2012年 08月 26日
The Kingdom Under the Sea and Other Stories |
寂しい海辺の小屋でひとりぼっちで暮らしていた漁師はなんの楽しみもない生活に疲れ、暁の女神に救いを求めた。女神によってつかわされた妻は家事をし、音楽を奏で、不思議な物語を毎晩聞かせて男を楽しませた。やがて漁師は妻の話にあった海の下の宮殿を自分の目で見たくてたまらなくなり・・・。表題作ほか10編収録。ケイト・グリーナウェイ賞受賞。
東欧諸国の昔話の再話だそうで、『しずくの首飾り』と同じようなタッチを感じます。ピアンコフスキーの影絵のように繊細な挿絵のせいもあるかもしれない。大判で紙質のいい造りなので『しずくの首飾り』よりいっそう絵と文のコラボレーションが楽しめます。子どもの頃にこの本を読んだら、美しいイメージがお話とともに一生記憶に残りそう。
The Pear Tree と The Goose Girl には珍しくキリスト教の神が出てきます。時代や地域を考えれば出てきても不思議はないのですが、昔話とキリスト教ってなんだか違和感がある。聖書と重なるからかな。The Goose Girl のオチはかなり現代的なのでエイキンの創作がほとんどかもしれないと思ったりして。
子ども向きだからといってやさしい言葉だけ使ったり、単純な言い回しにしたりすることはしていません。というか、これ、子ども向きか? 大人が読み聞かせながら、相手に合わせて言い換えることを予想しているのかな。
The Kingdom Under the Sea
邦題:海の王国
作者:Joan Aiken
イラスト:Jan Pienkowski
出版社:Jonathan Cape
ISBN:0857550098
東欧諸国の昔話の再話だそうで、『しずくの首飾り』と同じようなタッチを感じます。ピアンコフスキーの影絵のように繊細な挿絵のせいもあるかもしれない。大判で紙質のいい造りなので『しずくの首飾り』よりいっそう絵と文のコラボレーションが楽しめます。子どもの頃にこの本を読んだら、美しいイメージがお話とともに一生記憶に残りそう。
The Kingdom Under the Sea昔話はたくさんの人の口を通して伝わってきたものなので、理屈に合わない展開や納得のいかない結末が多いものですが、ここに収められているものはどれも無茶なところのない論理的な話です。エイキンがそう変えたのか、もともとそういうものだけ選んだのか、あるいは東欧の人々が論理的な人種なのか・・・。
The Imprisoned Queen
Baba Yaga's Daughter
The Sun-God's Castle
The Reed Girl
The King Who Declared War on the Animals
The Venetian Princess
The Pear Tree
The Sun's Cousin
The Golden-Fleeced Ram and the Hundred Elephants
The Goose Girl
The Pear Tree と The Goose Girl には珍しくキリスト教の神が出てきます。時代や地域を考えれば出てきても不思議はないのですが、昔話とキリスト教ってなんだか違和感がある。聖書と重なるからかな。The Goose Girl のオチはかなり現代的なのでエイキンの創作がほとんどかもしれないと思ったりして。
子ども向きだからといってやさしい言葉だけ使ったり、単純な言い回しにしたりすることはしていません。というか、これ、子ども向きか? 大人が読み聞かせながら、相手に合わせて言い換えることを予想しているのかな。
The Kingdom Under the Sea
邦題:海の王国
作者:Joan Aiken
イラスト:Jan Pienkowski
出版社:Jonathan Cape
ISBN:0857550098
by timeturner
| 2012-08-26 20:23
| 洋書
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