2012年 11月 12日
「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展@国立新美術館 |
月曜日なので休館日だと思う人がいそうだし、午前中雨の予報だったし、すいているんじゃないかなあと期待して行ったのですが、甘かった。地下鉄「乃木坂」駅で降りたら、降りた人みんな国立新美術館方向の出口に急ぎ足で歩いていく。そして、みんな美術館へ。
ただ、みんながリヒテンシュタイン展に来たわけではなく、同時開催の日展のほうに行った人も多かったようです。理由はわからないけど日展のほうは今日は入場無料なんだそうで。
リヒテンシュタインってルクセンブルグのこと?と思うほど無知な私なので、夕べのうちにウィキペディアで調べてみました。ルクセンブルグとごっちゃになっていたのですが、スイスとオーストリアにはさまれた小豆島くらいの大きさの国なんですね。国というより規模の大きな荘園領主という感じでしょうか。でも、お金はありそう。ということは美術館の収蔵品もすごく、その数3万点、英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションなんだそうです。今回の展覧会ではそこから139点をもってきています。
目玉はルーベンス・コレクション、バロック様式の絵画・彫刻・工芸品・家具調度を集めて、天井画を実際に天井に展示したバロック・ルーム、それにクンストカンマーと呼ばれる精緻な工芸品を集めた部屋に集められていたコレクション。
ルーベンスは10点で、チラシに使われている愛娘の絵《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》が一押しらしい。グッズもこれを使ったものが多かった。でも、個人的にはあまり好きになれなかったな。「可愛いだろう」と言わんばかりなのがちょっと鼻につく。というか、もともとルーベンスはそれほど好きじゃない。(ごめんね、ネロ)
バロック・ルームは確かに天井に4枚の丸い天井画が展示されていましたが、これってやっぱり本物の宮殿にないと浮いちゃって、あまりいいとは思えない。というか、天井画って部屋の内装と一体になって初めて良さが出るんであって、絵そのものがすごくいいというものでもないですしね。
でも、フランチェスコ・デル・カイロの「ルクレティア」、アダム・デ・コーテルの「三人の歌い手」の2枚の絵はよかったし、家具とタペストリーは目が飛び出るほどの精緻さでした。どれだけ時間と手間をかけて作ったんだ!って感じ。とはいえ、あまりにも細かすぎて、あまりにも金ぴかすぎて、ちょっと息苦しくなる。
だから、そのあとでルネサンスの人間くさい、ちょっと不潔なところもちゃんと描いた絵を見てほっとしました。ラファエロ・サンティの「男の肖像」(右上)やクエンティン・マセイスの「徴税吏たち」(下)がお気に入り。
そしてなんといっても安心して楽しめるのがフランドル絵画。ブリューゲルが父・息子合わせて3枚(ブリューゲルに倣った作品も入れると4枚)あったのですが、なんだかうれしくなっちゃいました。
あと、ビーダーマイヤーの部屋にはヴィジェ・ルブランのかなり大きな作品が1枚。「虹の女神イリスとしてのカロリーネ・リヒテンシュタイン侯爵夫人(旧姓マンデルシャイト女伯)」(右)ですが、これはいまいちの出来。大きすぎたんじゃないかな。まあ、リヒテンシュテイン家の人物を描いているということで出番があったのでしょう。
クンストカンマーの部屋は先のバロック・ルームよりさらに精緻な作品が並びます。特にすごかったのが下の写真の象牙のジョッキ。一体どうやって彫ったんだ?という細かさです。でも、こんなのからビール飲んだら口を怪我しそう。横にあるのはぜんまい仕掛けの酒器で、ねじをまくと全体がすーっと前に進みます。テーブルの上でこれを動かし、これが前で止まった席の人が鹿の頭をとって中に入っている酒を注ぐのだそうです。これも、よく見ると色々な動物がたくさん飾られています。
ほかにも煙水晶を彫って作った壷に銀や七宝で飾りをつけたものとか、貴石を細かく砕いたもので象嵌をしたチェストとか、ため息が出るような工芸品が並んでいました。
展覧会ホームページはこちら。
ただ、みんながリヒテンシュタイン展に来たわけではなく、同時開催の日展のほうに行った人も多かったようです。理由はわからないけど日展のほうは今日は入場無料なんだそうで。
リヒテンシュタインってルクセンブルグのこと?と思うほど無知な私なので、夕べのうちにウィキペディアで調べてみました。ルクセンブルグとごっちゃになっていたのですが、スイスとオーストリアにはさまれた小豆島くらいの大きさの国なんですね。国というより規模の大きな荘園領主という感じでしょうか。でも、お金はありそう。ということは美術館の収蔵品もすごく、その数3万点、英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションなんだそうです。今回の展覧会ではそこから139点をもってきています。
目玉はルーベンス・コレクション、バロック様式の絵画・彫刻・工芸品・家具調度を集めて、天井画を実際に天井に展示したバロック・ルーム、それにクンストカンマーと呼ばれる精緻な工芸品を集めた部屋に集められていたコレクション。
ルーベンスは10点で、チラシに使われている愛娘の絵《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》が一押しらしい。グッズもこれを使ったものが多かった。でも、個人的にはあまり好きになれなかったな。「可愛いだろう」と言わんばかりなのがちょっと鼻につく。というか、もともとルーベンスはそれほど好きじゃない。(ごめんね、ネロ)
バロック・ルームは確かに天井に4枚の丸い天井画が展示されていましたが、これってやっぱり本物の宮殿にないと浮いちゃって、あまりいいとは思えない。というか、天井画って部屋の内装と一体になって初めて良さが出るんであって、絵そのものがすごくいいというものでもないですしね。
でも、フランチェスコ・デル・カイロの「ルクレティア」、アダム・デ・コーテルの「三人の歌い手」の2枚の絵はよかったし、家具とタペストリーは目が飛び出るほどの精緻さでした。どれだけ時間と手間をかけて作ったんだ!って感じ。とはいえ、あまりにも細かすぎて、あまりにも金ぴかすぎて、ちょっと息苦しくなる。
だから、そのあとでルネサンスの人間くさい、ちょっと不潔なところもちゃんと描いた絵を見てほっとしました。ラファエロ・サンティの「男の肖像」(右上)やクエンティン・マセイスの「徴税吏たち」(下)がお気に入り。
そしてなんといっても安心して楽しめるのがフランドル絵画。ブリューゲルが父・息子合わせて3枚(ブリューゲルに倣った作品も入れると4枚)あったのですが、なんだかうれしくなっちゃいました。
あと、ビーダーマイヤーの部屋にはヴィジェ・ルブランのかなり大きな作品が1枚。「虹の女神イリスとしてのカロリーネ・リヒテンシュタイン侯爵夫人(旧姓マンデルシャイト女伯)」(右)ですが、これはいまいちの出来。大きすぎたんじゃないかな。まあ、リヒテンシュテイン家の人物を描いているということで出番があったのでしょう。
クンストカンマーの部屋は先のバロック・ルームよりさらに精緻な作品が並びます。特にすごかったのが下の写真の象牙のジョッキ。一体どうやって彫ったんだ?という細かさです。でも、こんなのからビール飲んだら口を怪我しそう。横にあるのはぜんまい仕掛けの酒器で、ねじをまくと全体がすーっと前に進みます。テーブルの上でこれを動かし、これが前で止まった席の人が鹿の頭をとって中に入っている酒を注ぐのだそうです。これも、よく見ると色々な動物がたくさん飾られています。
ほかにも煙水晶を彫って作った壷に銀や七宝で飾りをつけたものとか、貴石を細かく砕いたもので象嵌をしたチェストとか、ため息が出るような工芸品が並んでいました。
展覧会ホームページはこちら。
by timeturner
| 2012-11-12 20:47
| 美術
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