2014年 01月 09日
ローマ帽子の秘密 |
ブロードウェイのローマ劇場で異常事態が発生した。劇の進行中に、ほぼ満席状態の観客席から男の毒殺死体が発見されたのだ。名捜査官リチャードと天才探偵エラリーのクイーン父子は、劇場から消えた被害者のシルクハットの謎を追う・・・。
えーっ、これってむちゃくちゃアンフェアじゃない?
読んでいるあいだずっと、「どうしてあそこを調べない? あれを探すならまずあそこだろう」と思っていたのですが、実際その通りで、なのに、そのあたりのことはすべて読者の目に見えないところで行われていて、最後の種明かしまで隠されているんですよね。言い訳のように「あのときエラリーが触れてただろう」みたいなことを言うんですが、肝心のことには何ひとつ触れてないぞ!
まあ、そういうタイプの推理小説もあるだろうから、最終的に納得できるような形で締めくくってくれれば、あるいは人間ドラマとして興味深いものにしてくれたなら文句は言わないのですが、そのどちらにもなってなかったよ。もう、文句たらたら。タイトルも、読み終えてみるとふざけてるなあと思う。原題のRoman Hatというのはローマ劇場で消えた帽子を指しているのだけれど、トルコ帽みたいに「ローマ帽子」というものもあるのかと考えるのがふつう。まあでも、これは原題からして無理のあるタイトルだから仕方がないのか。
エラリー・クイーンの作品は昔、いくつか読んだような気がするのですが(『Yの悲劇』は家にあったし)、もちろん何も覚えていません。クイーン父子の長編は初めて読んだと思う。
500ページ近いページ数だし、とりあえずこれ一冊読めばクイーン父子とお近づきになれるはず、と思っていたのですが……うーん、いまいちわからない。つかみどころがないというか。ふたりのパーソナリティや関係がリアルに迫ってこない。厚みがないというか、絵に描いた餅のような印象。あと何冊か読めば、だんだんとなじんでくるのかなあ。
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)
原題:The Roman Hat Mystery
作者:エラリー・クイーン
訳者:越前敏弥、青木 創
出版社:角川書店
ISBN:4041002568
えーっ、これってむちゃくちゃアンフェアじゃない?
読んでいるあいだずっと、「どうしてあそこを調べない? あれを探すならまずあそこだろう」と思っていたのですが、実際その通りで、なのに、そのあたりのことはすべて読者の目に見えないところで行われていて、最後の種明かしまで隠されているんですよね。言い訳のように「あのときエラリーが触れてただろう」みたいなことを言うんですが、肝心のことには何ひとつ触れてないぞ!
まあ、そういうタイプの推理小説もあるだろうから、最終的に納得できるような形で締めくくってくれれば、あるいは人間ドラマとして興味深いものにしてくれたなら文句は言わないのですが、そのどちらにもなってなかったよ。もう、文句たらたら。タイトルも、読み終えてみるとふざけてるなあと思う。原題のRoman Hatというのはローマ劇場で消えた帽子を指しているのだけれど、トルコ帽みたいに「ローマ帽子」というものもあるのかと考えるのがふつう。まあでも、これは原題からして無理のあるタイトルだから仕方がないのか。
エラリー・クイーンの作品は昔、いくつか読んだような気がするのですが(『Yの悲劇』は家にあったし)、もちろん何も覚えていません。クイーン父子の長編は初めて読んだと思う。
500ページ近いページ数だし、とりあえずこれ一冊読めばクイーン父子とお近づきになれるはず、と思っていたのですが……うーん、いまいちわからない。つかみどころがないというか。ふたりのパーソナリティや関係がリアルに迫ってこない。厚みがないというか、絵に描いた餅のような印象。あと何冊か読めば、だんだんとなじんでくるのかなあ。
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)
原題:The Roman Hat Mystery
作者:エラリー・クイーン
訳者:越前敏弥、青木 創
出版社:角川書店
ISBN:4041002568
by timeturner
| 2014-01-09 19:25
| 和書
|
Comments(3)
Commented
at 2014-01-11 14:52
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2014-01-11 14:57
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
timeturner at 2014-01-11 21:26
treeintheheartさま、はじめまして。
エラリーファンの方から叱られるかなあと内心びくびくしていたのですが、大人な対応ありがとうございます。
そうですよね、書かれた時期も考えなくちゃいけませんね。決してミステリーファンとは言えない私でも、当時の人たちに比べたらたくさんの、そしてありとあらゆるトリックを駆使した作品を読んできているわけですから、そのへんも忖度して読まなくてはいけないのですね。中途半端にしか読んでないから、そこまで考えが及ばなかった……。
そういえば前に何かのアンソロジーでクイーン親子が出てくる短編を読みましたが、そのときは満足できる読後感だったと思います。クイーンといえども最初から大作家だったわけではなく、作品ごとに熟していくのでしょう。もう少し読み続けてみようと思います。また、ご意見をお聞かせくださいね。
エラリーファンの方から叱られるかなあと内心びくびくしていたのですが、大人な対応ありがとうございます。
そうですよね、書かれた時期も考えなくちゃいけませんね。決してミステリーファンとは言えない私でも、当時の人たちに比べたらたくさんの、そしてありとあらゆるトリックを駆使した作品を読んできているわけですから、そのへんも忖度して読まなくてはいけないのですね。中途半端にしか読んでないから、そこまで考えが及ばなかった……。
そういえば前に何かのアンソロジーでクイーン親子が出てくる短編を読みましたが、そのときは満足できる読後感だったと思います。クイーンといえども最初から大作家だったわけではなく、作品ごとに熟していくのでしょう。もう少し読み続けてみようと思います。また、ご意見をお聞かせくださいね。
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