2013年 01月 21日
Cranford |
エリザベス・ギャスケルの小説『女だけの町 クランフォード』の原書です。実は左の写真の上のほう『Cranford: and Other Stories』の新刊をオックスフォードの書店で買ったのですが、500ページ強の分厚さ+文字の細かさにめげて、なかなか進みませんでした。そこで、Kindle PWを買ったのを機に、無料でダウンロードできる『Cranford』だけをまず読了。ギャスケルの20作品収録のKindle本(これは有料)も買ったので、残りはおいおい読んでいこうと思っています。
古い本なので言い回しが古風なところ、使われている単語が難しかったりするところがあり、すいすい読める本ではないのですが、ストーリーは前にBBCの連続TVドラマを見て大体わかっていたので、なんとかなりました。
ドラマではかなり啓蒙的に描かれていましたが、あれは現代のオーディエンスに合わせる部分もあったようで、本のほうではヴィクトリア朝のモラル、習慣がそのままに描かれているので、かえって興味深かったです。
田舎町で、ジェントルマン階級とはいってもそれほど裕福な人はいないという環境だったからこそなのでしょうが、古い慣習にがんじがらめにされているようでいて、そのときどきの状況に合わせてしなやかに対応するスピンスター(年をとった未婚女性)たちがとても好ましく、ほほえましい。笑いあり、涙ありで、当時の女性たちはまるで自分たちのこと、知り合いのことを読むような感覚で楽しんだのでしょう。
オースティンがドライなウィットを楽しめる小説だとしたら、こちらはウェットでおセンチな人情劇といったところ。ギャスケルは『メアリー・バートン』のような社会派小説も書いていて、ディケンズからも一目置かれていたそうですが、こういうおセンチなところがある人のほうが社会的弱者に共感し、なんとかしなくてはと立ち上がるのでしょう。
Cranford: and Other Stories
邦題:女だけの町―クランフォード
作者:Elizabeth Gaskell
出版社:Bloomsbury Publishing PLC
ISBN:0747594465
Cranford
作者:Elizabeth Cleghorn Gaskell
出版社:Kindle版
古い本なので言い回しが古風なところ、使われている単語が難しかったりするところがあり、すいすい読める本ではないのですが、ストーリーは前にBBCの連続TVドラマを見て大体わかっていたので、なんとかなりました。
ドラマではかなり啓蒙的に描かれていましたが、あれは現代のオーディエンスに合わせる部分もあったようで、本のほうではヴィクトリア朝のモラル、習慣がそのままに描かれているので、かえって興味深かったです。
田舎町で、ジェントルマン階級とはいってもそれほど裕福な人はいないという環境だったからこそなのでしょうが、古い慣習にがんじがらめにされているようでいて、そのときどきの状況に合わせてしなやかに対応するスピンスター(年をとった未婚女性)たちがとても好ましく、ほほえましい。笑いあり、涙ありで、当時の女性たちはまるで自分たちのこと、知り合いのことを読むような感覚で楽しんだのでしょう。
オースティンがドライなウィットを楽しめる小説だとしたら、こちらはウェットでおセンチな人情劇といったところ。ギャスケルは『メアリー・バートン』のような社会派小説も書いていて、ディケンズからも一目置かれていたそうですが、こういうおセンチなところがある人のほうが社会的弱者に共感し、なんとかしなくてはと立ち上がるのでしょう。
Cranford: and Other Stories
邦題:女だけの町―クランフォード
作者:Elizabeth Gaskell
出版社:Bloomsbury Publishing PLC
ISBN:0747594465
Cranford
作者:Elizabeth Cleghorn Gaskell
出版社:Kindle版
by timeturner
| 2013-01-21 15:53
| 洋書
|
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