2015年 09月 22日
後宮小説 |
時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継ぎ、17歳で素乾国の帝王となった槐宗の後宮に国中から美しい娘が集められ、宮女へとなるため女大学の教育を受けることになった。田舎娘の銀河は後宮が何をするところかも知らないまま連れていかれ、その怖いもの知らずの性格で周囲をあわてさせる。同じ頃、地方で反乱軍が蜂起した・・・。第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
ちょっと敬遠したくなるテーマですが、学術的な記述を真似た似非歴史小説の形になっているため、予想したほどいやらしくはありませんでした。架空の国ではあるものの、雰囲気は昔の中国なので、三国志を少女アニメにしたらこんなかなあという感じの軽いタッチ。
その目のつけどころや記述様式、キャラクターづくりはかなりうまくできていて、途中まではそれなりに楽しめたのですが、真ん中あたりくらいから反乱軍の話が多くなり、その手の中国群雄割拠譚みたいなものに興味のない私は退屈しました。せっかく肉付けした宮女たちも思ったほどには動かせないまま終盤になだれこんでしまった印象があります。最後に後日談として銀河や江葉の荒唐無稽なエピソードが羅列されていますが、これをやるなら本文でやってほしかった。
後宮小説 (新潮文庫)
作者:酒見賢一
出版社:新潮社
ISBN:4101281114
ちょっと敬遠したくなるテーマですが、学術的な記述を真似た似非歴史小説の形になっているため、予想したほどいやらしくはありませんでした。架空の国ではあるものの、雰囲気は昔の中国なので、三国志を少女アニメにしたらこんなかなあという感じの軽いタッチ。
その目のつけどころや記述様式、キャラクターづくりはかなりうまくできていて、途中まではそれなりに楽しめたのですが、真ん中あたりくらいから反乱軍の話が多くなり、その手の中国群雄割拠譚みたいなものに興味のない私は退屈しました。せっかく肉付けした宮女たちも思ったほどには動かせないまま終盤になだれこんでしまった印象があります。最後に後日談として銀河や江葉の荒唐無稽なエピソードが羅列されていますが、これをやるなら本文でやってほしかった。
後宮小説 (新潮文庫)
作者:酒見賢一
出版社:新潮社
ISBN:4101281114
by timeturner
| 2015-09-22 17:22
| 和書
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