2013年 04月 22日
ディナーで殺人を〈下〉 |
『英国鉄道物語』で触れられていた「ニシンのジャム事件」を読みたいと思ったら、こんなアンソロジーに収録されていました。ニシンのジャムなんてあまりグルメっぽい響きはありませんが、実際、そんなジャムがあるわけではなく、これはむしろ鉄道ミステリーです。ロンドンの地下鉄や鉄道には使われなくなったものの、埋めずにそのままにされているトンネルが数限りなくあるという事実をもとに、鉄道マニアの学者先生の案内で刑事が夜の地下トンネルを探索するという話。出てくる駅名も現実のものなので、へえ、あのあたりの地下に・・・と想像しながら楽しく読めました。
それ以外の作品も有名な美食探偵ネロ・ウルフを初め、ポワロ、メグレなどグルメと聞けば頭に浮かぶ一流探偵ぞろい。解説によると、上巻のほうはもう少しひねったコレクションで、いわゆるミステリーではないものも多く含まれているようなのですが、この下巻のほうはゼラズニーを除けばいずれもミステリーらしいミステリーばかりです。
ディナーで殺人を〈下〉 (創元推理文庫)
原題:Murder on The Menu
編者:ピーター・ヘイニング
出版社:東京創元社
ISBN:448816904X
それ以外の作品も有名な美食探偵ネロ・ウルフを初め、ポワロ、メグレなどグルメと聞けば頭に浮かぶ一流探偵ぞろい。解説によると、上巻のほうはもう少しひねったコレクションで、いわゆるミステリーではないものも多く含まれているようなのですが、この下巻のほうはゼラズニーを除けばいずれもミステリーらしいミステリーばかりです。
第二部 歴史風のアントレ〔続〕グルメ料理人として知られる宮脇孝雄さんの解説も面白いのですが、特に美食ミステリーのジャンルに「羊もの」を加えてもいいのではないかという一文には笑わされつつも納得しました。
唐辛子の味がわからなかった男 The Man Who Couldn't Taste Pepper/G・B・スターン(田口俊樹)
最後の晩餐 Final Dining/ロジャー・ゼラズニイ(田口俊樹)
第三部 デザート
二十四羽の黒ツグミ Four-and-twenty Blackbirds/アガサ・クリスティー(宇野利泰)
長いメニュー The Long Dinner/H・C・ベイリー(永井 淳)
暗殺者クラブ The Assasins' Club/ニコラス・ブレイク(深町眞理子)
ふたりで夕食を Dinner for Two/ロイ・ヴィカーズ(田口俊樹)
ニシンのジャム事件 A Case for Gourmets/マイケル・ギルバート(田口俊樹)
ディナーにラム酒を Rum for Dinner/ローレンス・G・ブロックマン(田口俊樹)
競売の前夜 Vente a la Bougie/ジョルジュ・シムノン(越前敏弥)
ポイズン・ア・ラ・カルト Poison a la Carte/レックス・スタウト(小尾芙佐)
おとなしい凶器 Lamb to the Slaughter/ロアルド・ダール(田口俊樹)
ディナーで殺人を〈下〉 (創元推理文庫)
原題:Murder on The Menu
編者:ピーター・ヘイニング
出版社:東京創元社
ISBN:448816904X
by timeturner
| 2013-04-22 19:16
| 和書
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