2013年 03月 11日
アポロンの眼 |
ボルヘスの「バベルの図書館」シリーズ第1巻。
実を言うとチェスタトンはこれまでにブラウン神父ものもそうでないものも読もうとしては挫折した経験があり、苦手意識が強かったんですよね。でも、これは面白かった。短篇だからかな。
この人の面白さはプロットや謎ときよりも大仰で饒舌、皮肉たっぷりな語り口にあるので、それが延々と続くと(私は)飽きてしまうのかもしれない。
ボルヘスの序文に「文学を手がける以前、チェスタトンは絵画を試みており、彼の物語作品はすべて忘れがたく視覚に訴える」とありますが、確かに、この人の情景描写は作者が実際にその情景を頭の中にくっきりと描いてから文字に移し変えているのだろうなと思わせるリアルさをもっています。
アポロンの眼 (バベルの図書館 1)
原題:The Eye of Apollo
作者:ギルバ-ト・キ-ス・チェスタトン
訳者:富士川義之
出版社:国書刊行会
ISBN:4336025568
実を言うとチェスタトンはこれまでにブラウン神父ものもそうでないものも読もうとしては挫折した経験があり、苦手意識が強かったんですよね。でも、これは面白かった。短篇だからかな。
この人の面白さはプロットや謎ときよりも大仰で饒舌、皮肉たっぷりな語り口にあるので、それが延々と続くと(私は)飽きてしまうのかもしれない。
ボルヘスの序文に「文学を手がける以前、チェスタトンは絵画を試みており、彼の物語作品はすべて忘れがたく視覚に訴える」とありますが、確かに、この人の情景描写は作者が実際にその情景を頭の中にくっきりと描いてから文字に移し変えているのだろうなと思わせるリアルさをもっています。
三人の黙示録の騎士最初の作品以外はブラウン神父ものですが、おそらくボルヘスはこの最初の作品を入れたくてチェスタトンを選んだんじゃないかなという気がする。それほど「三人の黙示録の騎士」はすてきにバベル的。
奇妙な足音
イズレイル・ガウの名譽
アポロンの眼
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アポロンの眼 (バベルの図書館 1)
原題:The Eye of Apollo
作者:ギルバ-ト・キ-ス・チェスタトン
訳者:富士川義之
出版社:国書刊行会
ISBN:4336025568
by timeturner
| 2013-03-11 19:54
| 和書
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