2014年 04月 25日
The Witches of Dredmoore Hollow |
Dredmoore Hollowの農場で両親と平和に暮らすイライジャの楽しみは冒険小説と鉱石ラジオ、悩みは度を越した小心者であること。ある夜、農場の横にある一族の墓地に不審な大男とせむしの狼が現れ、何かを掘り出していった。翌日、今度は生まれてから一度も会ったことがなかった母方の伯母SerenaとAgnesが訪ねてきた。わけがわからないうちにイライジャは伯母たちが住むMoaning Marshのボロ屋敷に連れていかれた・・・。
2009年のエドガー賞ジュヴナイル部門の候補作だったそうですが、受賞はしていません。それもうなずけると思いました。
なにかねえ、ひとつひとつのパーツはそれなりに面白いんですよ。イライジャがすんごく臆病で心配性だったりとか、伯母さんたちが怪しい美容院を経営していて、変な客たちが来るとか、せむしの狼とか、切り倒しても翌日にはまた生えてきて、通りすがる人を絞殺そうとするオークの木とか。ところが、そうしたパーツのひとつに火がついたかな、と思ったとたんにプシュとしりつぼみに消えてしまうという不発弾みたいな展開が章ごとに繰り返されて、実にもう盛り上がらないことこのうえない。
次こそはと思いながら1章ずつ読み続けて(どんどん先を読みたいと思わないので)、ようやく2章一度に読みたくなってきたのはもう全体の四分の三くらい来てから。まあ、最後の5章くらいは一気読みできたけどね。
イライジャ視点の一人称語りが問題なのかな。一人称語りって、うまく使えば《信頼できない語り手》による推理小説みたいにあっと言わせる結末にもっていけるし、純文学でも『日の名残り』のような名作になるけど、基本的には難しいテクニックなんだと思う。どうしたって視野が狭くなるから、語り手が無知で引っ込み思案だと何も起こらないままだらだらと進むことになる。
これ、ティム・バートンあたりがアニメ化すれば面白いかもしれない。
The Witches Of Dredmoore Hollow
作者:Riford McKenzie
イラスト:Peter Ferguson
出版社:Two Lions
ISBN:Kindle版
2009年のエドガー賞ジュヴナイル部門の候補作だったそうですが、受賞はしていません。それもうなずけると思いました。
なにかねえ、ひとつひとつのパーツはそれなりに面白いんですよ。イライジャがすんごく臆病で心配性だったりとか、伯母さんたちが怪しい美容院を経営していて、変な客たちが来るとか、せむしの狼とか、切り倒しても翌日にはまた生えてきて、通りすがる人を絞殺そうとするオークの木とか。ところが、そうしたパーツのひとつに火がついたかな、と思ったとたんにプシュとしりつぼみに消えてしまうという不発弾みたいな展開が章ごとに繰り返されて、実にもう盛り上がらないことこのうえない。
次こそはと思いながら1章ずつ読み続けて(どんどん先を読みたいと思わないので)、ようやく2章一度に読みたくなってきたのはもう全体の四分の三くらい来てから。まあ、最後の5章くらいは一気読みできたけどね。
イライジャ視点の一人称語りが問題なのかな。一人称語りって、うまく使えば《信頼できない語り手》による推理小説みたいにあっと言わせる結末にもっていけるし、純文学でも『日の名残り』のような名作になるけど、基本的には難しいテクニックなんだと思う。どうしたって視野が狭くなるから、語り手が無知で引っ込み思案だと何も起こらないままだらだらと進むことになる。
これ、ティム・バートンあたりがアニメ化すれば面白いかもしれない。
The Witches Of Dredmoore Hollow
作者:Riford McKenzie
イラスト:Peter Ferguson
出版社:Two Lions
ISBN:Kindle版
by timeturner
| 2014-04-25 18:14
| 洋書
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