2012年 06月 26日
思い出のマーニー(上・下) |
アンナは幼い頃に両親を亡くし、世話をしてくれていた祖母にも先立たれて孤児院にいたところをプレストン夫妻にひきとられた。養い親は親切だったが、肉親に何度も捨てられたという思いを抱くアンナは固い殻の中にとじこもって誰ともうちとけようとしない。そんなアンナを心配した周囲の大人たちは、学校を休ませ、海辺の村にしばらく転地させることにした。ペグ夫妻の家に預けられたアンナは、ひとりで遊んでいるうちに不思議な少女マーニーと知り合い、初めて友人を得た歓びを感じるのだが・・・。
これも『本へのとびら―岩波少年文庫を語る』に挙がっていた本。
初めのほうはあまりにも悲惨な過去をもつアンナのかたくなな心の描写が続くのでどよーんとした気分になってしまい、あまり楽しめない本だなと思うのですが、海辺の村に移り、マーニーと出会ってからはもう一直線。マーニーと一緒の冒険もわくわくさせるし、マーニーが実在の人物なのかどうかという謎にも惹かれるし、下巻から登場するリンゼー家の人々との交流も楽しいけれど、やはりアンナの心の変化がとてもきめ細かく描かれているところが感動的です。
最後の謎解き部分も「なるほど~」と納得できる解決で、大人が読んでも十分に楽しめる作品でした。ただどうもこの訳者とは相性が悪いわ。
そうそう、最後の文のスタイルが『トムは真夜中の庭で』と同じだったのでちょっと驚きました。イギリスの児童文学ではよくある形なんでしょうか。
思い出のマーニー〈上〉
思い出のマーニー〈下〉
原題:When Marnie Was There
作者:ジョーン・ロビンソン
訳者:松野正子
出版社:岩波書店
ISBN:4001141108、4001141116
これも『本へのとびら―岩波少年文庫を語る』に挙がっていた本。
初めのほうはあまりにも悲惨な過去をもつアンナのかたくなな心の描写が続くのでどよーんとした気分になってしまい、あまり楽しめない本だなと思うのですが、海辺の村に移り、マーニーと出会ってからはもう一直線。マーニーと一緒の冒険もわくわくさせるし、マーニーが実在の人物なのかどうかという謎にも惹かれるし、下巻から登場するリンゼー家の人々との交流も楽しいけれど、やはりアンナの心の変化がとてもきめ細かく描かれているところが感動的です。
最後の謎解き部分も「なるほど~」と納得できる解決で、大人が読んでも十分に楽しめる作品でした。ただどうもこの訳者とは相性が悪いわ。
そうそう、最後の文のスタイルが『トムは真夜中の庭で』と同じだったのでちょっと驚きました。イギリスの児童文学ではよくある形なんでしょうか。
思い出のマーニー〈上〉
思い出のマーニー〈下〉
原題:When Marnie Was There
作者:ジョーン・ロビンソン
訳者:松野正子
出版社:岩波書店
ISBN:4001141108、4001141116
by timeturner
| 2012-06-26 23:09
| 和書
|
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