2014年 03月 06日
内なるネコ |
バロウズの自伝的小説と紹介文には書かれていたけど、小説かあ、これ?
おりおりの心の動きを書きとめた散文詩の断章のような感じ。とりとめのない言葉の羅列が、少しずつ彼の人生に重なってくる。現在と過去を行き来するなかで、そのときどきに彼が愛した男や女、そして猫の姿が現れます。
最初から猫好きだったわけではなく、はじめのほうはすり寄ってくる猫をうっとおしく思ったり、猫を飼うなんてめんどくさいと思ったりしているのが、しばらく飼っているうちに猫に悪さをするやつは殺してやるみたいなノリになるのが面白いです。犬に対する嫌悪も猫が好きになるのに反比例して強まっているみたい。犬にはいい迷惑だな。
バイセクシャルで、ジャンキーで、男や女の愛人を山ほどつくり、酔って妻を射殺し、子どももほったらかしと、ひとりの人間には抱えきれないほどの問題を抱えて生きた人ですが、最後に彼を支えたのは猫たちだったのかもしれないですね。
それにしても、ここに出てくる猫たち、見知らぬ人間に最初からやたらと人なつこくて飼われたがる子が多いのが珍しく感じます。アメリカの田舎の自然がそれだけ過酷だということなんでしょうか。一晩外で過ごしただけで凍死するようなところだったら、家猫になるしか生き残る道はないものね。
ちらっと話が出てくるスナギツネを検索してみたら、めっちゃかわいくて会いたい気持ちが一気に高まる。上野動物園にいるかな。
内なるネコ
原題:The Cat Inside
作者:ウィリアム・バロウズ
訳者:山形浩生
出版社:河出書房新社
ISBN:4309202349
おりおりの心の動きを書きとめた散文詩の断章のような感じ。とりとめのない言葉の羅列が、少しずつ彼の人生に重なってくる。現在と過去を行き来するなかで、そのときどきに彼が愛した男や女、そして猫の姿が現れます。
最初から猫好きだったわけではなく、はじめのほうはすり寄ってくる猫をうっとおしく思ったり、猫を飼うなんてめんどくさいと思ったりしているのが、しばらく飼っているうちに猫に悪さをするやつは殺してやるみたいなノリになるのが面白いです。犬に対する嫌悪も猫が好きになるのに反比例して強まっているみたい。犬にはいい迷惑だな。
バイセクシャルで、ジャンキーで、男や女の愛人を山ほどつくり、酔って妻を射殺し、子どももほったらかしと、ひとりの人間には抱えきれないほどの問題を抱えて生きた人ですが、最後に彼を支えたのは猫たちだったのかもしれないですね。
それにしても、ここに出てくる猫たち、見知らぬ人間に最初からやたらと人なつこくて飼われたがる子が多いのが珍しく感じます。アメリカの田舎の自然がそれだけ過酷だということなんでしょうか。一晩外で過ごしただけで凍死するようなところだったら、家猫になるしか生き残る道はないものね。
ちらっと話が出てくるスナギツネを検索してみたら、めっちゃかわいくて会いたい気持ちが一気に高まる。上野動物園にいるかな。
内なるネコ
原題:The Cat Inside
作者:ウィリアム・バロウズ
訳者:山形浩生
出版社:河出書房新社
ISBN:4309202349
by timeturner
| 2014-03-06 20:10
| 和書
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