2013年 10月 18日
魔女になんかなりたくない! |
魔女の娘たちは、自分が魔女になるなんて全然知らずに大きくなる。そしてある朝、とても機嫌の悪い朝に、この子たちは、部屋のむこうまで、かばんを飛ばしたり、花屋の店先の花をしおれさせたりする。ヴェルトもそんなふうだった・・・。
不思議な魔法の本でした。確かに魔女が出てくるし(それも3世代で)、魔法も使われるのだけれど、作者が本当に書きたいことは別にある。
シングルマザーの母親がひとり娘にかける過大な期待と、それを感じてイライラが募る娘、12歳の少女がサッカーの上手なクラスメイトの男の子に感じる自分でもよくわからない複雑な思い、強情な娘と孫娘のあいだに立たされた祖母の苦労などなど、ごくふつうに人間の社会で起こる出来事に、ほんの少し魔法のスパイスがふりかけられただけ、という気がします。
でも、それは多分正解。母と娘の確執なんて正面きって読みたいことではありませんからね。ただ、家庭というものに必要な要素のひとつである父親の存在が、この本では女たちの気持ち次第で簡単に消したり出したりできる道具みたいになってて、ちょっと気の毒でした。これって、フランスらしい部分だったりするのかな。
魔女になんかなりたくない! (文研じゅべにーる)
原題:Verte
作者:マリー・デプルシャン
イラスト:津尾美智子
訳者:末松氷海子
出版社:文研出版
ISBN:4580812972
不思議な魔法の本でした。確かに魔女が出てくるし(それも3世代で)、魔法も使われるのだけれど、作者が本当に書きたいことは別にある。
シングルマザーの母親がひとり娘にかける過大な期待と、それを感じてイライラが募る娘、12歳の少女がサッカーの上手なクラスメイトの男の子に感じる自分でもよくわからない複雑な思い、強情な娘と孫娘のあいだに立たされた祖母の苦労などなど、ごくふつうに人間の社会で起こる出来事に、ほんの少し魔法のスパイスがふりかけられただけ、という気がします。
でも、それは多分正解。母と娘の確執なんて正面きって読みたいことではありませんからね。ただ、家庭というものに必要な要素のひとつである父親の存在が、この本では女たちの気持ち次第で簡単に消したり出したりできる道具みたいになってて、ちょっと気の毒でした。これって、フランスらしい部分だったりするのかな。
魔女になんかなりたくない! (文研じゅべにーる)
原題:Verte
作者:マリー・デプルシャン
イラスト:津尾美智子
訳者:末松氷海子
出版社:文研出版
ISBN:4580812972
by timeturner
| 2013-10-18 19:42
| 和書
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