2013年 11月 04日
ローズの小さな図書館 |
1930年代のアメリカ。干ばつにみまわれたテキサスの農家では父親が出ていってしまい、残された家族はかつかつの暮らしをしていた。本好きの少女ローズは、母親、弟とともに母親の故郷ルイジアナの水辺の町に移り、死んだと思っていた祖父と暮らすことになる。ローズは年齢を偽り、図書館バスの運転手として働きはじめるのだが・・・。
ローズ、その息子、孫、ひ孫と、四人のティーンエイジャーたちの生き方と本との関わりを描く、児童文学としては珍しい四代記です。連作短編集とも言えるかもしれない。それぞれの時代背景の変化が織り込まれ、取り上げられる本も『大地』『怒りの蔔萄』「ハリー・ポッター」へと変わっていくのが興味深い。
本が好きな人が出てくる話はたいてい好きになるので、この本も面白く読めたのですが、どちらかというと四つの世代を書くほうに重心が置かれていて、本の話はつけたしっぽく感じる。作者あとがきによると、数世代にわたる人々の話を書きたいと思っているときにルイジアナの図書館で働く司書たちの写真を見てインスパイアされたとありますから、やはりそういう優先順位なのでしょう。
250ページ弱で四つの世代を描くというのですから、どうしてもメインの人物以外は弱くなります。印象的な脇キャラもいるのですが、もっとその人のことを知りたいと思っているうちに世代が移ってしまい、いつのまにか消えている感じで、残念でした。ローズの母親や祖父、義理の息子などなど。
私としてはローズが最後に書き上げた『川辺の少女』のほうが読みたかったなあという感じです。
ローズの小さな図書館 (児童書)
原題:Part of Me
作者:キンバリー・ウィリス・ホルト
訳者:谷口由美子
出版社:徳間書店
ISBN:4198636425
ローズ、その息子、孫、ひ孫と、四人のティーンエイジャーたちの生き方と本との関わりを描く、児童文学としては珍しい四代記です。連作短編集とも言えるかもしれない。それぞれの時代背景の変化が織り込まれ、取り上げられる本も『大地』『怒りの蔔萄』「ハリー・ポッター」へと変わっていくのが興味深い。
本が好きな人が出てくる話はたいてい好きになるので、この本も面白く読めたのですが、どちらかというと四つの世代を書くほうに重心が置かれていて、本の話はつけたしっぽく感じる。作者あとがきによると、数世代にわたる人々の話を書きたいと思っているときにルイジアナの図書館で働く司書たちの写真を見てインスパイアされたとありますから、やはりそういう優先順位なのでしょう。
250ページ弱で四つの世代を描くというのですから、どうしてもメインの人物以外は弱くなります。印象的な脇キャラもいるのですが、もっとその人のことを知りたいと思っているうちに世代が移ってしまい、いつのまにか消えている感じで、残念でした。ローズの母親や祖父、義理の息子などなど。
私としてはローズが最後に書き上げた『川辺の少女』のほうが読みたかったなあという感じです。
ローズの小さな図書館 (児童書)
原題:Part of Me
作者:キンバリー・ウィリス・ホルト
訳者:谷口由美子
出版社:徳間書店
ISBN:4198636425
by timeturner
| 2013-11-04 20:52
| 和書
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