2015年 10月 19日
幽霊海賊 |
モルツェストゥス号がイギリスからサンフランシスコに着いたとき、乗組員のひとりを除く全員が契約を解いて下船してしまった。妙な噂が立ちはしたが、待遇の良さにひかれて集まった新乗組員たちはサンフランシスコを出港した。平穏な航海が続いたが、二週目を過ぎたある晩、ジェソップは黒い人影のようなものが海から甲板へと上がってくるのを目撃した・・・。
やたら文章だけ凝ってて中身のない話だったらやだなと危惧していたのに、あにはからんや、面白かった。なんとも失礼な書き方ではあるけれど、幽霊物やホラーって時にそういうのがあって何度か痛い目に遭ってるからね。
怖がらせることだけに特化せず、読ませる筋書に神経を使っているせいか、海洋冒険小説を読むような気分で楽しめるし、さくさく読める。ホラー部分にはそれほど目新しいアイディアではないけど、小さな出来事を少しずつ積み重ねていく構成が巧いのかな。
やたら小難しい漢字を多用してかっこつけたりせず、素直にわかりやすく表現してある翻訳も好印象です。難をひとつ挙げるなら帆船用語が頻出するので、何をどうしているかがよくわからない部分が多いこと。巻末に用語解説はあるけど、ここは見開きで図解がほしかったなあ。
幽霊海賊 (ナイトランド叢書)
原題:The Ghost Pirates
作者:ウィリアム・ホープ・ホジスン
訳者:夏来 健次
出版社:書苑新社
ISBN:4883752070
やたら文章だけ凝ってて中身のない話だったらやだなと危惧していたのに、あにはからんや、面白かった。なんとも失礼な書き方ではあるけれど、幽霊物やホラーって時にそういうのがあって何度か痛い目に遭ってるからね。
怖がらせることだけに特化せず、読ませる筋書に神経を使っているせいか、海洋冒険小説を読むような気分で楽しめるし、さくさく読める。ホラー部分にはそれほど目新しいアイディアではないけど、小さな出来事を少しずつ積み重ねていく構成が巧いのかな。
やたら小難しい漢字を多用してかっこつけたりせず、素直にわかりやすく表現してある翻訳も好印象です。難をひとつ挙げるなら帆船用語が頻出するので、何をどうしているかがよくわからない部分が多いこと。巻末に用語解説はあるけど、ここは見開きで図解がほしかったなあ。
幽霊海賊 (ナイトランド叢書)
原題:The Ghost Pirates
作者:ウィリアム・ホープ・ホジスン
訳者:夏来 健次
出版社:書苑新社
ISBN:4883752070
by timeturner
| 2015-10-19 23:07
| 和書
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