2013年 06月 03日
検察側の証人 |
表題作である「検察側の証人」を除いては、クリスティーとしては珍しい幻想怪奇の範疇に入る作品を集めた短編集。
戯曲の『検察側の証人』を読むにあたって、それより前に書かれた短編のほうも読みたいと思い、オカルト系の作品を集めてあるとあってよりいっそう興味がつのりました。長編の中でもオカルト系の『蒼ざめた馬』が好きだったし。
多重人格、降霊術、幽霊屋敷、予知能力、霊界通信、幻聴など、ありとあらゆる怪異現象が扱われています。オカルトの仮面をつけてはいるけど実はミステリーというのもあれば、純粋に幽霊物になっている作品もあり、へえ、ここまでこの手の話が好きだったのかと、ちょっと意外な気がしました。
キリスト教の物の考え方が基盤にあるので、魂と肉体の関係について考えることから始まっているような話が多いです。「翼のまねき」などはほとんど宗教的といっていい、どこかの牧師が説教に使ってもいいような内容でした。最後の「死の猟犬」は特に科学的というわけではないのですが、なんとなくSFの香りがあります。ドイルのSFみたい。
検察側の証人 (創元推理文庫)
作者:アガサ・クリスティー
訳者:厚木 淳
出版社:東京創元社
ISBN:4488105424
戯曲の『検察側の証人』を読むにあたって、それより前に書かれた短編のほうも読みたいと思い、オカルト系の作品を集めてあるとあってよりいっそう興味がつのりました。長編の中でもオカルト系の『蒼ざめた馬』が好きだったし。
多重人格、降霊術、幽霊屋敷、予知能力、霊界通信、幻聴など、ありとあらゆる怪異現象が扱われています。オカルトの仮面をつけてはいるけど実はミステリーというのもあれば、純粋に幽霊物になっている作品もあり、へえ、ここまでこの手の話が好きだったのかと、ちょっと意外な気がしました。
赤信号クリスティーは、話を面白くする道具としてオカルトを使うことはあっても、怪奇小説を書くほど真剣に考えていない人のように思えたので。ミス・マープルの性格とか考えるとね。でも、イギリス人の血には幽霊好きな遺伝子が流れているのかもしれない。
第四の男
ジプシー
ランプ
ラジオ
検察側の証人
青い壷の秘密
アーサー・カーマイクル卿の奇妙な事件
翼のまねき
最後の降霊術
SOS
死の猟犬
キリスト教の物の考え方が基盤にあるので、魂と肉体の関係について考えることから始まっているような話が多いです。「翼のまねき」などはほとんど宗教的といっていい、どこかの牧師が説教に使ってもいいような内容でした。最後の「死の猟犬」は特に科学的というわけではないのですが、なんとなくSFの香りがあります。ドイルのSFみたい。
検察側の証人 (創元推理文庫)
作者:アガサ・クリスティー
訳者:厚木 淳
出版社:東京創元社
ISBN:4488105424
by timeturner
| 2013-06-03 19:00
| 和書
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