2013年 01月 05日
南から来た男 ホラー短編集2 |
『八月の暑さのなかで』が好評だったので第二弾の話が来たのだそうです。今回はヤングアダルト向きに恋愛要素を含むホラファンタジーが選ばれているもよう。
最初のポーは金原さんの翻案で、ほとんどオリジナル作品と呼んでいいものになっています。有名な話が多いので半分以上は読んだことがありましたが、金原さんの翻訳で読むとまた違った味わいがありますね。
ボウエンのは『20世紀イギリス短篇選〈上〉』に「幽鬼の恋人」というタイトルで収録されていました。ところでこれの原題はDemon Loverなのですが、今読んでいる宮脇孝雄著『英和翻訳基本辞典』によると、これはもともとウォルター・スコットが採取した古い民謡詩の題名で、詩の内容は平凡な主婦が昔の恋人と再会し、夫と子供を捨てて駆け落ちするが、その恋人は魔性の者で、最後にはヒロインを地獄に連れていくというものだそうです。そうか、ボウエンはそこから想を得ていたわけですね。映画や歌のタイトルにも使われてますよね。
ウェルズのはどこかで読んだことがあるなあと思っていたら、オムニバス映画「ショッキング・アクシデント」の中にホラーというよりファンタジーとして入っていました。ブラッドベリのは『十月はたそがれの月』からで、これとブラックウッドの「まぼろしの少年」はしみるような悲しみが漂う悲恋物語になっています。
南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)
編訳:金原 瑞人
出版社:岩波書店
ISBN:4001146053
最初のポーは金原さんの翻案で、ほとんどオリジナル作品と呼んでいいものになっています。有名な話が多いので半分以上は読んだことがありましたが、金原さんの翻訳で読むとまた違った味わいがありますね。
ボウエンのは『20世紀イギリス短篇選〈上〉』に「幽鬼の恋人」というタイトルで収録されていました。ところでこれの原題はDemon Loverなのですが、今読んでいる宮脇孝雄著『英和翻訳基本辞典』によると、これはもともとウォルター・スコットが採取した古い民謡詩の題名で、詩の内容は平凡な主婦が昔の恋人と再会し、夫と子供を捨てて駆け落ちするが、その恋人は魔性の者で、最後にはヒロインを地獄に連れていくというものだそうです。そうか、ボウエンはそこから想を得ていたわけですね。映画や歌のタイトルにも使われてますよね。
ウェルズのはどこかで読んだことがあるなあと思っていたら、オムニバス映画「ショッキング・アクシデント」の中にホラーというよりファンタジーとして入っていました。ブラッドベリのは『十月はたそがれの月』からで、これとブラックウッドの「まぼろしの少年」はしみるような悲しみが漂う悲恋物語になっています。
ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語/エドガー・アラン・ポー
南から来た男/ロアルド・ダール
家具つきの部屋/オー・ヘンリー
マジックショップ/H.G.ウェルズ
不思議な話/ヲルター・デ・ラ・メア
まぼろしの少年/アルジャーノン・ブラックウッド
エミリーにバラを一輪/ウィリアム・フォークナー
悪魔の恋人/エリザベス・ボウエン
湖/レイ・ブラッドベリ
小瓶の悪魔/ロバート・ルイス・スティーヴンソン
隣の男の子/エレン・エマーソン
南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)
編訳:金原 瑞人
出版社:岩波書店
ISBN:4001146053
by timeturner
| 2013-01-05 18:48
| 和書
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