2012年 08月 29日
快楽としての読書 海外篇 |
聖書とホメロスの新訳、マルケス、ナボコフ、クンデラ、カズオ・イシグロ、そしてフォーサイスまで、古今の海外作品114篇(実際にはもっと)の書評集。
あとがきで鹿島茂が書いている通り、ものすごく「お得」な一冊でした。雑誌などに連載していたものをまとめたものですが、よくあるその手のお手軽エッセイ集なんかじゃない。本物の書評です。質がまるで違う。ひとつひとつが素晴らしくよく書けていて、ふつうのエッセイの100倍くらい密度が濃いです。
だからといって難解だったり深刻だったりすることははなく、とても軽妙で読みやすい(歴史的假名づかいで書かれているのに)。なのに無駄なことは一行たりとも書かれていない。想像もつかないくらい数多くの本を深く精密に読みこんできた文学者ならではのパースペクティヴで明快に語られていて、目からウロコが落ちる。いやあ、こういうのが本物の書評なんですね。
それにしてもここに紹介されている作品のうち私が読んだことがあるものはごくわずか、1割くらいというのは情けない話です。初めのうちはそれだけ拾って読んだのですが、あっという間に終わってしまった。いくらなんでもこれではと思い、興味がある作品のところを読んでみると、これがものすごく面白そうに書いてあって、すぐにでも読みたくなってしまう。まあ、もともと興味があったわけだしなあと思いつつ、試しにあまり興味がなかった作品について読んでみると、これまた面白そうなのよ。という繰り返しで、結局全部読んでしまいました。
また図書館の予約点数が増えちゃうなあ。
快楽としての読書 海外篇
作者:丸谷才一
出版社:筑摩書房
ISBN:4480429387
あとがきで鹿島茂が書いている通り、ものすごく「お得」な一冊でした。雑誌などに連載していたものをまとめたものですが、よくあるその手のお手軽エッセイ集なんかじゃない。本物の書評です。質がまるで違う。ひとつひとつが素晴らしくよく書けていて、ふつうのエッセイの100倍くらい密度が濃いです。
だからといって難解だったり深刻だったりすることははなく、とても軽妙で読みやすい(歴史的假名づかいで書かれているのに)。なのに無駄なことは一行たりとも書かれていない。想像もつかないくらい数多くの本を深く精密に読みこんできた文学者ならではのパースペクティヴで明快に語られていて、目からウロコが落ちる。いやあ、こういうのが本物の書評なんですね。
それにしてもここに紹介されている作品のうち私が読んだことがあるものはごくわずか、1割くらいというのは情けない話です。初めのうちはそれだけ拾って読んだのですが、あっという間に終わってしまった。いくらなんでもこれではと思い、興味がある作品のところを読んでみると、これがものすごく面白そうに書いてあって、すぐにでも読みたくなってしまう。まあ、もともと興味があったわけだしなあと思いつつ、試しにあまり興味がなかった作品について読んでみると、これまた面白そうなのよ。という繰り返しで、結局全部読んでしまいました。
また図書館の予約点数が増えちゃうなあ。
快楽としての読書 海外篇
作者:丸谷才一
出版社:筑摩書房
ISBN:4480429387
by timeturner
| 2012-08-29 22:20
| 和書
|
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