2015年 09月 14日
キングスマン |
ロンドンの貧困地区で母親と幼い妹、それにDVの義父と暮す若者エグジーは、教育もなく職もなく無軌道な生活を送っていた。だが、警察に引っ張られてにっちもさっちもいかなくなったとき、幼い事に実父の死を知らせにきた男からもらった番号に電話をした。やってきたのは絵に描いたような英国紳士ハリー・ハート。高級テーラー“キングスマン”の仕立て職人というのは世を忍ぶ仮の姿で、実はどの国家にも属さずに正義のために活動する国際的スパイ組織“キングスマン”のエージェントだった。エグジーはハリーの推薦でエージェントの新人訓練と試験に参加するが・・・。
ひゃあ、ひゃあ、ひゃあ。なんかもう久しぶりにめっちゃ興奮しました。もう、すっごい好み。ジャンルとしてはスパイ・アクションですが、それだけじゃないのね。なにしろ監督はあの「キック・アス」の人だから、ボンド映画の焼き直しみたいなものは作らない。そういえば、マシュー・ヴォーンって「スターダスト」も監督してたのね。あれは興業的にはイマイチだったみたいだけど私は好きだったので、もともと好みの作風なのかもしれない。
それはともかく、この映画にはアクションはもちろんのこと、師弟愛、若者の成長物語、男の友情、さらにはネット社会の恐ろしさまで面白い要素がぎっしり詰まっています。それでいていずれもちょっとヒネってあって、正面きって正義面する気恥ずかしさを感じさせないのがいい。本来だった感動したり深刻な顔をしなくちゃならないようなところでついつい笑っちゃうようなところがある。いかにもイギリスなんだよね。
撮影場所も、素晴らしいカントリーハウスもあれば貧乏人が暮らすテラスハウスも出てくるし、ごろつきがたむろするパブのあとには高級紳士服の店が並ぶサヴィル・ロウが出てくるというふうで、イギリスのピンからキリまで見せてくれる。
でも、この映画でなにより素晴らしいのはコリン・ファース様です。いやあ、前からすてきだとは思っていたけれど、55歳でここまでかっこよくて、しかも動けるって凄いよね。スーツ姿のかっこよさはピカ一ではないでしょうか。ここのところショーン・ビーン様の劣化が気になっていたところなので、妙にほっとしてしまいました。
もちろんスタントマンを使っているんだろうけど、決めの部分は本人がポーズをとるわけでしょ。その姿がすっきりしていて実に美しいのよ。若いエグジーも後半では高級スーツを着て髪もコンサバに決めてがんばるんだけど、首や背中がぴしっとしないのよね。これはもう生来のものなんだろうなあ。あんなにエレガントに人を殺せるのってコリン様くらいだと思う。かなりショッキングな場面もあるんだけど、ことさらに血みどろに撮ったりしていないので軟弱者の私でも平気で見られました。ここんところストレスがたまっていたので、ものすごくすかっとした! ぜひともあと1、2回は観たいと思います。
マーク・ストロングはコリンと出た「裏切りのサーカス」が強烈すぎて、ふたりが一緒に出るとついついあれを期待しちゃうけど、今回はあくまでも主役はコリンと新人のタロン・エガートンで、マークはおいしい役どころながら脇に回っているという印象でした。あと、唯一の女性候補生としてがんばっていたロクシーの活躍にあまり焦点があっていなかったのはちと残念。「キック・アス」であれだけ女の子を活躍させた監督だからかなり期待してたんだけどなあ。
アーノルド教授がマーク・ハミルだったというのは帰ってきてキャスト表を見るまで気づきませんでした。いやあ、びっくりだわあ。
【9/21追記】 立川シネマシティの爆音上映で二回目を観ました。今回はワンテイクで撮ったという教会のシーンを重点的に、目を皿のようにして観ていましたが、いやあ、コリン、ほんとにがんばったわ。いくら相手がベテランのスタントさんたちで、勝手に倒れてくれるとはいえ、あんなふうに背負い投げの体勢をぴしっととれるまでにはかなりの訓練が必要だと思う。
それと、キングスマン候補生たちの訓練所になっているカントリーハウス、どこかで見たことがあるなあと思ったら、いろいろな映画やTVドラマのロケに使われているWrotham Parkというお屋敷でした。「ゴスフォード・パーク」、「ジェーン・エア」、「ブリジット・ジョーンズの日記」「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」、ショーン・ビーンが出た「チャタレイ夫人の恋人」などなど。イギリスはこういうところがたくさんあるからいいですよね。
ところで、一回目に観たときにも気になったんですが、snobの字幕が「俗物」というのはひっかかるなあ。「俗物」で問題ないときもあるんだけど、この場合はあとに「上から目線で見て」といった非難の言葉が続くので、「俗物」では意味が通らない。まあ、字数の問題があったのかもしれないけれど。
公式サイトはこちら。
原題:Kingsman: The Secret Service(2014)
上映時間:129 分
製作国:イギリス
監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース、マイケル・ケイン、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ソフィア・ブテラ、サミュエル・L・ジャクソン、ソフィー・クックソン、マーク・ハミル、ハンナ・アルストロムほか。
ひゃあ、ひゃあ、ひゃあ。なんかもう久しぶりにめっちゃ興奮しました。もう、すっごい好み。ジャンルとしてはスパイ・アクションですが、それだけじゃないのね。なにしろ監督はあの「キック・アス」の人だから、ボンド映画の焼き直しみたいなものは作らない。そういえば、マシュー・ヴォーンって「スターダスト」も監督してたのね。あれは興業的にはイマイチだったみたいだけど私は好きだったので、もともと好みの作風なのかもしれない。
それはともかく、この映画にはアクションはもちろんのこと、師弟愛、若者の成長物語、男の友情、さらにはネット社会の恐ろしさまで面白い要素がぎっしり詰まっています。それでいていずれもちょっとヒネってあって、正面きって正義面する気恥ずかしさを感じさせないのがいい。本来だった感動したり深刻な顔をしなくちゃならないようなところでついつい笑っちゃうようなところがある。いかにもイギリスなんだよね。
撮影場所も、素晴らしいカントリーハウスもあれば貧乏人が暮らすテラスハウスも出てくるし、ごろつきがたむろするパブのあとには高級紳士服の店が並ぶサヴィル・ロウが出てくるというふうで、イギリスのピンからキリまで見せてくれる。
でも、この映画でなにより素晴らしいのはコリン・ファース様です。いやあ、前からすてきだとは思っていたけれど、55歳でここまでかっこよくて、しかも動けるって凄いよね。スーツ姿のかっこよさはピカ一ではないでしょうか。ここのところショーン・ビーン様の劣化が気になっていたところなので、妙にほっとしてしまいました。
もちろんスタントマンを使っているんだろうけど、決めの部分は本人がポーズをとるわけでしょ。その姿がすっきりしていて実に美しいのよ。若いエグジーも後半では高級スーツを着て髪もコンサバに決めてがんばるんだけど、首や背中がぴしっとしないのよね。これはもう生来のものなんだろうなあ。あんなにエレガントに人を殺せるのってコリン様くらいだと思う。かなりショッキングな場面もあるんだけど、ことさらに血みどろに撮ったりしていないので軟弱者の私でも平気で見られました。ここんところストレスがたまっていたので、ものすごくすかっとした! ぜひともあと1、2回は観たいと思います。
マーク・ストロングはコリンと出た「裏切りのサーカス」が強烈すぎて、ふたりが一緒に出るとついついあれを期待しちゃうけど、今回はあくまでも主役はコリンと新人のタロン・エガートンで、マークはおいしい役どころながら脇に回っているという印象でした。あと、唯一の女性候補生としてがんばっていたロクシーの活躍にあまり焦点があっていなかったのはちと残念。「キック・アス」であれだけ女の子を活躍させた監督だからかなり期待してたんだけどなあ。
アーノルド教授がマーク・ハミルだったというのは帰ってきてキャスト表を見るまで気づきませんでした。いやあ、びっくりだわあ。
【9/21追記】 立川シネマシティの爆音上映で二回目を観ました。今回はワンテイクで撮ったという教会のシーンを重点的に、目を皿のようにして観ていましたが、いやあ、コリン、ほんとにがんばったわ。いくら相手がベテランのスタントさんたちで、勝手に倒れてくれるとはいえ、あんなふうに背負い投げの体勢をぴしっととれるまでにはかなりの訓練が必要だと思う。
それと、キングスマン候補生たちの訓練所になっているカントリーハウス、どこかで見たことがあるなあと思ったら、いろいろな映画やTVドラマのロケに使われているWrotham Parkというお屋敷でした。「ゴスフォード・パーク」、「ジェーン・エア」、「ブリジット・ジョーンズの日記」「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」、ショーン・ビーンが出た「チャタレイ夫人の恋人」などなど。イギリスはこういうところがたくさんあるからいいですよね。
ところで、一回目に観たときにも気になったんですが、snobの字幕が「俗物」というのはひっかかるなあ。「俗物」で問題ないときもあるんだけど、この場合はあとに「上から目線で見て」といった非難の言葉が続くので、「俗物」では意味が通らない。まあ、字数の問題があったのかもしれないけれど。
公式サイトはこちら。
原題:Kingsman: The Secret Service(2014)
上映時間:129 分
製作国:イギリス
監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース、マイケル・ケイン、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ソフィア・ブテラ、サミュエル・L・ジャクソン、ソフィー・クックソン、マーク・ハミル、ハンナ・アルストロムほか。
by timeturner
| 2015-09-14 21:40
| 映画
|
Comments(0)