2012年 09月 22日
アンナのうちはいつもにぎやか |
アンナはアフリカの小さな女の子。ナイジェリア人のパパとカナダ人のママ、ふたごの弟、たくさんのおじさんやおばさん、いとこたち、それにおじいさん、おばあさんと一緒に大きな白い家に住んでいる。家の外には高層ビルが立つ街があり、人々や車が忙しく行き交っているが、塀で囲まれた庭にはおいしい実がなる木があるし、いつでもだれかが相手をしてくれる・・・。
作者はナイジェリア人の父親と英国人の母親のあいだに生まれ、10歳までナイジェリアで暮らしたのちに英国に移ったのだそうで、自身の子ども時代の思い出を描いています。たぶん、ナイジェリアの基準からするとかなり恵まれた層だったんじゃないでしょうか。それでも、いわゆる立地な金持ちの暮らしというのとはほど遠く、家長であるおじいさんとおばあさんを家族の誰もが敬い、自分の子も親戚の子も区別せずに共同でめんどうをみる大家族の暮らしは核家族化が進んでいる日本ではもう、どんな田舎にいっても見られそうにない風景です。
ナイジェリアと聞いて「ナイジェリア詐欺」くらいしか思い浮かばない貧弱な知識しかなかったのですが、こんなふうに昔ながらの生活様式を守っている人たちがたくさん住んでいる国だったんですね。
アメリカに行って働いているおばさんが休暇で帰ってくるエピソードがあるのですが、すっかりアメリカナイズされてしまったんじゃないかと危惧する家族の予想とは裏腹に、現地の人よりもっとアフリカ風の服装、立ち居振る舞いを見せてみんなを驚かせます。これはすごくわかる。外国に暮らし、周囲から常にアフリカ人と見られることで自らのアイデンティティがしっかり確立されるんですよね。まあ、中にはすっかり行った先の風習にかぶれてしまう人もいますが(日本人に多そう)。
作者もあとがきで書いていますが、そこに住んでいる人たちにとってはごく当たり前のことが、外国の、特に子どもたちの目にはとても珍しく面白く映るものです。大人の私でもびっくりしながら大いに楽しみました。
アンナ・ハイビスカスのお話 アンナのうちはいつもにぎやか
原題:Anna Hibiscus
作者:アティニューケ
イラスト:ローレン・トビア
訳者:永瀬比奈
出版社:徳間書店
ISBN:4198634467
作者はナイジェリア人の父親と英国人の母親のあいだに生まれ、10歳までナイジェリアで暮らしたのちに英国に移ったのだそうで、自身の子ども時代の思い出を描いています。たぶん、ナイジェリアの基準からするとかなり恵まれた層だったんじゃないでしょうか。それでも、いわゆる立地な金持ちの暮らしというのとはほど遠く、家長であるおじいさんとおばあさんを家族の誰もが敬い、自分の子も親戚の子も区別せずに共同でめんどうをみる大家族の暮らしは核家族化が進んでいる日本ではもう、どんな田舎にいっても見られそうにない風景です。
ナイジェリアと聞いて「ナイジェリア詐欺」くらいしか思い浮かばない貧弱な知識しかなかったのですが、こんなふうに昔ながらの生活様式を守っている人たちがたくさん住んでいる国だったんですね。
アメリカに行って働いているおばさんが休暇で帰ってくるエピソードがあるのですが、すっかりアメリカナイズされてしまったんじゃないかと危惧する家族の予想とは裏腹に、現地の人よりもっとアフリカ風の服装、立ち居振る舞いを見せてみんなを驚かせます。これはすごくわかる。外国に暮らし、周囲から常にアフリカ人と見られることで自らのアイデンティティがしっかり確立されるんですよね。まあ、中にはすっかり行った先の風習にかぶれてしまう人もいますが(日本人に多そう)。
作者もあとがきで書いていますが、そこに住んでいる人たちにとってはごく当たり前のことが、外国の、特に子どもたちの目にはとても珍しく面白く映るものです。大人の私でもびっくりしながら大いに楽しみました。
アンナ・ハイビスカスのお話 アンナのうちはいつもにぎやか
原題:Anna Hibiscus
作者:アティニューケ
イラスト:ローレン・トビア
訳者:永瀬比奈
出版社:徳間書店
ISBN:4198634467
by timeturner
| 2012-09-22 20:00
| 和書
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