものの、登場人物たちの家庭がどこもみんな仲良くしているからでしょうね。嫁姑の仲もそれなりだし、一見不良っぽく見える孫は意外にしっかりしていて思いやりもある。世間知らずの嫁が少しずつ成長するのをそっと見守る家族もいる。現実の世界ではなかなかこうはいかないだけに、読んでほっとするんじゃないかな。
巻末にボーナス・トラックとして有川さんらしい甘々の初恋物語「好きだよと言えずに初恋は、」が掲載されています。
三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)
作者:有川 浩
出版社:新潮社
ISBN:4101276358
by timeturner
| 2016-02-08 22:46
| 和書
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