2015年 07月 15日
最果てアーケード |
使用済みの絵葉書、義眼、勲章、ドアノブ、中古のレース……「こんなものを誰が買うのだろう?」と思うような商品を商う店ばかりが並んでいる、世界一小さなアーケード街。そこで生まれ、今では配達を手伝っている「私」の目を通して描かれる商店街の人々と品々の物語。
寂れてはいるものの、かろうじて命を長らえている商店街の姿は、日本の地方都市のどこに行っても見られるごくふつうの風景のようですが、でも、よく見ていくと全然違う。絶対にありえない不思議な世界がとても素敵でちょっぴり怖い。まさに小川洋子ワールド。
売れすぎて困るような商品はひとつもないけれど、誰にも欲しがられないものもひとつもなくて、どこかで誰かが必ず必要としているものを商っている人たちは、だれもが一生懸命で誠実で、妙にほっとするんですよね。最後のちょっとぞくっとするヒネリもいい。
「リーリー」なんて言葉を、こんなにぴたっとあてはまるように造れるの小川さんだけだよなあ。
衣装係さん
百科事典の少女
兎夫人
輪っか屋
紙店シスター
ノブさん
勲章店の未亡人
遺髪レース
人さらいの時計
フォークダンス発表会
これ、漫画の原作として書き下ろされたものだそうです。なんて贅沢な! 漫画のほうも読んでみようかと思ったのですが、表紙の絵を見たら小説のイメージとはまったく違い、読んだ人の感想を見ても小説とは違う雰囲気になってるようなのでやめました。それが悪いというわけではないのですが、小説のしんとした世界にすっかりひたりきったあとでは違和感がありすぎると思ったので。
最果てアーケード (講談社文庫)
作者:小川洋子
出版社:講談社
ISBN:4062931028
寂れてはいるものの、かろうじて命を長らえている商店街の姿は、日本の地方都市のどこに行っても見られるごくふつうの風景のようですが、でも、よく見ていくと全然違う。絶対にありえない不思議な世界がとても素敵でちょっぴり怖い。まさに小川洋子ワールド。
売れすぎて困るような商品はひとつもないけれど、誰にも欲しがられないものもひとつもなくて、どこかで誰かが必ず必要としているものを商っている人たちは、だれもが一生懸命で誠実で、妙にほっとするんですよね。最後のちょっとぞくっとするヒネリもいい。
「リーリー」なんて言葉を、こんなにぴたっとあてはまるように造れるの小川さんだけだよなあ。
衣装係さん
百科事典の少女
兎夫人
輪っか屋
紙店シスター
ノブさん
勲章店の未亡人
遺髪レース
人さらいの時計
フォークダンス発表会
これ、漫画の原作として書き下ろされたものだそうです。なんて贅沢な! 漫画のほうも読んでみようかと思ったのですが、表紙の絵を見たら小説のイメージとはまったく違い、読んだ人の感想を見ても小説とは違う雰囲気になってるようなのでやめました。それが悪いというわけではないのですが、小説のしんとした世界にすっかりひたりきったあとでは違和感がありすぎると思ったので。
最果てアーケード (講談社文庫)
作者:小川洋子
出版社:講談社
ISBN:4062931028
by timeturner
| 2015-07-15 22:06
| 和書
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