2014年 03月 01日
ネコの目からのぞいたら |
迷子になった子ねこウェルギリウスを探すダンテ少年は、テレパシーを通じて女の子が誘拐されるのを目撃してしまう。水の都ヴェネツィアを舞台にくりひろげられる大冒険。
あらすじを読むと面白そうだし、実際、老先生との出会いや、先生の発明のおかげでねこの目を通して物が見えるようになるというあたりまではなかなか面白かったんですが・・・。
他者の目を通して物を見るというと、昔めちゃくちゃはまった映画「アイズ」を思い出します。あっちは科学的発明によるテレパシーではなく、オカルト的なサイコ・サスペンスではありましたが、フェイ・ダナウェイ演じるカメラマンが誰だかわからない犯罪者の目で殺しの現場を見てしまうというシチュエーションはすごく近いものがある。ひょっとして、作者はあの映画(『Eyes of Laura Mars』)を見たことがあるのかも。
だがしかし、児童文学というカセもあり、あまり覗き的な部分を強調するわけにもいかないし、犯罪もそれほどスプラッターなものにできませんから、どうにもこうにも中途半端なものになっている。特に、最後の謎解き部分。夢落ちじゃなかったのはまあ評価できるにしても、あれはないよなあ。真剣に読んできた子どもたちは怒ったりしないのだろうか。それともマンガ世代の子どもたちにとっては、あの結末こそが納得のいくものなのだろうか。
基本的には人と変わっているために周囲に溶け込めずにいたダンテ少年の成長物語なのだろうけど、その点に関しても中途半端感は否めない。ヴェネチアの町を猫の目で見られる面白さはあるんだけどね。
ネコの目からのぞいたら
原題:Occhio al Gatto!
作者:シルヴァーナ・ガンドルフィ
訳者:関口英子
出版社:岩波書店
ISBN:4001156601
あらすじを読むと面白そうだし、実際、老先生との出会いや、先生の発明のおかげでねこの目を通して物が見えるようになるというあたりまではなかなか面白かったんですが・・・。
他者の目を通して物を見るというと、昔めちゃくちゃはまった映画「アイズ」を思い出します。あっちは科学的発明によるテレパシーではなく、オカルト的なサイコ・サスペンスではありましたが、フェイ・ダナウェイ演じるカメラマンが誰だかわからない犯罪者の目で殺しの現場を見てしまうというシチュエーションはすごく近いものがある。ひょっとして、作者はあの映画(『Eyes of Laura Mars』)を見たことがあるのかも。
だがしかし、児童文学というカセもあり、あまり覗き的な部分を強調するわけにもいかないし、犯罪もそれほどスプラッターなものにできませんから、どうにもこうにも中途半端なものになっている。特に、最後の謎解き部分。夢落ちじゃなかったのはまあ評価できるにしても、あれはないよなあ。真剣に読んできた子どもたちは怒ったりしないのだろうか。それともマンガ世代の子どもたちにとっては、あの結末こそが納得のいくものなのだろうか。
基本的には人と変わっているために周囲に溶け込めずにいたダンテ少年の成長物語なのだろうけど、その点に関しても中途半端感は否めない。ヴェネチアの町を猫の目で見られる面白さはあるんだけどね。
ネコの目からのぞいたら
原題:Occhio al Gatto!
作者:シルヴァーナ・ガンドルフィ
訳者:関口英子
出版社:岩波書店
ISBN:4001156601
by timeturner
| 2014-03-01 18:09
| 和書
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