2015年 12月 21日
ノエル |
貧しい母子家庭であることを理由に小学生の頃から無視やいじめに絶えてきた圭介は、中学に入ってもさらに暴力的になったいじめにさらされていたが、思いがけず級友の弥生から声をかけられ、一緒に絵本を作るようになった。ようやく自分の居場所をみつけたように思えた圭介だったが、弥生にはまた別の孤独と苦しみがあった・・・。
絵本作家、児童文学を読む少女、読み聞かせのボランティアをする老人、子どもの本にまつわる3つの章にそれぞれに童話を挿入し、ゆるくつながりあいながら最後にひとつにまとまる形の長編です。
人間が生きる意味を気恥ずかしくなるほど直球で問いかけているけど、えっと驚かせる構成の巧みさでそれを感じさせない。ダーク成分も薄めで、子供が読んでもいい内容だと思う。
前に読んだ『光』のときにも感じましたが、道尾さんは子供の心をとてもよく記憶していて、それをきめ細やかに描きだすのが上手ですね。二番目の「暗がりの子供」などは、子供が抱える暗い部分を実にうまく描いています。暗いままで終わらせないので読後感もいい。純性な道尾ファンには物足りないのかもしれないけれど私には向いていました。
ノエル: -a story of stories- (新潮文庫)
作者:道尾秀介
出版社:新潮社
ISBN:410135555X
絵本作家、児童文学を読む少女、読み聞かせのボランティアをする老人、子どもの本にまつわる3つの章にそれぞれに童話を挿入し、ゆるくつながりあいながら最後にひとつにまとまる形の長編です。
人間が生きる意味を気恥ずかしくなるほど直球で問いかけているけど、えっと驚かせる構成の巧みさでそれを感じさせない。ダーク成分も薄めで、子供が読んでもいい内容だと思う。
前に読んだ『光』のときにも感じましたが、道尾さんは子供の心をとてもよく記憶していて、それをきめ細やかに描きだすのが上手ですね。二番目の「暗がりの子供」などは、子供が抱える暗い部分を実にうまく描いています。暗いままで終わらせないので読後感もいい。純性な道尾ファンには物足りないのかもしれないけれど私には向いていました。
ノエル: -a story of stories- (新潮文庫)
作者:道尾秀介
出版社:新潮社
ISBN:410135555X
by timeturner
| 2015-12-21 18:25
| 和書
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