2015年 01月 04日
エリザベス王女の家庭教師 |
チャーチル首相のタイピストだったマギーは、秘密諜報員としての才能を認められ訓練所に送りこまれたが、身体能力の欠如により落第となり、失意を抱えてロンドンに戻ってきた。そこでマギーを待っていたMI-5の上司からの指令は、なんとウィンザー城に行ってエリザベス王女に数学を教えろというもの。城で暮らすようになったマギーは恐ろしい陰謀の影に気づく・・・。
一気読みしちゃいました。イギリスの歴史物は好きだけど戦時下の話はなあと思いはしたのですが、『ブラックアウト』『オールクリア』、それに『秘密』などと同様、読み始めてしまえばそれはもうドラマチックな要素が次から次へと出てきて、本を置くことができない。
それに普通じゃ覗けないウィンザー城での王族や使用人たちの暮らしぶりも詳細に書かれていて、女性週刊誌的な興味も大いに満足させてもらいました。作者のあとがきによると、過去に刊行された暴露本を含むさまざまな資料を調べて書き上げたのだそう。それだけに真実味がありました。
エリザベス王女は未来の女王としての資質を見事に備えているように描かれていて、いくらなんでも美化しすぎではないかと思うときもありますが、でもやっぱり帝王教育というのはそういうものなのかもしれないなあと思わせる説得力があります。
一作目の『チャーチル閣下の秘書』は未読なので、主人公のマギー・ホープには初めてお目にかかったのですが、通常のヒロインと違って数学の才能があって暗号にも強いというのが魅力的。上から無理やり押さえつけようとする者には、相手が誰であろうと猛然と反撥するところも好みです。ただ、この手の本にはお約束のロマンス味を出すためか、いささか男に甘いところが情けないんですけど。というか、手を広げすぎたら後でこまるんじゃないの?と続編への導入部とも思える最後の部分を読んで思いました。
エリザベス王女の家庭教師 (創元推理文庫)
原題:Princess Elizabeth's Spy
作者:スーザン・イーリア・マクニール
訳者:圷 香織
出版社:東京創元社
ISBN:4488255035
一気読みしちゃいました。イギリスの歴史物は好きだけど戦時下の話はなあと思いはしたのですが、『ブラックアウト』『オールクリア』、それに『秘密』などと同様、読み始めてしまえばそれはもうドラマチックな要素が次から次へと出てきて、本を置くことができない。
それに普通じゃ覗けないウィンザー城での王族や使用人たちの暮らしぶりも詳細に書かれていて、女性週刊誌的な興味も大いに満足させてもらいました。作者のあとがきによると、過去に刊行された暴露本を含むさまざまな資料を調べて書き上げたのだそう。それだけに真実味がありました。
エリザベス王女は未来の女王としての資質を見事に備えているように描かれていて、いくらなんでも美化しすぎではないかと思うときもありますが、でもやっぱり帝王教育というのはそういうものなのかもしれないなあと思わせる説得力があります。
一作目の『チャーチル閣下の秘書』は未読なので、主人公のマギー・ホープには初めてお目にかかったのですが、通常のヒロインと違って数学の才能があって暗号にも強いというのが魅力的。上から無理やり押さえつけようとする者には、相手が誰であろうと猛然と反撥するところも好みです。ただ、この手の本にはお約束のロマンス味を出すためか、いささか男に甘いところが情けないんですけど。というか、手を広げすぎたら後でこまるんじゃないの?と続編への導入部とも思える最後の部分を読んで思いました。
エリザベス王女の家庭教師 (創元推理文庫)
原題:Princess Elizabeth's Spy
作者:スーザン・イーリア・マクニール
訳者:圷 香織
出版社:東京創元社
ISBN:4488255035
by timeturner
| 2015-01-04 18:54
| 和書
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