2015年 11月 28日
イスタンブルで猫さがし |
建築を研究する父についてイスタンブルに来た愛は、日本人学校の図書室の本の間にワン猫の絵がついたメモをみつけた。ワンという村にだけいる右目と左目の色が違う白猫の絵だ。ワン猫に会いたくてトルコまできた愛は、友達の未来と一緒にメモを書いた少年ハヤト――トルコ人の父と日本人の母を持ちイスタンブルで生まれ育った――に会いにいったのだが・・・。
左右の眼の色がちがうオッドアイの猫がいることは知っていたけれど、ある特定の地方に特有の種だとは思いませんでした。もちろん、突然変異でそうなる猫も多いんでしょうけど、先祖代々オッドアイの白猫族というのもいるんですね。この本には出てきませんが、ワンの村に行くとそこらじゅうにそういう猫がいるんだろうか。ちょっと怖いような、行ってみたいような。
作者はもともとトルコのことを研究したり書いたりしていた人だそうで、イスタンブルの町の様子やその歴史についても、すぐ眼の前のものを描写しているかのように生き生きと描き出しています。トルコってそこらじゅうに野良猫がいて、みんなで可愛がっているらしいです。規模の大きな猫島みたいなものですね。行って見た~い!
でもまあ、猫は話を回すための小道具で、作者が描きたかったのは日本人が外国や外国人とどうつきあっていくべきかという問題。タイからやってきたハーフの少女が、日本人の読み書きがうまくできないことで孤立し、国に帰ってしまう話、そんなクラスの雰囲気に耐えられなくなって外国に出ていきたいと思った愛、外国暮らしが長く日本に帰る場所がないことを不満に思う未来・・・いろいろな子どもたちの話が出てきます。
国際結婚や海外駐在が珍しい時代だったらともかく、今でもこんなことがあるのかなあと思ったり、逆にそういう人たちの数が増えたからこそこういう問題が顕在化してるんじゃないかと思ったり。それにしても、日本語の読み書きができないというだけで同級生を蔑むような小学生がいる(こんなふうに児童書に書かれているってことは決して特殊な例ではないってことですよね)という話にはびっくりしました。今の子ってそこまで想像力がないというのか、他人の立場が思いやれないのかとがっくりきましたよ。
イスタンブルで猫さがし (ノベルズ・エクスプレス)
作者:新藤悦子
イラスト:丹地陽子
出版社:ポプラ社
ISBN:4591145468
左右の眼の色がちがうオッドアイの猫がいることは知っていたけれど、ある特定の地方に特有の種だとは思いませんでした。もちろん、突然変異でそうなる猫も多いんでしょうけど、先祖代々オッドアイの白猫族というのもいるんですね。この本には出てきませんが、ワンの村に行くとそこらじゅうにそういう猫がいるんだろうか。ちょっと怖いような、行ってみたいような。
作者はもともとトルコのことを研究したり書いたりしていた人だそうで、イスタンブルの町の様子やその歴史についても、すぐ眼の前のものを描写しているかのように生き生きと描き出しています。トルコってそこらじゅうに野良猫がいて、みんなで可愛がっているらしいです。規模の大きな猫島みたいなものですね。行って見た~い!
でもまあ、猫は話を回すための小道具で、作者が描きたかったのは日本人が外国や外国人とどうつきあっていくべきかという問題。タイからやってきたハーフの少女が、日本人の読み書きがうまくできないことで孤立し、国に帰ってしまう話、そんなクラスの雰囲気に耐えられなくなって外国に出ていきたいと思った愛、外国暮らしが長く日本に帰る場所がないことを不満に思う未来・・・いろいろな子どもたちの話が出てきます。
国際結婚や海外駐在が珍しい時代だったらともかく、今でもこんなことがあるのかなあと思ったり、逆にそういう人たちの数が増えたからこそこういう問題が顕在化してるんじゃないかと思ったり。それにしても、日本語の読み書きができないというだけで同級生を蔑むような小学生がいる(こんなふうに児童書に書かれているってことは決して特殊な例ではないってことですよね)という話にはびっくりしました。今の子ってそこまで想像力がないというのか、他人の立場が思いやれないのかとがっくりきましたよ。
イスタンブルで猫さがし (ノベルズ・エクスプレス)
作者:新藤悦子
イラスト:丹地陽子
出版社:ポプラ社
ISBN:4591145468
by timeturner
| 2015-11-28 18:10
| 和書
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