2014年 04月 06日
ハローサマー、グッドバイ |
夏の休暇をすごすため、両親とともに海辺の町パラークシを訪れた少年ドローヴは、前の年に知り合った宿屋の少女ブラウンアイズと再会を果たし、お互いの気持ちを確かめることができたが、一方で数年前から行われていた隣国との戦争は次第に深刻化してくる・・・。
青春恋愛SFの傑作、と訳者あとがきにあった。確かに青春小説であり、恋愛小説であり、SFでもあるけど、傑作というのは言い過ぎかな。
なんだか魅力に欠けるんですよね。恋愛要素に目をくらまされることがない年齢のせいか、SFとしての世界観がちゃんと書けているか、登場人物たちのキャラクターがリアルに感じられるか、ストーリー展開に吸引力と説得力があるか、といったことがこの手の小説を読む場合の必要事項になるわけですが、そのどれもいまいちだった。特に大人たちの描き方は恥ずかしいくらいに皮相的。
架空世界の造形はありきたりなわりにわかりにくくて、SFを読んでる楽しさがあまり感じられない。最後の部分だけ「なるほどね」という仕掛けはあったけれど、それまでの退屈さを払拭するほどのものではなかった。奇怪な生物や自然はとってつけたような感じで、モンスターを暴走族に置き換えても変わりはない。
恋愛要素のほうは、悲劇的な味つけをしてはいても、主人公が思春期前の少年少女なので中学生版ロミオとジュリエットといった感じ。でも、この作品が面白いと思えなかったのはそのせいじゃないと思う。YAのラブストーリーでちゃんと感情移入できるものだってあるんだし。要するに書き方の問題なのかな。
ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
原題:Hello Summer, Goodbye
作者:マイクル・コーニイ
訳者:山岸 真
出版社:河出書房新社
ISBN:4309463088
青春恋愛SFの傑作、と訳者あとがきにあった。確かに青春小説であり、恋愛小説であり、SFでもあるけど、傑作というのは言い過ぎかな。
なんだか魅力に欠けるんですよね。恋愛要素に目をくらまされることがない年齢のせいか、SFとしての世界観がちゃんと書けているか、登場人物たちのキャラクターがリアルに感じられるか、ストーリー展開に吸引力と説得力があるか、といったことがこの手の小説を読む場合の必要事項になるわけですが、そのどれもいまいちだった。特に大人たちの描き方は恥ずかしいくらいに皮相的。
架空世界の造形はありきたりなわりにわかりにくくて、SFを読んでる楽しさがあまり感じられない。最後の部分だけ「なるほどね」という仕掛けはあったけれど、それまでの退屈さを払拭するほどのものではなかった。奇怪な生物や自然はとってつけたような感じで、モンスターを暴走族に置き換えても変わりはない。
恋愛要素のほうは、悲劇的な味つけをしてはいても、主人公が思春期前の少年少女なので中学生版ロミオとジュリエットといった感じ。でも、この作品が面白いと思えなかったのはそのせいじゃないと思う。YAのラブストーリーでちゃんと感情移入できるものだってあるんだし。要するに書き方の問題なのかな。
ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
原題:Hello Summer, Goodbye
作者:マイクル・コーニイ
訳者:山岸 真
出版社:河出書房新社
ISBN:4309463088
by timeturner
| 2014-04-06 20:26
| 和書
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