2006年 12月 21日
I Forget You For Ever |
届いた! 一緒の発送にしていた「3 Fools 4 April」も一緒に。自分へのクリスマス・プレゼントにちょうど間に合った。
相変わらずきれいな本を作りますね、Parceval Pressさん。紙質がいいから写真の印刷もすごくきれいだし、レイアウトのセンスもいい。ひとつだけ不満があるとしたら、紙が厚いのに無線綴じなので、怖くて思いきり本を開けない。見開きで印刷されている写真もあるので、これはちょっと残念。もしかしたら強力な糊を使っていて、しっかり開いても大丈夫なのかもしれないけれど、以前『Coincidence of Memory』でページがはずれてしまった経験があるので冒険はできない。
文章は予想していたより少なくて、どちらかというと写真集。ただその写真たちが様々な思いや感情を見る側に喚起するので、見終わったときには本を「読んだ」ような気分でしたが。
トビラのタイトル文字の下には先日一緒に展覧会を開いたグドニさんの言葉が。
「カレン・ブリクセンの家のカーテンが長すぎたって知ってる? 床にひきずってたんだ。彼女はなんでも自分で作った。で、カーテンを長く作りすぎた。そういうことってあるよね」
次のクレジットのページには「for Henry」とヘンリーへの献辞があり、おそらくヘンリーと思われる幼児の写真が小さく切り抜きで載っています。そしていちばん最初の「Leaves」という1ページ半にわたる文章は、幼い頃のヘンリーの思い出と彼が「遊ぼう」と言ってきたときにいろいろな理由でそれを断ったことへの後悔が綴られています。これを読む限りではヘンリー君は大学進学にともないLAの家を出て大陸の反対側(NY?)に引っ越したようですね。成長して離れていく子供を見送りながら、もっと一緒にいたかったと寂しく思う親心が炸裂という感じ。
ほかにヴィゴが毎日何をしているのかが垣間見える「With These Hands, While You Can」やマドリッドからNYへ帰るためロンドンへと向かっている飛行機の中でのとりとめない(?)思いをそのまま書き留めたような「Madrid to London to Connect New York」、スペイン語で書かれた「Sahagun」(実際にはuの上にアクセント記号があります)、排尿する場所に関するかなり風変わりな嗜好を告白(?)する「"Everything is really water"(Thales)」、人生と生き方に関する考察「For Ever」といったふうにとらえましたが、全くの勘違いの可能性大。
しかしヴィゴ、洗面台で***するのはやめてほしい・・・。というか書くんじゃない。
写真は過去から現在(2006年)までのものが満遍なく、おそらくはこの本のテーマに沿うように選ばれ、並べられているのだと思うけれど、私には説明できない。ただひたすらどれがどれより好きかを感じるだけ。タイトルが日付だけのものはすべて動物の死骸の写真です。ひょっとして動物の死骸を見かけるたびに写真に撮り、日付や場所を記録している? ヴィゴなら充分にあり得る。在りし日のブリジットの写真も・・・。
私が好きだったのはHindlight 80、一連のWinter Lightシリーズ、Vor 13、Toronto、Wednesday Againといったところ。彼の色彩感覚と瞬間を切り分ける目は本当に素晴らしい。しばらく前に全裸で話題騒然となったDown To Youの被写体はやはりヴィゴでしょうか。隣に同じような姿勢で絵を描く女の子の写真が掲載されているのですが、ローラが撮った左側の写真とは明らかに空気が違っていて、なるほどなあと思います。写真は誰にでも撮れるけれど、アングル、光線、タイミングなどによって撮った人の個性が出るんですね。ローラの写真はそういう点でこの本の中では明らかに異質ですが彼女の才能を垣間見せてくれます。
【追記】「3 Fools 4 April」のDVDのほうを見始めたら、この本から2編読んでいる。「Madrid to London to Connect New York」と「For Ever」。「For Ever」はDVDではPublic Relationsというタイトルで最初の2パラグラフだけ。本とは多少言葉が変わっており、本に収録するにあたってヴィゴがどんなふうに推敲し広げていったのかがわかって興味深い。
I Forget You For Ever
作者:Viggo Mortensen
出版社:Parceval Press
ISBN:0976300931
相変わらずきれいな本を作りますね、Parceval Pressさん。紙質がいいから写真の印刷もすごくきれいだし、レイアウトのセンスもいい。ひとつだけ不満があるとしたら、紙が厚いのに無線綴じなので、怖くて思いきり本を開けない。見開きで印刷されている写真もあるので、これはちょっと残念。もしかしたら強力な糊を使っていて、しっかり開いても大丈夫なのかもしれないけれど、以前『Coincidence of Memory』でページがはずれてしまった経験があるので冒険はできない。
文章は予想していたより少なくて、どちらかというと写真集。ただその写真たちが様々な思いや感情を見る側に喚起するので、見終わったときには本を「読んだ」ような気分でしたが。
トビラのタイトル文字の下には先日一緒に展覧会を開いたグドニさんの言葉が。
「カレン・ブリクセンの家のカーテンが長すぎたって知ってる? 床にひきずってたんだ。彼女はなんでも自分で作った。で、カーテンを長く作りすぎた。そういうことってあるよね」
次のクレジットのページには「for Henry」とヘンリーへの献辞があり、おそらくヘンリーと思われる幼児の写真が小さく切り抜きで載っています。そしていちばん最初の「Leaves」という1ページ半にわたる文章は、幼い頃のヘンリーの思い出と彼が「遊ぼう」と言ってきたときにいろいろな理由でそれを断ったことへの後悔が綴られています。これを読む限りではヘンリー君は大学進学にともないLAの家を出て大陸の反対側(NY?)に引っ越したようですね。成長して離れていく子供を見送りながら、もっと一緒にいたかったと寂しく思う親心が炸裂という感じ。
ほかにヴィゴが毎日何をしているのかが垣間見える「With These Hands, While You Can」やマドリッドからNYへ帰るためロンドンへと向かっている飛行機の中でのとりとめない(?)思いをそのまま書き留めたような「Madrid to London to Connect New York」、スペイン語で書かれた「Sahagun」(実際にはuの上にアクセント記号があります)、排尿する場所に関するかなり風変わりな嗜好を告白(?)する「"Everything is really water"(Thales)」、人生と生き方に関する考察「For Ever」といったふうにとらえましたが、全くの勘違いの可能性大。
しかしヴィゴ、洗面台で***するのはやめてほしい・・・。というか書くんじゃない。
写真は過去から現在(2006年)までのものが満遍なく、おそらくはこの本のテーマに沿うように選ばれ、並べられているのだと思うけれど、私には説明できない。ただひたすらどれがどれより好きかを感じるだけ。タイトルが日付だけのものはすべて動物の死骸の写真です。ひょっとして動物の死骸を見かけるたびに写真に撮り、日付や場所を記録している? ヴィゴなら充分にあり得る。在りし日のブリジットの写真も・・・。
私が好きだったのはHindlight 80、一連のWinter Lightシリーズ、Vor 13、Toronto、Wednesday Againといったところ。彼の色彩感覚と瞬間を切り分ける目は本当に素晴らしい。しばらく前に全裸で話題騒然となったDown To Youの被写体はやはりヴィゴでしょうか。隣に同じような姿勢で絵を描く女の子の写真が掲載されているのですが、ローラが撮った左側の写真とは明らかに空気が違っていて、なるほどなあと思います。写真は誰にでも撮れるけれど、アングル、光線、タイミングなどによって撮った人の個性が出るんですね。ローラの写真はそういう点でこの本の中では明らかに異質ですが彼女の才能を垣間見せてくれます。
【追記】「3 Fools 4 April」のDVDのほうを見始めたら、この本から2編読んでいる。「Madrid to London to Connect New York」と「For Ever」。「For Ever」はDVDではPublic Relationsというタイトルで最初の2パラグラフだけ。本とは多少言葉が変わっており、本に収録するにあたってヴィゴがどんなふうに推敲し広げていったのかがわかって興味深い。
I Forget You For Ever
作者:Viggo Mortensen
出版社:Parceval Press
ISBN:0976300931
by timeturner
| 2006-12-21 23:31
| 洋書
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