2013年 08月 11日
さいでっか見聞録 |
児童文学作家の富安陽子さんが月刊誌に連載したエッセイに書き下ろしを加えて一冊の本にまとめたもの。
二人の男の子の母でもある富安さんの子育ての苦労や子ども時代の思い出などが季節の移り変わりに合わせて綴られています。彼女が書くお話と同様、ほのぼのしたおかしみのある自然体のエッセイで、大爆笑まではいかないものの、何度か読むのを中断して笑わされたり、自分にも覚えのある子どもの頃の気持ちを思い出してしんみりしたり。
シノダ!シリーズの一冊か、別の本だったか、セミ釣りの話が出てきたのですが、それが富安さん自身の発明だったというのにはびっくり。やっぱり自然科学系の頭のある人なんですね。
へえと思ったのは、彼女が子ども向けの話を書き始めたきっかけが、メアリー・ポピンズを読んで彼我の違いを思い知らされ、そこでファンタジーから離れるのではなく、自分にも入っていける身近な異界について書こうという気になったというところ。私などはそこまで深く考えず、あっちの世界に憬れて、今でもイギリスものにのめりこんでいますが、そこが自ら創り出す人間と与えられるものだけで楽しむ人間との違いなのでしょうか。
さいでっか見聞録
作者:富安陽子
イラスト:浅倉田美子
出版社:偕成社
ISBN:4030033407
二人の男の子の母でもある富安さんの子育ての苦労や子ども時代の思い出などが季節の移り変わりに合わせて綴られています。彼女が書くお話と同様、ほのぼのしたおかしみのある自然体のエッセイで、大爆笑まではいかないものの、何度か読むのを中断して笑わされたり、自分にも覚えのある子どもの頃の気持ちを思い出してしんみりしたり。
シノダ!シリーズの一冊か、別の本だったか、セミ釣りの話が出てきたのですが、それが富安さん自身の発明だったというのにはびっくり。やっぱり自然科学系の頭のある人なんですね。
へえと思ったのは、彼女が子ども向けの話を書き始めたきっかけが、メアリー・ポピンズを読んで彼我の違いを思い知らされ、そこでファンタジーから離れるのではなく、自分にも入っていける身近な異界について書こうという気になったというところ。私などはそこまで深く考えず、あっちの世界に憬れて、今でもイギリスものにのめりこんでいますが、そこが自ら創り出す人間と与えられるものだけで楽しむ人間との違いなのでしょうか。
さいでっか見聞録
作者:富安陽子
イラスト:浅倉田美子
出版社:偕成社
ISBN:4030033407
by timeturner
| 2013-08-11 20:44
| 和書
|
Comments(2)
Commented
by
八朔
at 2013-08-11 22:43
x
“まゆ”の話を書いているので、富安さんは、てっきり女の子のお母さんだと思っていました。男の子でしたか。
今、たまたま原作の『Mary Poppins』を読んでいる最中なのですが、そこから、あの富安さんワールドが生まれたとは驚きです。
今、たまたま原作の『Mary Poppins』を読んでいる最中なのですが、そこから、あの富安さんワールドが生まれたとは驚きです。
0
Commented
by
timeturner at 2013-08-11 23:37
いやあ、山んばのあのさばさばとした細かいことにはこだわらない生き方は、いかにも男の子(それも複数)のお母さんという気がします。
まあでも、あまりそういうことには関係ないのかもしれませんねえ。あくまでもご本人の資質ですから。
まあでも、あまりそういうことには関係ないのかもしれませんねえ。あくまでもご本人の資質ですから。