2012年 10月 11日
映像で読み解く英米社会「裏切りのサーカス」 |
今年5月から6月にかけて開催された文京学院大学大学院外国語学研究科連携講座が人気だったようで、その続編が先週から始まりました。
1回目は「ハート・ロッカー」だったのでパスしてしまい、2回目のきょう、「裏切りのサーカス」から受講です。受講料は今回も全6回3000円と親切な設定なので、きょうと4回目の「英国王のスピーチ」のためだけに払ってもいいくらい。「この自由な世界で」はこれから見る予定。
講師は前回「ゴスフォード・パーク」を担当したイギリス人女性で、通訳も同じ先生。前回より事前準備ができたようで、ふたりの連携がスムーズでした。
それほど大きな期待はしていなかったのですが、映画のDVD(日本では11月発売なので英国製DVDを英語字幕付きで)だけでなくBBCでアレック・ギネス主演で放映され評判がよかったドラマのDVD(これも英語字幕付き)も比較対象のために見せてくれたのが予想外のヒット。
講師の先生は映画にはがっかりしたそうで、ドラマ版が5時間強なのに対して映画は2時間、とても登場人物や物語の背景を説明しきれないから、というのがその理由で、先にTVドラマで見てしまっていたらそうだろうなあと思いました。
ただ、今回DVDでほんの少し見ただけでも、映画館では気づかなかった細かい工夫をみつけたりしたので、映画のほうもじっくり見ればもっと情報をとりいれることができるように作られているのだと思います。
先生の指摘の中で面白いと思ったのはスマイリーの眼鏡のこと。ドラマ版のアレック・ギネス扮するスマイリーの特徴はstaringなんだそうで、誰かを尋問するときには相手をじーっと見て、次に眼鏡をはずしてレンズをふき、眼鏡をかけてまたじーっと見る、というのを必ずするのだそう。映画のほうではMI6を去ったスマイリーが眼鏡屋に行って新しい眼鏡を作るシーンがありますが、あれでスマイリーがよりクリアに物事を見られるようになってモグラ探しに取り組むというあたりがドラマ版からの影響ではないかと言うのです。なるほど。
さらに、今回私が気づいたというのもこのシーンで、スマイリーが目をさましてベッドで起き上がり、目覚ましを見たあとに画面がぼやけるんですよね。で、そのあと鏡の中の自分を眼鏡をかけて見ているスマイリーが映る。自分が目が悪くて映画館でも画面がぼやっとして見えることが多いもので、この部分をうっかり見逃していました。あそこでスマイリーの眼鏡が合わなくなっていることそ示唆していたんですね。だから眼鏡屋に行ったんだ!(いまさらですか?)
講義は、映画とドラマの内容から始まってジョン・ル・カレの経歴、MI5とMI6の説明、オックスブリッジとスパイの関係、上流社会とスパイの関係、ケンブリッジ5について、なぜ国家に対する忠誠を尊ぶはずの上流社会の若者たちがソ連のスパイになったのか、その他の話題になったスパイの話ときて、最後は同じようなテイストでお勧めの映画や本の紹介、最後にモグラが捕まるシーンをドラマと映画の両方見せるという流れだったのですが、残念ながら時間切れでドラマのほうしか見られませんでした。
【映画・ドラマ】
「裏切りのサーカス」(ゲイリー・オールドマン主演)
「Tinker Tailor Soldier Spy」(アレック・ギネス主演)
「An Englishman Abroad」(ケンブリッジ5のひとりガイ・バージェスの話)
「A Question of Attribution」(ケンブリッジ5のひとりアンソニー・ブラントの話)
「冷戦下のスパイ? ケンブリッジ・スパイグループとローゼンバーグ夫妻の最期」(世界に衝撃を与えた日シリーズ28)
「ゴーストライター」
「007 スカイフォール」(12月公開の新ボンド映画)
【本】
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ジョン ル・カレ)
『Tinker, Taylor, Soldier, Spy』(John le Carre)
『スパイの世界史』(海野 弘)
『Anthony Blunt: His Lives』(Miranda Carter)
『Spy Catcher』(Peter Wright)
キム・フィルビーを描いた映画「アナザー・カントリー」、TVドラマ「Cambridge Spies」が含まれていないのが不思議です。ゲイを表面に出しすぎているので男性が多い受講者に遠慮してやめたのでしょうか?
1回目は「ハート・ロッカー」だったのでパスしてしまい、2回目のきょう、「裏切りのサーカス」から受講です。受講料は今回も全6回3000円と親切な設定なので、きょうと4回目の「英国王のスピーチ」のためだけに払ってもいいくらい。「この自由な世界で」はこれから見る予定。
講師は前回「ゴスフォード・パーク」を担当したイギリス人女性で、通訳も同じ先生。前回より事前準備ができたようで、ふたりの連携がスムーズでした。
それほど大きな期待はしていなかったのですが、映画のDVD(日本では11月発売なので英国製DVDを英語字幕付きで)だけでなくBBCでアレック・ギネス主演で放映され評判がよかったドラマのDVD(これも英語字幕付き)も比較対象のために見せてくれたのが予想外のヒット。
講師の先生は映画にはがっかりしたそうで、ドラマ版が5時間強なのに対して映画は2時間、とても登場人物や物語の背景を説明しきれないから、というのがその理由で、先にTVドラマで見てしまっていたらそうだろうなあと思いました。
ただ、今回DVDでほんの少し見ただけでも、映画館では気づかなかった細かい工夫をみつけたりしたので、映画のほうもじっくり見ればもっと情報をとりいれることができるように作られているのだと思います。
先生の指摘の中で面白いと思ったのはスマイリーの眼鏡のこと。ドラマ版のアレック・ギネス扮するスマイリーの特徴はstaringなんだそうで、誰かを尋問するときには相手をじーっと見て、次に眼鏡をはずしてレンズをふき、眼鏡をかけてまたじーっと見る、というのを必ずするのだそう。映画のほうではMI6を去ったスマイリーが眼鏡屋に行って新しい眼鏡を作るシーンがありますが、あれでスマイリーがよりクリアに物事を見られるようになってモグラ探しに取り組むというあたりがドラマ版からの影響ではないかと言うのです。なるほど。
さらに、今回私が気づいたというのもこのシーンで、スマイリーが目をさましてベッドで起き上がり、目覚ましを見たあとに画面がぼやけるんですよね。で、そのあと鏡の中の自分を眼鏡をかけて見ているスマイリーが映る。自分が目が悪くて映画館でも画面がぼやっとして見えることが多いもので、この部分をうっかり見逃していました。あそこでスマイリーの眼鏡が合わなくなっていることそ示唆していたんですね。だから眼鏡屋に行ったんだ!(いまさらですか?)
講義は、映画とドラマの内容から始まってジョン・ル・カレの経歴、MI5とMI6の説明、オックスブリッジとスパイの関係、上流社会とスパイの関係、ケンブリッジ5について、なぜ国家に対する忠誠を尊ぶはずの上流社会の若者たちがソ連のスパイになったのか、その他の話題になったスパイの話ときて、最後は同じようなテイストでお勧めの映画や本の紹介、最後にモグラが捕まるシーンをドラマと映画の両方見せるという流れだったのですが、残念ながら時間切れでドラマのほうしか見られませんでした。
【映画・ドラマ】
「裏切りのサーカス」(ゲイリー・オールドマン主演)
「Tinker Tailor Soldier Spy」(アレック・ギネス主演)
「An Englishman Abroad」(ケンブリッジ5のひとりガイ・バージェスの話)
「A Question of Attribution」(ケンブリッジ5のひとりアンソニー・ブラントの話)
「冷戦下のスパイ? ケンブリッジ・スパイグループとローゼンバーグ夫妻の最期」(世界に衝撃を与えた日シリーズ28)
「ゴーストライター」
「007 スカイフォール」(12月公開の新ボンド映画)
【本】
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ジョン ル・カレ)
『Tinker, Taylor, Soldier, Spy』(John le Carre)
『スパイの世界史』(海野 弘)
『Anthony Blunt: His Lives』(Miranda Carter)
『Spy Catcher』(Peter Wright)
キム・フィルビーを描いた映画「アナザー・カントリー」、TVドラマ「Cambridge Spies」が含まれていないのが不思議です。ゲイを表面に出しすぎているので男性が多い受講者に遠慮してやめたのでしょうか?
by timeturner
| 2012-10-11 22:32
| 学習
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