2014年 01月 07日
これから話す物語 |
アムステルダムの部屋でいつもどおり床に就いた「私」が目を覚ますと、そこはリスボンのホテルの一室だった・・・。死が口を開けてから閉じようとするまでのたった「二秒間」の物語。
うーむ、どうなんだろうなあ、これは。二部構成になっていて、一部は「私」が自分の置かれた状況についてや過去の記憶について、だらだらと脈絡もなく独白を続けていき、合間には「私」の職業だったラテン語教師らしい引用がたくさんはさまれ、という調子で、読んでいるほうはわけもわからないまま文字を追う感じ。
二部に入ると「私」は大きな船に何人かの同乗者とともに乗って船出し、ここからは話の落ち着く先が見えてくるので少しは集中できるようになるんですが、それでも最後には「ええっ?」と驚くエンディングが。
訳者あとがきの解説を読むとなるほどと思うし、数々の賞をとっているところを見てもそれなりの価値がある作品なんでしょうが、私にはわからなかった。
いちばん残念だったのは、訳者が書いているような「茶目っけ」や「おかしみ」「そらとぼけた語り口」を感じられなかったこと。特に一部でそれが感じられたら、もっと楽しんで読めただろうし、二部への移行も必然と感じられたと思うのですが。たぶん、オランダ語で読むとそういう部分がきちんと読み取れるんでしょうね。オランダ語⇒英語⇒日本語と経てくる中で失われるニュアンスは大きいと思う。
まあ、単に私の読解力が低いということなのかもしれません。
これから話す物語 (新潮・現代世界の文学)
原題:Het Volgende Verhaal
作者:セース・ノーテボーム
訳者:鴻巣友季子
出版社:新潮社
ISBN:410533901X
うーむ、どうなんだろうなあ、これは。二部構成になっていて、一部は「私」が自分の置かれた状況についてや過去の記憶について、だらだらと脈絡もなく独白を続けていき、合間には「私」の職業だったラテン語教師らしい引用がたくさんはさまれ、という調子で、読んでいるほうはわけもわからないまま文字を追う感じ。
二部に入ると「私」は大きな船に何人かの同乗者とともに乗って船出し、ここからは話の落ち着く先が見えてくるので少しは集中できるようになるんですが、それでも最後には「ええっ?」と驚くエンディングが。
訳者あとがきの解説を読むとなるほどと思うし、数々の賞をとっているところを見てもそれなりの価値がある作品なんでしょうが、私にはわからなかった。
いちばん残念だったのは、訳者が書いているような「茶目っけ」や「おかしみ」「そらとぼけた語り口」を感じられなかったこと。特に一部でそれが感じられたら、もっと楽しんで読めただろうし、二部への移行も必然と感じられたと思うのですが。たぶん、オランダ語で読むとそういう部分がきちんと読み取れるんでしょうね。オランダ語⇒英語⇒日本語と経てくる中で失われるニュアンスは大きいと思う。
まあ、単に私の読解力が低いということなのかもしれません。
これから話す物語 (新潮・現代世界の文学)
原題:Het Volgende Verhaal
作者:セース・ノーテボーム
訳者:鴻巣友季子
出版社:新潮社
ISBN:410533901X
by timeturner
| 2014-01-07 22:01
| 和書
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